新聞の片隅に「国立大の交付金改革成果で配分」との記事があった。教員や学生数に応じて配分されていたものを産学連携の研究成果などを点数化し配分に差をつける方針だ。
もう株式会社と一緒だ。会社の存在理由。「利潤の追求」これ以外にはありえない。良い悪いの問題ではない。会社も利口だ。優秀な人材がほしい。これには情報うを少なくし間口を狭くして相対的に学生数が多くなるようにする。溢れる学生は次を探す。これが人件費を抑える秘訣だ。企業側も再度学生を教育しなおすのは時間も金もかかる。大学時代に費用対効果の意識を持ってもらったほうが助かる。そんな思惑が見え隠れする。
そういえばノーベル賞もやけに特許に結びつく研究が多くなったような気がする。湯川秀樹のように科学の分野から世界を語るような人も出なくなった。
学生時代ある先生がいった言葉を今でも覚えている。「君たちは社会に出たら必ず有用な人間になるように求められる。学生時代は思い切って無駄なことをしなさい」
無駄といってもマージャンとパチンコに明け暮れることではないことはわかった。
僕は急速にJazzと映画に傾倒していった。
実際会社員になって大学で勉強したことがすぐ役に立ったことは何一つない。企業も年功序列、終身雇用が基本にあったので学生を企業色に染める時間的余裕があったのだと思う。「即戦力となる人材を求めている」こういう会社は危ない。どの学生も会社員になることは初めてなので即戦力など無理です。高校野球をやっていた大谷がすぐプロで通用するのとわけが違う。
大学も会社のようになってきたがこの国も会社の様になってきた。トップダウンで何事を決めたがる社長の様な首相が経済成長優先の政策一本で選挙に大勝してしまった。国家が会社のようであって一番困ることはつぶれることである。先進国はどこも成長率は低い。高い国はシエラレオネやアルジェリアなど基盤が整っていない国なのだ。前年はカダフィ大佐率いるリビアが成長率一位だと思った。ではシンガポールなどうなんだというかもしれない。金融と情報産業と観光だけで食べているあの国が一党独裁で自由が制限されていることはあまり知られていない。法人税も安く世界中から一流企業が集まって来る。阿部さんもそういうイメージを持っているのかもしれない。「法人税を下げなければみんな海外に移転して雇用がなくなりますよ」とか「原発を再稼動させなければ電気料金上がりますよ」といって恫喝する。
金がすべてではない。みんなちょっと我慢すれば国がつぶれないで存続するビジョンがあるのではないだろうか
最後に付け足しになるがCity jazzのプロデューサーが公金横領で懲戒免職になった。初年度一緒に仕事をしたがjazzに対する愛情のかけらもない人であった。自治体が文化の隠れ蓑を着て興行を打っている株式会社化の落ち着く先だ。