ヘビメタ

一応ロックの洗礼を受けている世代である。Lツェペリンの3枚目のアルバムくらいまでは良く聴いていた。その後急速にjazzに軸足を移していったのでヘビメタの知識はほとんどない。あるトークショウで「ヘビメタは人生である」と言うプログラムを聞いた。メインのゲストは評論家と言うよりも「オタク」と呼んだほうがピンとくるキャラクターであった。話が滅法面白い。
ヘビィメタル、スラッシュメタル、グランジ、オルタネイティブ、デスメタル、ブラッメタル。
メタルのジャンルであるがロックの進化の歴史でもある。Jazzよりも社会の動きに敏感である。ロックはいつからメタルになったのか。きっかけになったグループは知っている。ブラックサバスだ。トニー・アイオミという左利きのギターリストが率いるハードロックバンドであった。リーダーであったボーカル、オジー・オズボーンは自分で作ったごループであったのにも関わらず首になった。そこで作ったグループがジューダス・プリースト。メタルの夜明けと言う事になっている。O・オズボーンはなぜこういうサウンドを思いついたきっかけはと言うと映画館の前を通りかかった時に人が大勢並んでいた事に起因する。映画の種類はホラー映画でなぜこんな怖いものをお金出して見るのであろうかと思ったらしい。だがこの怖い音を音楽に持ち込んだら受けるかもしれないと考えた。なかなかの商売人である。実際ヘビメタのCDはメガヒットが多い。87年ヘビメタにとってはバブル絶頂期である。ガンズ アンド ローゼス、デフレパード、ホワイトスネイクの三枚のアルバムが3800万枚売れた。印税を計算してみよう。一枚2000円として・・・電卓の桁数が足りない、あとは自分でやってください。とにかくお金持ちである。持続化給付金の申請はしなくても良さそうだ。こんなに売れてもグラミーショウにヘビメタ部門がなかった。初年度はハードロックとヘビーメタルが一緒になった部門が一個だけあって誰もがメタリカが受賞すると思っていた。本人たちも受賞グループ名が告げられ時半分椅子を立ち上がりかけた。
「受賞グループはジェスロ・タル」誰だ・・・そいつらはと言う事になった。
僕は知っている。Jazz プレイャーのR・カークに影響を受けたフルート奏者I・アンダーソンが率いるプログレ、ジャズ色も感じさせるいいグループであった。だがグラミー賞のメタル部門で受賞するなどとは努々思わずI・アンダーソンは家で中継を見ていた。この選定は物議を醸しだし部門が分かれたヘビメタ部門で翌年メタリカは晴れて受賞できたと言う事だ。
僕はヘビメタと言うのは若い時のエネルギーで聴きある年になったらAORのような音楽に宗旨替えし穏やかな生き方にシフトしていくものと思っていたら全く違うと知った。ヘビメタフアンは浮気をしない。一生聴き続ける生き方を選ぶ人が多い。マニアの人の暗いイメージと全くそぐわないがおしどりのような生活だ。リターントゥフォーエバーが好きになったり、Jコルトレーンに戻ったりするjazzフアンには耳の痛い言葉である。そこで最初の名言「ヘビメタは生き方である」だ。その日のゲスト寺脇慎吾の名言である。
メタルにも色々な種類がある。何から聞けばいいのか分からない・・・良くある初心者の悩みだ。寺脇はこう答える。
「カレーを食べる時と一緒です」いきなり辛さ8倍の舌が痺れて脂汗出るようなものはやめたほうがいい。最初は辛さ2倍くらいから始めるとよい。寺脇はアイアンメイデンを勧める。
僕はアイアンメイデンが辛さ2倍くらいかどうかは全く分からないがデスメタルは辛さ8倍くらいだと予想がつく。とにかく速い、でかい、何言ってるのか全く分からない。最初の早いだけが吉野家に似ている。
ドラムのレガートがルルルルルルルルルルルrと聞こえる。ボーカルは人間を威嚇するヒグマのような野太い音でデルガタ ダデアダダダッダアアクァックァツtデンンン ブヒブヒ オッパイオッパイと何を言っているのかは全く分からない。歌詞に感情を込めるなど言う作法は平安時代の貴族の所作だと思っている節がある。
ヘビメタには使っていけない音階があるらしい。それはキリスト教の戒律に支配されている恐怖映画、(オーメンを思い浮かべると判りやすい)に端を発した音楽なのでマイナースケールは御法度と言う事らしい。これは検証に値するがヴァン・ヘレンやI・マルムスティーンを聴き続けるのは流石に辛い。誰か調べてほしい。色々な人物像も紹介されていたが、知らない人のエピソードはピンとこない。一人だけ知っている人がいた。ガンズのDアクセルだ。兎に角遅刻魔だ。コンサートを平気で2時間3時間遅らせる。詩を書き曲も作りアクションもカッコいい、文字通りこの人がいないと始まらない。誰も何も言えない。付き合いはステージの上だけという末期のスマップの活動状況と似ている。
遅刻の話だがどの業界にも遅刻魔はいるものだ。僕が知っているのはピアニストのOさんだけだがAブレーキーだと話が面白い。DアクセルとAブレーキーどちらが先に目的地に着くか・・・ブレーキ踏みすぎてアクセルの勝ち・・と思うのが素人の赤坂さ。アクセルとブレーキ一緒に踏むようなGO TOキャンペーンでどこにもつかず引き分けが正解。
日本独自のヘビメタジャンルがあることも知った。嬢メタルというらしい。キャバクラ嬢のいで立ちでやるガールズバンドの事である。今のご時世この種のバンドは流石に活動できないであろう。何せ「キャバクラ」と「ライブ」の二大悪の要素が入っている。
余談
高校の同級生でいまだにヘビメタのバンドをやっている奴がいる。オヤジバンドコンテストで全国優勝をしたことが有る。年賀状に毎年ライブ聴きに来てとある。二度ほど行った。オランダの何とかと言うグループのコピーバンドらしいが元ネタを知らない。10年ほど前僕の店でクラス会をやったことが有る。余興に僕と二人でジャズとヘビメタの間を取ってビートルズをやった
参考図書
「ロックミュージックの社会学」南田勝也
ロックを成立させロックであることを決定づける価値観の体系を説明している。
「ブリティシュロック」林浩平
ニーチェ、ハイデッカーの哲学が提示するもっと音楽を楽しむための思想としてのブリティシュロック
「ジャンルって何だろう」みつとみ俊郎
地図に国境線が書いてあるから国境があると考える人はいない。だが国境は厳然としてある。音楽の世界に国境線を引いたらどなるのであろうか・・・