岸田総理襲撃事件が起きた。選挙中と言う事もあり総理は街頭演説に立ち続けると英雄気取りである。テロが民主主義を破壊するわけではない。民主主義が壊れているからテロが起こるのだ。暴力手段に訴えるのはどんな場合であっても許されるべきではないがそこに至る過程にどんな社会問題が潜んでいるか掘り下げなくてはならない。タモリが今年は新しい戦前のようになると予言した。血盟団事件、5・15事件、2・26事件・・・テロの系譜が想起される。今回の事件がテロかどうかは今の段階では分からない。テロとは政治目的実現のための暴力である。安倍総理襲撃事件も殺人事件であってテロではないことが分かっている。なんでも暴力事件がテロとして語られ弾圧されることが戦前の空気感を創出する。言論弾圧が広がり国会が形骸化し誰も期待しなくなる。徒労感が投票率を押し下げ目先の人参をぶら下げた組織率の高い政党が躍進する。経済は悪化しスーパーから卵が消える。生え際は後退するが物価はじりじりと上がる。政財界とも一部のお友達にはキャンディーが配られマスコミは見ぬふりをする。電通やジャーニズ事務所にメスを入れることはタブー視され放送法解釈であっても忖度するメディアは飼いならされ柴犬の様に声をあげない。官僚は公文書を改ざんし春の雪解けの様に統一教会問題は消え去り赤字国債だけが万年雪の様に残る。30歳以下の若者は良い時の日本など見たことないはずだ。改革の道を選ぶことに展望を見いだせない。であるならば沈みゆく船であってもいい席に座ることに心血を注ぐようになる。それは所属するコミュニティーでのポジション争いと化す。そうした鬱屈した感情が心の奥に沈殿する。それが一本の発煙筒に火を着ける原因にならないとは限らない。煙が目に染みる。