素敵なあなた

アンドリュー・シスターズと言うGIキャップを被った三人組がヒットさせた「素敵なあなた」というスタンダード曲が有る。1940年代初めの事である。このご時世三人集まって歌うのは好ましくないが換気をしながら歌うのはまあ、許そう。
だが銀座で「ステーキを食べていたあなた達」は許せない。絶対国産牛のフィレ肉だ。許せない。これが歯が折れそうになるアメリカ産のランプステーキならまだ許せる。嫌ダメだ。問題はそこではない。国民に5人以上の会合を自粛するように言っておきながら自分たちは「七人の侍」で忘年会をする。確かに換気もして距離も離して食事をしていたのかもしれない。自分たちは特権階級と言う意識が見え見えで指導者としての倫理観が乏しい。黒沢映画の「七人の侍」は農民の味方であったが、ステーキを食べていた「七人の侍」は国民の味方ではないらしい。
GoToトラベルが一時中止になった。遅きに失している。「GoToトラベルで経済を助けるか、それを止めて経済を見捨てるか」と言う設問の在り方そもそも間違っている。現実には存在しない対立項目で国民を脅し大手の観光業界に利益を誘導する政策をごり押ししている。この機に及んでも感染者数の増加とGoToキャンペーンの相関性はないと言い張る。もう、浮気現場は抑えられているのである。ベッドの中に下着姿の男女が居たら大体濃厚接触である。こと札幌に関しては第三波の感染者数と千歳空港発着数とは正比例している。今補正予算が組まれようとしている。まだGoToキャンペーンに1兆円の予算が割かれよとしている。徹底的に医療関係に注入すべきである。
GoToトラベル=経済という勘違いに踊らされてはいけない。高級旅館の温泉に入っても回るのは個人の循環器系だけである。国民の大動脈ではない。踊らされてはいけない
「踊る、あ風呂に見るあ風呂・・・おなじアフロなら踊らにゃブルー・ブルー」

追伸
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ルービー

タイトルの「ルービー」はルビーの誤植ではない。
「ルービーぽんいち」
「ビール。一本」のバンドマン用語であるがサンスクリット語のように今ではほとんど使われない。バクリー帰りの俊英ピアニストにはひょっとしたら通じないかもしれない。だが小ネタの言葉遊びと考えればミュージシャンや芸人が使う分には目くじらを立てるほどの事でない。
だが一国の元首がマスコミで「ガースーです」と言ったら話は別である。親しみを持ってもらいたいためと言う事らしいが、この国難ともいえる時期に必要なのは「親しみ」ではなく「信頼感」であると考える。同じ日東京都の「コロナ対策いろはかるた」なるものが発表された。対策とは標語を考えることではない。医療現場は逼迫している。7兆円の予備費はどこに行った。アベノマスクで何台のエクモを購入できたか。こちら北海道では旭川に自衛隊が派遣された。しかしGO TOキャンペーンは続いている。観光業界の団体のトップが二階幹事長で菅総理の唯一のよりどころが二階幹事長なので辞める訳に行かないのである。日本学術会議問題でも「これほどの反対にあうと思っていたか」質問されたときの薄ら笑いをう浮かべ「思っていましたよ」と答えたのには背筋が寒くなった。
メルケル首相がクリスマス休暇に外出自粛をお願いする動画を見た。
まず「メルカリです」とは絶対言わない。愛する人と一緒に過ごす時間、あるいは故郷で家族と過ごす時間を奪うお願いをするのは大変心苦しいのですが・・・・と切々と国民に説くのである。ドイツは日本より感染者数は多い。だがこのことが日本の方がましだと言う事にはならない。銀行預金残高の多寡で人間の品格が決まらないのと一緒である。
追伸
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赤紙

赤紙は見たことが有る。一応戦後生まれなので僕に来たものではない。終戦記念日に市民団体が配っていた現物のカラーコピーである。こんな紙切れ一枚でお国の為に駆り出されてほとんどが犬死であったと思うと遣る瀬無い気になる。そしてこの赤い色が国家の危機感を醸し出すのである。郵便受けを見ると赤い封書が入っていた。差出人は市税事務所。嫌な予感がした。健全な納税者は見たことないと思うが差し押さえ予告書である。最終通告とこれまた赤いスタンプで押してある。そういえばなぜこんなに道市民税がくるのか問い合わせたことが有る。どうやら貰い始めた年金との兼ね合いらしい。給付金がでたら払いますとか言って延期してもらった事を思い出した。こちらはすっかり忘れてしまっていたが敵は忘れてはくれない。女房の着物を質に入れ納税者の義務は果たした。だが赤い封書と最終通告という日米開戦前夜みたいな緊張感を醸し出す表現は自粛してもらいたい。
こちらも道市の発令する感染対策には従順に従う一市民なのだから。
青巻紙、赤紙、黄巻紙、痛い・・・舌噛んだ。

