純粋理性批判

カントは批判ばかりで対案がない・・・という批判は聞いたことがない。野党は批判ばかりで政権担当能力がないというのが選挙に負けた理由の一つである。
「批判ばかり」に見えるのは、「批判されることばかり」するからである。改竄、身内優遇、贈収賄、ローランドカークのような犯罪のマルチリード奏者と何故安易に手打ちをしなければならないのか。必要なのは徹底的な検証と反省である。なんで後者の「ばかり」は放置されるのか。置き去りにされるのは民である。ホーチミンはベトナムだけの問題ではない。
吉村知事は維新の勢力が拡大したことをいいことに立憲民主党を「何でも反対」する党と揶揄する。立憲民主党にも言いたいことは山ほどある。しかしこの物言いは自分の党が有利になるためなら事実に反することを言い、日本の民主主義を後退させて平気な反知性主義の人物だと確信する。
維新のモットーは「身を切る改革」だという。だが実態は働きアリのように金をため込んでいる。
政党助成金は余ったら国庫に返納するのが原則だ。「基金」の名で積み立て翌年に繰り越すことを可能としている政党助成法の「返納逃れ」を使っているのだ。身を切らされているのは大阪市民と公務員である。以心伝心などと言うセリフは百年早い。
付記
楠井五月、小松伸之、鈴木央紹を迎えての通称「秋のもっちゃん祭り」は平日にもかかわらず集客、内容的にも意味のあるものであった。一年半ぶりに見る懐かしい顔もあった。元気な姿を見るだけで本当に嬉しくなる。打ち上げも盛り上がる。毎日朝までと言う事になる。ちょっと前までは時短で朝6時には起きる生活を送っていたが一気にヤクザな生活に戻ってしまった。ニューヨークから帰ってきたような時差ボケが続いている。

香典返し

今回のばらまき施策「18歳以下の子供に10万円」は5万円現金、後で5万円クーポン券と言う事らしい。二回に分けると事務手続き費用が倍かかる。クーポン券の印刷代も別途かかる。そもそも何故クーポン券なのか。税金は現金で納めているのだ。香典返しではないのだから海苔やクーポンで返すのは筋違いではないのか。タンス預金に回らないようにと言う事かもしれないがそれぐらい好きにさせてくれと言いたい。マルクスを出すまでもなく現金は商品であり無限に近い交換価値のあるクーポン券でもある。わざわざクーポン券印刷すると言う事は何か裏がありそうだと勘繰ってしまう。最初の10万円給付の時も「お肉券」「お魚券」の話も出た。あまりに露骨なので没になったが今回はより洗練されたビルエバンスの様なハーモニーでどこかの業種に有利になるような発券がされるのではないか。少なくとも事務作業の段階で中抜きがされるであろう。「デジタル田園都市国家構想実現会議」メンバーに又あの竹中平蔵氏が名を連ねているからだ。岸田総理は新自由主義から転換して新しい資本主義作ると豪語していたがふたを開けたらいつものⅡⅤフレーズであった。
付記
ギターリストの加藤崇之は安倍晋三元総理と同級生である。加藤にもう少し力があったら今回のクーポン券はジャズライブハウスだけしか使えない物になるよう圧力をかけてもらえるのだがと妄想してみるのである。来週は本山禎朗の一年の総決算の2daysがある。クーポン券の力を借りずに自助を試みるのである。ご支援をお願いしたい。

After you’ve gone

この曲名を聞くと想い出すのはルイ・アームストロングの歌声だが今回はにっちもサッチモ行かなくなった枝野幸男氏が立憲民主党の代表を辞める事に思いを馳せた。政権交代の可能性もあった衆議院選挙で議席数を減らしてしまった責任を取る形になった。連合の圧力が掛かり共産党との連携がいまいち上手く機能しなかった。最後は「どうした枝野」と言いたい場面がいくつかあった。だが立憲民主党を立ち上げた時の大演説は今でも覚えている。あの思いを継いでくれる代表が選ばれてくれることを願っている。維新と手を組むのは絶対にやめてほしい。公明党が公約にした「18歳以下に10万円の給付金」の法案を無理くり通そうとしている。二つの理由で反対である。公明党は連立与党である。こんな法案やる気になれば臨時国会を開きいつでもできたことである。敢て選挙公約にした。戦国時代の手柄を立てた者への報奨金と変わりがない。そして「独り者」への税金と言う側面が見えるのである。
政府はマイナンバーカードの普及に躍起になっている。コロナ感染拡大への経済対策と位置付けているが必要性も合理性も乏しい。差し出す情報によってポイントが付くらしい。カード取得、所蔵LP枚数の登録、健康保険証として利用、預金口座との紐づけ・・・レベルが上がるほど支給額が積み増しになると言う。こうなるとおひねりの多寡によって脱ぎっぷりが変わる温泉街のストリッパーと変わりない。信用できない大人に付いて行ってはいけませんと母親にきつく言われていた。今でも守っている。中国の民衆監視体制に費やしている費用は国防費に匹敵する金額になっている。日本もその一歩を踏み出している。

