「日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか」井上章一著

まだ全部読んでもいないのに紹介したくなる本が稀にある。タイトルの様に日本人が家で靴を脱ぐ理由は説明してくれない。これはぼったくりバーの客引きに引っ掛かり「3000円ポッキリ、若い子触り放題」の口上に釣られてドアーを開ける行為に似てはいないか・・・。子供の頃靴を脱ぐという行為は当たり前であった。自宅、学校、児童会館、病院、床屋・・・どこでも靴を脱ぐ。脱がなくて良いのはデパートの丸井さんだけである。(札幌の人間は丸井百貨店だけ丸井さんと「さん」づけで呼ぶ。三越、東急は呼び捨てである)初めてテレビが家に着て海外ドラマをみて驚くことが有った。母親が綺麗で冷蔵庫がやたら大きくそして家でも靴を履いている。ベットに寝そべる時も靴を履いている。イヌのウンチを踏んづけた靴で寝そべったらと思うとぞっとしたことが有った。当時日本ではそれ程犬のうんちが落ちていた。そこから「犬も歩けばウンチする」ということわざができている。大昔北大恵迪寮に行ったことが有る。あまりの汚さに靴は履いたままで良いと思っていたら土足厳禁と言われたことが有る。靴を脱ぐか脱がないかは屋内と屋外の境界線を巡る争いであり明治維新以後生活全般急速に西洋化を進めてきた日本人であるが靴は脱ぎ続けた日本人の心性とは何か。時々乗せてもらった車が土禁車だったりすることが有った。若者に多かった。やっと買った車は彼らにとって家そのものであり家では靴は脱ぐものという言う伝統的思考を引き継いでいる。1昨年、何十年かぶりにスナックに連れて行ってもらった。そこが靴を脱ぐタイプのお店であった。まずい・・・。指先に穴の開いている靴下を履いてきている。ずっと止まり木に止まるインコの様に指先を丸めていた。その深層心理はイケメンの彼に「今日は帰るの・・」と聞かれたとき勝負下着を着けていない事を後悔するOLのそれと同質である。