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jazz紳士交遊録vol17 壼阪健登

壼阪に初めて会ったのは確か4年前、プロ志向の若手バンドで来た時だ。まだ慶応の3年生だった。それでも人を魅了するに足るあるものが備わっていた。壼阪の場合粒立ちの良い音色だった。音色が良いピアニストはリズムも良い場合が多い。鍛え抜かれた基礎力がそれを支えているのだと思う。卒業後の進路はまだ迷っているようだった。バークリーに行ったのもモラトリアムの一環だった。しめしめもうこっちのものだ。一度シャブに手を出した者は殆どカタギには戻れない。僕でも見抜ける実力の持ち主である。在学中にJ・パティツィッチのツァーに抜擢されたりP・リベラのセッションにも参加するようになった。それでも日本では無名である。機会を作って名を知らしめてあげたいと思った。ビザ申請の関係で一年に一度は日本に帰って来なくてはならない。池田篤のバックを務めた貰うためにスケジュールを調整して帰国してもらった。若い有能なミュージシャンと知り合うと毎回成長ぶりを見ることができる。それが楽しみでこちらの寿命も多少伸びる。はずである・・・。10日から3日間lazyでやってもらう。ぜひ一度聴いていただきたい。
余談であるが壺と言う字を見ると壺屋の最中を思い出す。壼阪は毎回お土産を持ってきてくれる。あれっ‥壺屋の最中でないんだ‥と思ってしまう。上品なバームクーヘンなのである。やはり慶応ボーイ、お土産も上品だ。それに引き換え三嶋大輝のお土産はカレーエビセンだ。三嶋は持ってくるだけまだいい。若手のミュージシャンで手ぶらで来る輩がいる。良い家系に育たなかったのだなあと推測するのである。その者達に告ぐ。日本にはお歳暮という素晴らしい風習がある。一度試してみると良い。3月4月の周年記念のプログラムはまだ決めていない。ものによっては僕の心は動くはずである。
業務連絡
壼阪の音を聞いてみたいが外出を自粛している方の為に方策を考えました。HP上のトピック欄をご覧ください。

アイヒマンと人事権

ホロコーストの罪状認否を問われた席でアイヒマンは冷徹にこう答えた
「自分は上司の命令に忠実に従っただけです」
防弾ガラスで区切られたその一角が異世界であれば納得できたかもしれない。だがそこにいたのは平凡な一公務員だったことに戦慄を覚えるのである。
こういうご時世である。弱い立場の人間はいつ首を切られてもおかしくない。東京都下の地方公務員の競争倍率が36倍だった。納得できる数字である。それをしり目に上級職の国家公務員志望者は減っているのである。長年キャリアを積み課長、局長クラスのなったとする。待ち構えている仕事は人事権だけは持っているが「お答えする立場にない」大臣の為に模範答案を作る仕事だ。予算委員会では答えに窮する大臣の為にカンニングペーパーをその場で作る仕事もある。時には矢面に立って蓮舫議員や辻元清美議員の矛先を変えなくてはならないこともある。詭弁、ご飯論法何でもありの数時間一本勝負、引き分けに持ち込めば天下りカードにポイントが溜まる。普通の感性ではそういう職業にはつきたくないと思う。その結果公務員のレベルが落ちる。各省庁の幹部にはプロでグレたイエスマンしかいなくなる。プログレのイエスとは大違いである。
麻生副総理は「ナチスにもいいところがあった」言い、菅総理は「政権の意向に沿わない公務員は人事異動も視野にいれる」と匕首をちらつかせる。
自分も縦社会の戒律が確定した偽共同社会の会社に20年いたのでその悲哀は多少わかる。僕は経理の仕事だった。経理の仕事は一円までぴたりと合うまで何時間まででも原因を探る。そういう事に象徴される正義の味方の部分も確かにある。ただそれは昼の顔である。5時を過ぎるとスリットの入ったタイトスカート、胸繰りの開いたTシャツ、皮のブルゾンを羽織り10センチのピンヒールを履いて夜の街に立つのである。騙す相手は銀行、公認会計士、本社、取引先、内情を知らない同僚。違法すれすれではない。明らかに法を逸脱しており、人道に反する弱い者いじめもやらされる。勿論上司の指示である。罪悪感を感じていると自分が壊れる。自己防衛反応が働く。情報を占有している優越感とその行為にエクスタシーを感じて自分を救うのである。国会の予算委員会でマル・ウォルドロンのように執拗に同じフレーズを繰り返す高級官僚を見ているとその種の恍惚感を感じているのだと思うのである。
誰もがアイヒマンになりえる。