選挙戦watching 4

政権交代は無理かと思っていたが予想以上に厳しい数字であった。
比例票は「自民+公明+維新=3500万票」、「立民+共産+れいわ+社民+国民=2141万票」。従来通り、概ね3:2。この比率はそんなに変わることない。そして投票率5割台である。ここが変わらないと永久に政権交代はない。石原伸晃氏が落選した東京では投票率61%であった。投票率が上がれば風が吹く。共闘が旨く行って投票率が高い地域は野党勝利あるいは善戦と言う結果になっている。枝野代表が連合に脅されてへっぴり腰になってしまったのが今後の野党共闘に影を落とすことになりそうである。マスコミでは野党共闘が失敗であったというデマが頻繁に流されている。地域によっては成果が出ている。市民レベルの共闘も選挙期間中にいくつか実現した。共闘を怖がっているのは自民党だからである。このマスコミのていたらく。若年層の投票率が30%その40%が自民党支持と言う数字が出ている。これだけ仲間内に利益を誘導する政治が続くとそれを拒否するより上級国民の階層に入り楽した方が賢いと思うからであろう。それが続くと確実に国民の質は落ちる。選挙のたびごとに自分はいかにマイノリティかと言う事を思い知らされる。尚且つジャズと言うマイノリティの音楽にもどっぷりつかってしまった。下下下の与太郎状態であるがなんとか生き延びている。

選挙戦watching3

ライブ前の時間なので詳しいことは書けない。甘利明 幹事長の選挙演説である。
「私は日本を率いてるという自負があります。私がいなければ日本が立ち行かないという自負もあります。でもそれを共有してるのはごく一部です。経済界は全員わかってますよ。関係官界もわかってますよ。優秀な教授陣は全部わかってますよ。でも世の中の人はほとんど分かってないんです」
この発言をどう判断するか。審判を下してほしい。

選挙戦watching 2

10月6日までは自民党単独過半数か・・・との見出しが大手新聞の一面を飾っていた。ああいう記事が出ると選挙に行く気がしなくなる人が出る。僕も落胆した有権者の一人だ。一昨日のNHK7時のニュースでは選挙関係は主なニュースの6項目の4番目であった。昨日7日は主なニュースの6項目から選挙関係が無くなっていた。日本の将来を決める重大事項のはずなのに国民の関心を呼ばないように番組編成がされている。NHKは政府広報と化している。ところが潮目が変わってきている。新聞報道も野党善戦の記事が多くみられるようになった。アンケート調査のサンプル抽出方法に各社が疑問を持ったのではないかと思っている。2,3割あると考えられている不動票の行方が繁栄されづらいからである。麻生副総理の温暖化で北海道のコメが旨くなった・・発言には呆れる。大物自民党議員山崎拓氏が辻元清美候補の応援演説をしたことで自民党内でも物議をかもしている。各地で自発的な野党共闘が生まれている。流れが変わってきている。自民党は共産党を叩くしかない戦術である。投票率が上がれば勝てる希望がある。
僕は支持政党をもたない。ただ最低民主主義を守る人に日本の将来を決めてほしいと思うのである。
追記
今日から壼阪健登と若井俊也も来てメインイベントの二日間である。昨日は西村匠平が学生に交じって素晴らしい演奏をしてくれた。内容とは裏腹に集客は厳しいものがある。是非トピュク欄もご覧の上ご支援を賜りたい。

選挙戦watching1

これだけ負の材料が出そろっているのに自民党単独過半数の選挙予想が出ている。正直言って驚いている。セシルテイラーplays bossa nova未発表音源見つかる・・・位衝撃的である。
参院静岡補選に野党が競り勝ったが勝ち方が良くない。投票率が45%と極めて低い。通常低投票率は自民に有利に働くが静岡県の場合は特殊要素が働いている。他県の事なので詳しいことは良く分からないが元々連合が強い上に知事が野党候補を支援し組織力で勝った。立憲民主と言うより国民民主の力で勝ったと言う事らしい。野党共闘の機運が高まり政権交代の熱気が高まったわけではない。
だいたい枝野代表の行動がおかしい。結党した時のあの大演説の思いはどこへ行った。連合の顔色を伺っているようでは風は起きない。自党の当選者数を微増させることにしか興味がない様に見える。志位委員長と山本太郎代表と3人で接戦区の応援に行き大きなうねりを起こしてほしい。投票率を上げ無党派層を取り込まなくては勝てない。
明日から若井俊也、西村匠平、壼阪健登ら若いミュージシャンが1週間色々なセットで演奏してくれる。ライブには来てほしいが選挙にも行ってほしい。日本の将来が掛かっている。

