箴言vol2

世の中分からないことで満ちている。それは素人が絶対分からない最先端科学の問題だけではなく、政治経済、身近の社会問題にも芸能、スポーツ、音楽にもはてなマークがあふれている。ただある種のジャンルのものは理屈を知らなくてもある程度楽しめる構造になっている。例えばサッカー。オフサイドの細かい規定を知らなくてもゴールシーンだけで楽しめる。「音楽など感性で感じて好きなものを聴けばいいんだ」一見もっともらしい。だが待てよと思う。なぜこちらの音楽の方がいいと思うのか。僕は知りたくなるのである。そして「音楽にとって美とはなにか」と言った吉本隆明ばりの命題に突き当たってしまう。
勿論簡単には答えは出ない。
こういう時に時に思い出す言葉がある。

鷲田清一「必要なのは、わたしたち一人ひとりが、できるだけ長く、答えが出ない、出せない状態のなかにいつづけられる肺活量をもつこと、いってみれば、問えば問うほど問題が増えてくるかに見えるなかで、その複雑性の増大に耐えうる知的体力をもつこと。」

参考図書
「濃霧の中の方向感覚」鷲田清一