Jazz紳士交遊録vol13 松島啓之

9月の頭に延期になっていた松島の4daysをやった。その前に松島をこのコーナーで宣伝を兼ねて紹介しようと思っていたが時期を逸してしまった。と言うより書く日を今日に指定されたような気がした。
些細な事象が妙に繋がっていくことが時々ある。
昨日ブログで「独立愚連隊」の事を書いた。1959年の映画である。その時漠然と「kind of blue」が録音された年だと思った。今日9月29日新聞を読むと「今日は何の日」のコーナーにマイルスの命日とあった。松島の事を書かなくてはならない。
何故かトランペットと女性に縁のない生活が長かった。そうだ一生付き合えるトランペッターを呼ぼうと思ったのが5年前だ。こういう時は業界人に参考意見を聞くのも重要だ。米木と峰さんにお伺いを立てた。二人ともファーストコールは大野俊三さんだった。ただ峰さんは「そうそう、松島も良いね」と付け加えた。僕は三択と思っていたが針は松島の方に傾いていった。後は素行調査である。楽器の方は信用している。けれど一緒にいて楽しくない奴はごめんだ。池田篤に相談した。僕との相性を聞いた。・・・・悪くないと言う。酒の飲み方は・・・暗くどっぷりという。内定通知を出した。後は生音を聞いて本採用かどうか決めればよい。初めて生音を聞いた時の事ははっきり覚えている。僕の理想とするtpの音だ。ペラペラな鉄板が鳴っていると言うのではなく純度の高い真鍮がはち切れんばかりに震えていると言う音だ。音色も人柄を象徴するかのように暖かい。偉ぶらないので学生の人気投票でもトップである。ちなみにビリは「怖い」と言う理由であの人である。またドアーを蹴破られると困るので名前は伏せる。
松島のフレーズは王道寄りヘップバーンである。奇抜なことはいらない。それだけで十分伝わる。
松島のyou are my everythingを聴いていると峰さんの駄洒落クイズを思い出す。
打ち上げに席で峰さんは「こういうトランペット知っている?」と言って手をぶらぶらさせるのである。僕はすぐわかったが武士の情け…分からないふりをした。
「震える手・ハバード」
峰さんの得意げな顔が浮かんでくる。