選挙と報道

半世紀前巨人が全盛期だった頃、他チームのフアンから半分やっかみの恨み節が漏れていた。
「巨人は10人で試合をしている」と言うのだ。10人目は審判だ。王がバッターボックスに入っている。ストライクともボールとも判断付かないきわどい球が来る。王は見逃す。審判は一瞬迷った挙句「ボール」とコールする。あの選球眼の良い王が見逃すのだからボールのはずである。と言う落ちである。
前回のNHK日曜討論で令和新選の山本太郎氏が消費税減税は可能であるという説明をしていた。法人税減税額と消費税が殆ど同額であるというクリップボードを提示した時カメラが切り替わりそれを写さないカットに変わった。山本太郎氏はそれに気づき体の向きを変え側面のカメラにボードを提示し「ちゃんと映してください」と要望した。その数字は自民党が隠しておきたい数字だったからだ。自民党は審判NHKもチームに入れ10人で野球をしている。
島根選挙区の話である。この選挙区は元官房長官長老自民党・細田博之氏VS立憲・亀井亜紀子(あきこ)氏の一騎打ちだったはずだった。ここに主婦で無所属の新人亀井彰子(あきこ)氏が突然立候補した。新人亀井彰子氏は300万円の供託金を支払い、選挙後半戦になっても第一声がない。立憲亀井あきこ氏は記名方法を「あきこ」から「亜紀子」に変えざるをえなかった。同姓同名の場合「亀井あきこ」表記分は比例配分されるからだ。明かに選挙妨害である。
これはロシアで行われた選挙妨害と同じで民主主義国家から後退している証拠でもある。ロシアサンクトブルク市議会選では同じ名前の人間が3人立候補し顔まで似ているおまけがついている。
Dappiと言うアカウントは個人を装っている。しかし自民党の金が流れている法人組織であり今回の選挙前にも河合夫妻の贈収賄事件の世論操作にも関与していたことが分かってきた。国会の代表質問でも取り上げられていた。ところがDappiなる言葉は大手新聞、テレビには全く取り上げられることがない。政権与党が「汚い世論操作」をしていた事実が次々と明るみに出ている時、「選挙に悪影響が出るといけないから報道を控える」という態度は、本末転倒である。多分年配の方はDappiなどと言う用語は知らないで選挙に行くはずである。選挙後のバラエティ番組化した選挙速報はいいから現在の問題点をちゃんと国民に知らしめる報道をしてほしい。
「タカ&トシ」もギャグを変えなくてはならない。「欧米か」ではなく「ロシアか」の方が相応しい。
公約が与野党の「ばらまき合戦」という報道もあるが意味合いが違う。例えば公明党の「18歳以下の子供のいる家庭に10万円支給」という公約がある。公約の中身の是非はさておく。なぜ今なのかである。野党の公約なら話は分かる。公明党は連立与党の一翼を担っている。何時でも施策はできたはずである。それは票を金で買う行為に等しい。
キャバクラに行くとする。60分飲み放題である。55分くらいたつと手を取って太ももに乗せてくれる。そして耳元でささやくのである。「ねえ、延長してくれない」むせるような香水の香りに幻惑されながら思うのである。「なぜ今なのだ、入店した時、太ももくらい触らせてくれてもいいのではないか」と・・・・
そろそろ大人に「 Dappi脱皮」しなくてはならない。