ローマの休日と美容院

ローマの休日でヘップバーンが美容室で髪をバッサリ短くしてもらうシーンがあるが言いたいのはその事ではない。母親が年の割には美容室に行く回数が多いのだ。足が悪いので人を訪ねることも少ないし来客も月命日に経を読みに来る住職以外はほとんどない。別におめかししなくてもいいのではないかと思うのだが流石に口に出したことはない。通いだして半世紀にもなる美容室は歩いて5分の距離にあるが母親の足だと20分はかかる。ここ10年は車で送り迎えをしてくれ、帰りにお土産名までくれる。髪を切っている間話し相手にもなってくれているのだろう。昨日は病院を三軒はしごする日であった。車が有れば連れて行くのだが今はタクシーで通院してもらっている。母親にとっては一大事業でメッカ巡礼とお伊勢参りとガンジス川での沐浴を一度に熟すのに等しい。帰宅したか確認の電話を入れると疲れたが今回は比較的楽だったと言う。美容室の先生が車で送迎をしてくれたのだ。車椅子まで用意して介助してくれた。本当にありがたいことである。時々ご近所にも挨拶に行かされる。除雪をしてもらったりお裾分けを頂いたりしているのである。まだ地縁が残っている地域で母親もそういう事を大事にしているのだと思う。
「老婆は一日にして成らず」
今日は母親におかずを届ける日である。どうせ自分も食べるので多少量を増やして作るだけで手間は同じだ。母親は言う
「いつも、すまないね」
シャボン玉ホリデーではないので「おっかさん、それは言わない約束でしょ」とは言わない。
「作って上げれる人がいるだけで良いんだ」
あれっ。似たセリフの聞き覚えがある。ローマの休日でヘップバーンが新聞記者の自宅で目が覚めた時の会話だ。
「料理はできるの、でも作ってあげられる人がいないの」
言われてみたいわ!こんなセリフ
母親は昨日のワールドツァーの疲れを癒すべく休んでいるはずである。
「老婆の休日」

雨合羽とイソジン

医療機関で手術着が不足していると言う事で善意の市民から届けられた雨合羽が倉庫で山積みになっている。職員が「カッパドキヤ」と怒っているらしい。積まれている形状はトルコの奇岩の名所には似ていない。イソジンの効用流布は大阪の薬剤会社の株価を上げ一部の株主の懐を温めた。松井市長と吉村知事の最大の功績である。
そして現在大阪は医療状況が逼迫している。維新が政権を取って以来「身を切る改革」と言う錦の御旗のもとに閉鎖、縮小されてきた医療機関、その教育機関の減少のつけである。
政治とマーケットは社会的共通資本に手を付けてはいけないのである。ニュークラブに行ってもホステスの尻に手を付けないのと一緒である。
話はコーダに飛ぶ。札幌は今接待の伴う店には休業要請が出ている。その二週間前ススキノのキャバクラでクラスターが出た。所謂「おっぱい感染」である。感染の出どころがホステスのおっぱいと言う事だそうだ。肌荒れを嫌ったホステスがおっぱいの消毒を嫌った。そのおっぱいを次々と客が触り感染が広まったと言う事であるが多分眉唾物である。そういう意味でおっぱいも社会的共通資本と言う事になる。
ダカーポ。真面目な話に戻る。社会的共通資本には三種類ある。自然、交通、上下水道のような社会的インフラそして医療、教育のような制度的インフラである。それは人間が生きていくうえで必ず必要とされるものである。そこに近視眼的な需給法則をもち込んではダメだと思うのである。
維新は橋下市長の時代にも市職員を減らし非常勤の職員を増やした。その人員は竹中平蔵の会社「パソナ」から派遣されてくるのである。
過日、大阪都構想は住民投票によって否決された。大阪人の心意気を見る思いがした。中心内容の一つが政令都市大阪市の持つ財源と権限を大阪府が吸い上げることであった。企業の乗っ取りと同じ発想である。難波金融道の竹内力みたいな強面の兄さんが出てきて言うのである
「株主の同意は得られなかったけん、社名と組織は残したるで。じゃがのー経営陣にはうちの若いもんを送り込んどるけん。しのぎはあんじょう見直して美味しいところはうちが貰っていくけん」
吉村知事は舌の根も乾かないうちに大阪市の権限を大阪府に移す条例を作ることを表明した。
民主主義ではない。
今国会でも重要なことが決められようとしていた。維新の馬場伸幸議員が憲法審査会において国金投票法改正案を討論なしで強行採決しようとしたのである。コロナ対策に集中しなくてはならないこの時期に火事場泥棒的な暴挙である。幸いこの案件は見送られた。
維新は危ない勢力である

