一応経済学科を卒業し会社員を辞める時の肩書は経理財務本部課長であった。こう言うと切れ者のビジネスマンを想像するかもしれないが全くのバッタものであったことを今では自覚している。1兆2000億の負債を抱えて会社更生法の適用を受ける準備をしていた頃の記憶と今の日本の財政状況が重なって見えることが有る。会社が危ないことは一般社員には知らされていない。給与があがらなくなり、社内では節電に勤めようとか無駄なコピーはやめようとか「欲しがりません、勝つまでは」という風潮が作られる。財務的には長期借り入れを返済するために新しい借り入れをする自転車操業状態が常態化する。そして最終手段、債権放棄を銀行にお願いに行く。「はい良いですよ」という銀行などありはしない。
今の日本国債残高が1100兆円その半分日銀が引き受けている。つい最近長期金利0.25引き上げられた。通常利上げされると為替は円高に振れる。だがその発表をあざ笑うかのように為替は円安に振れた。マーケットに見透かされているのである。高市内閣財政政策はアベノミクスの継承である。「責任ある積極財政」なる標語に騙されてはいけない。財源が教育、医療、社会保険の減額であったり赤字国債、或いは国会の審議の要らない基金の摂理であったりする。経済政策もお米券に象徴される一時しのぎでインフレを解消する為の施策が全くない。スーパーの棚から又卵とオレンジジュースの姿が時々見られなくなりポテトチップの袋は金さん銀さんの様にどんどん萎んでいく。このインフレは我々にとっては課税効果と一緒なのである。価格があがればそれに比例して消費税は増える。税収は過去最高である。そしてインフレは国の負債を相対的に軽減してくれるのである。太平洋戦争期のGDPに占める国債の割合は現在とあまり変わりがない。終戦後ハイパーインフレによって紙幣は紙くずに政府の赤字は帳消しになった。そんな悪夢が頭をよぎるのである。