ま・く・ら

「談志が死んだ」という回文があるが今回は柳家小三治である。一落語ファンとしては残念である。残念ではあるがあまり寂しくはない。辛気臭くなっても噺家に失礼な気がする。談志は落語とは「業の肯定である」と一言で要約してしまった。死と言う現実も和田アキ子流に「笑って許して・・」で済ましても怒られない気がするのである。ある時布団に入ってから眠りに入るまでの時間がもったいないと思うようになった。年取って命根性が汚くなったせいである。まず本は論外である。電気がついていると寝むれないし、昼、嫌になるほど読んでいる。目は休ませなければならない。音楽も寝つきが悪い。ロックは勿論だめだがジャズも気になって眠れない。良く分からないクラッシックは寝るためにはジャズより有効だ。フランス語の朗読も向学心が頭をもたげてくると頭がさえてくる。そこで落語に行きついた。テンポの速くない滑稽話がよい。柳家小さんの「将棋の殿様」とか古今亭志ん生の「寝床」なんかを聴いているといつの間にやら笑いながら寝ている。時々こういう風に死ねたらなあ・・・と思うのである。
ここまでがまくらである。柳家小三治はまくら話の名人でもあった。僕が生で落語を聴いた唯一の師匠が柳家小三治である。山下洋輔トリオとのコラボと言う凄い企画であった。小三治が話す。それに反応して、たぶん反応しているのだと思う。トリオの演奏がある。その演奏を話でひろう。・・・その繰り返しでことは進行する。まくらの話は今でも覚えている。バイクに乗ってツアーした時の話であった。小三治はバイクも音楽にも詳しい。勿論正当な古典落語をちゃんと聞かせる高座も務めるが先のような企画や自分で歌を披露しながらの高座と言う新しい試みにも挑戦する師匠でもあった。
ジャズミュージシャンには落語フアンが多い。小山彰太さん、林栄一さんなど。なぜ多いのか考えてみたい。落語も同じ「禁酒番屋」であっても演者によって全く違う。お客さんの反応で高座の出来が変わるなどジャズと共通する要素が多い。山下洋輔さんのように落語の「寿限無」を曲にしてしまった例もある

落語家による推薦著作
「ま・く・ら」柳家小三治
多彩なまくら話を一冊にまとめた本。落語を聴くように読める。
「談志が死んだ」立川談四楼
談志門下には筆の立つ師匠が多い。談志が死んだ時の顛末を弟子の談四楼が小説にしてしまった。談志の戒名は「立川雲黒齊家元勝手居士」うんこ臭いと読む。
「現在落語論」立川吉笑
若手落語家が現代における芸能の生き残りをかけて落語とは何かを問い直した論考
「落語的学問のすすめ」桂文珍
関西大学での講義をまとめた本。こういう講義なら絶対眠くならない。試験は創作落語を作ってもらう事。それを文珍が演じて笑いが多ければ「優」

ネット工作

毎日数人のツィッターを読んでいる。作家、学者、ジャーナリストが多い。フォロワーとしてミュージシャンの意見を目にすることもあるがその種の情報を集めることが主目的ではない。その筆者が良くリツィートしている人が「この人がお勧め」みたいなコーナーに出てくる。ある時良く分からないで設定を変えると「お勧めコーナー」に全く意見を異にする百田尚樹や竹中平蔵が出てくることが有った。今考えると頻繁にアクセスして違うアカウントに導く行為ではなかったのかと思う。
Dappiなるアカウントでネット世論工作を行っているのではとの疑いがある。国会の代表質問でも取り上げられていた。このアカウントは個人名義ではなくウェブサイト制作会社の程を取っている。株式会社ワンズクエストと言う名前までは分かってきている。ここに自民党から大金が流れ込んでいるのである。もし与党が金と引き換えに現政権に好意的な世論形成の裏工作をしているとしたらロシア、中国と同じである。民主主義が維持されている国であればトップの辞任は当然であるが新聞テレビの反応が全くない。眞子さまの結婚話ばかりである。
実際の選挙戦でもデマ情報を流し野党共闘体制の足を引っ張っている。公明党の山口代表は「共産党は天皇制を否定している」と発言し甘利幹事長も今回の選挙は「民主主義を選択するのか共産主義を取り込むのかの選択だ」と選挙の争点を全く違うところに持っていこうとしている。勿論贈収賄の件はほっかぶりしての話だ。「盗人にも三分の理」と言うがこの人に「民主主義」と言ってほしくない。共産主義を収容所が至る所にあったスターリン時代のロシア、文化大革命時代の中国、或は知識人が皆殺しにされたポルポト政権下のカンボジアをイメージする様仕向けている。ある学者が志位委員長に「共生党」みたいな名前に変更してはと提案したが志位委員長は丁寧にしかも断固として断ったと聞く。小林旭ではないが「あなたがさがしてくれるの待つわ・・・♫昔の名前で出ています」と言う事だ。連合の女性代表芳野氏も野党共闘に水を差す発言を繰り返している。そんな中、you tubeで心強い動画を見た。芸能人が連帯して選挙に行って政治を変えようと言っているのである。知っている芸能人は二人しかいなかったがアッパラパーだと思っていたローラも名前を連ねている。一気にローラのフアンになる。地下鉄でローラが映っている中吊り広告を見るが確か永久脱毛サロンだ。応援はしたいが黙っていても抜けるので必要ないかな・・・投票率が変われば日本は変わると信じている。政権担当能力はあるのか・・とも言われている。ここまで我慢したのだ。多少のごたごたは大目に見る。
ライブハウスでも拙い演奏はある。誠意をもって演奏してくれると愛情を持って聞くことができる。そうこうしているうちに良い演奏家になることもある。良いリスナーと良い国民はそんなに差がないと思っている。