続・生殺し

10月27日9時。昨日出された札幌市全域休業要請の対象になるかどうかを確認するために朝一で電話した。新聞には専用電話番号は載っていない。取りあえず関係ありそうな所に電話した。案の定たらい回しにされて3回目で担当部署に繋がった。ところが市の方から詳細が連絡されてないので答えられないとのことだ。休業期間の始まりは28日で申請締め切りが30日である。それに土日を挟んでいるのである。28日の夕方HPに詳細発表して「やれやれ、終わった」と言って週末GO TOの残り火で温泉に行く職員はいないと思うがあまりにも唐突だ。先の三連休にGO TOキャンペーンを完遂する政府方針に遅らされたと考えている。千歳空港の発着人数とコロナ感染者数のグラフの形状は完全に相似形である。キャンペーンと無関係のはずはない。
前回の全道一斉休校要請の時もそうだ。3日でまともな準備などできはしない。翻弄されるのは末端現場の市民である。
新聞に厚別区の居酒屋の店主のコメントが載っていた。
「ススキノの時短要請が出てから客足が止まり今回の要請も保証がないまま生殺し状態が続くと思っている」
業種、地区は違っても庶民の感覚は同じである。

生殺し

11月26日の午後、札幌全域に飲食店営業自粛要請が出た・・・・と思った。休業補償もある。それであれば無理せずに12月11日まで休もうと思った。ところが対象になる店舗は接待を伴う飲食店とある。普段は柿の種しかないが一応飲食店である。では接待は伴うか・・・自分としては誠心誠意もてなしているつもりである。東に手を抜くミュージシャンがいれば顔で笑って心で怒り,良い所も有ったと言い、西に我が物顔でつまらない話を延々とする客がいても仏滅だと諦めトミー・フラナガンのように最高の相槌磐梯山を打つ。立派な接待だと思うのであるが役所の見解はそうではないらしい。補償対象はホストクラブや「いざ、キャバクラ」と言う事らしい。道理で補償金額が前回より高いと思った。と言う事で北24条のjazz barは営業してもいいらしい。上から読んでも下から読んでも「シーラEはいいらC」
こういう生殺し的な対策が一番困るのである。ここ2週間ススキノは10時までの時短営業である。飲み足りない客がこぞって24条に流れてくることはない。同じくらい暇である。
「ワタシ、サイキン、ヒトトハナスキカイスクナイアルヨ。ニホンゴワスレソウアルヨ」
そして今回の全域の自粛要請。接待が伴うかどうかは関係ない。自粛要請と言う用語に反応するのである。客足は当然遠のく。
そろそろ玄海灘である。店の非常事態玉音放送の時期かもしれない。

桜散る

安倍前総理側が費用の一部を負担していたことを示す領収書や懇親会の費用の総額等が記された明細書をホテル側が作成していたことが新たに分かった。
懇親会の費用の総額は参加者から集めた会費を上回り、差額分が補填された可能性がある。これだけで公職選挙法他いくつかの法律に抵触する。細かい法律の事は分からない。だが国会でずっと嘘を言い続けていた事実は動かせない。国民をスティーブ・愚弄するmanなのである。一大スキャンダルと思うのだが当日のテレビでは全く取り上げられていない。この国のマスコミは全く機能していない。今も立憲民主党の福山議員がこの件を質問している。菅総理は「現在捜査中の案件につきコメントは差し控える」という水戸黄門印籠フレーズを連発して時間稼ぎをしている。本当に虚しい。こう言う人がこの国の行政のトップにいる。コロナ禍の大変な時期に国民の為の対策を施行してくれると思えない所にこの国の不幸がある。
話題をコルトレーンチェンジする。黒川検事長と言う名前を憶えているだろうか。次期検事総長候補になりながらつまらない賭けマージャンスキャンダルで辞職した人である。当時は脇が甘い人と思ったが必ずしもそうではないかもしれない。いずれ関係が発覚し「桜問題」の尻ふきをさせられるのを嫌って自分から降壇したと言う説がある。