原発と民意

リトアニアの例である。ロシアの影響下にあるバルト3国の小国である。ロシアのエネルギー政策の影響をもろに受けていた。ガス、石油の供給量が不安定なため原発の道を選んだ。選挙では原発廃止を訴える緑の党などは敗退した。小選挙区の為資金の潤沢な原発推進を訴える与党が大勝したのである。しかし国民投票で原発凍結の票が勝った。日本の場合原発を受け入れるかどうかは立地する地方の自治体の議会に委ねられる。例えば関西電力大飯原発は福井県大飯町に立地している。町議会議員は15名であったと思う。8名が賛成すると原発が誘致される。原発が立地しているところはどこも人口の少ない地方都市である。送電に有利な大都市には決して造られない。100%安全でないことは福島で立証されたからである。そしてそれらの地方都市の新聞には電通を通した原発プロパガンダ広告が頻繁に掲載される。多額な金もばらまかれる。この町の公共事業を取り仕切る助役が関電幹部に小判を贈呈した事件ではみな不起訴になっている。多額な補助金をもらったので結納返し程度の認識で贈呈したのである。世界は再生エネルギーに舵を切っている。日本は産業構造の転換に失敗し1周遅れの政策を行っている。核のゴミの処理方法が決まらぬうちに政府は原発の寿命を根拠もなく20年延ばしてしまった。理由は稼働していない期間はカウントしないというものだ。車を買って20年乗らなかったからと言って中古市場で新車で売られることはないことを考えればなんと愚かしい理屈であることが分かる。最低国民投票にしてほしい。だがその際我々が正しい知識を持っているかにかかっている。