自助の事情

母親はパーキンソン病で要介護認定も受けている。それとは別に本来の老化現象でも足腰が弱ってきている。理学療法の施術と痛み止めの注射を打ちに行っていた整形外科が閉院してしまった。そこは診療点数稼ぎが露骨な病院で評判は良くなかった。そこから紹介状を貰って他の病院に行ったらしい。その数日後実家に寄ってみるといつになく機嫌が悪い。初めて行った病院でそんなに歩くのが不自由だったらすぐ施設に入ったほうが良いと言われたと言う事だ。「本当に失礼だ」と震える口で怒るのである。全くその通りである。年寄りには年寄りなりのプライドが有るのである。5,6年前になるであろうかパーキンソン病と診断されたとき「いずれ施設に入れるつもりかい」と聞かれた。僕は逆にどうしたいか聞いた。頑張れるところまで家で生活したいと言う。僕も比較的近所にいるし週2回くらいは様子を見に来れる。「じゃ、そうしよう」と別に暗くなることもなく方針が決まった。健常者なら10分で済む買い物も一時間ほどかかるが自分でこなしている。家の中をゆっくり歩いている姿を見ると腰の曲がった魔法使いのようでもありオラウータンのようにも見える。政府の方針に従って自助で頑張っているのである。
何処かに三船敏郎のような「赤ひげ先生」はいませんか