著作権を巡る戦い

音楽教室のレッスンで著作権使用料を払う必要があるかどうかの裁判で最高裁での著作権協会の一部敗訴が確定した。この著作権なるものjazzを主体にライブやらレコードをかけて商売している身にとっても微妙な問題であった。JASRACはある経営業態を一点攻めでかかってくる。昔jazz喫茶にも徴収する方針を打ち出した。僕がLazyの前身Groovyを引き継ぐずいぶん前の事だ。全国のjazz喫茶のマスターが連携して戦ったと言う事だ。詳しい経緯は知らないが立消えになったと言う事だ。もっとおいしい徴収先が出てきたからだ。カラオケの事である。カラオケは巨大利権である。これが落ち着くと次の獲物を捜し始めた。ライブハウスである。こんなこといつ決まったという話である。著作権協会が勝手に決めているわけではない。国会での審議の上法的整備がされているのである。知らないでは済まされないのである。その頃から僕は国会中継をよく見るようになった。政治は生活に直結している。この時全国で徹底的に戦う店が出た。ジャズはテーマはあるもののほとんど即興で作る音楽である。このテーマに著作権料がかかると言われても「はいそうですか」というわけにはいかない。だが勝てる条文にはなっていない。10年以上の不払いを一括請求されつぶれた店もある。やとわれの取り立てやがよく店に来るようになったとも聞いた。Lazyには開店10年目に調査員が来た。所謂手打ち式である。Groovy分はバレていない。10年さかのぼった分を分割で今も払っている。そしてこの時点で契約方法を決めた。一つは演目を毎日1曲ずつ演奏時間も含めて記入し支払う方式である。はっきり言って死ぬほど面倒くさい。だがこの方法を取ればモンクにも遺族にも莫大な著作権料が入るはずである。全世界で「ラウンドミッドナイト」が演奏されているはずだから・・・・
もう一つの方法は包括契約方式である。席数と平均価格と平均ライブ営業日数で算出する方式である。この方式を採用すると毎月収めている金額はどこの作曲家にもいきわたらない。JASLACのポケットマネーになる。この団体のトップは弦哲也など歴代演歌作曲家が居座っている。ジャイアント・ステップを演奏しているのになぜ演歌作曲家の懐を温めなきゃならないかと・・・疑問が湧くが後の祭りなのである。どの分野でも知らないと置いてきぼりにされるのである。ライブハウスの次の標的は音楽教室であった。ではなぜ今回の裁判で一部とはいえ勝訴を勝ち取れたかといえば音楽教室がほぼヤマハによって経営されているからである。大手でなければ長期の裁判に耐えきれない。同じ音楽普及の戦いと言っても何かすっきりしない。
話は少し飛ぶが統一教会による有田芳生氏、紀藤弁護士へのスラップ訴訟が始まった。この手の権力あるいは組織による個人への攻撃はいたるところに見られる。どうか団結して助け合う陣営に手を貸していただきたい。