ジョエル・ハリソン「 アンセムオブユニティ」

Jハリソンは🇺🇸の🎸で僕はCDを2枚だけ持っている、2011のポール・モシアンの音楽と15のクインテットによるスピリットハウスだが2枚共!!!のジャズアルバムである しかしJH氏はジミヘンとビートルズがインフルエンスと言う人で色々なアイデアで色々なアルバムを沢山作ッテルようだ 一番アレアレなのがハリソンオンハリソンとか言うジョージハリソン曲集で、他にもフリーカントリー(オヤオヤ)と名付けたシリーズは第三集でノラジョーンズにテネシーワルツを歌わせたりしてる…
このアルバムを買ったのはJDJ目当てでバイヤドールあたりから聴きかえしていたせいだった 要するにオルガンジャズであるが初めてやってみたそうでタイトルナンバーはレコーデングの前の日に作ったとか本人がライナーに書いてる ノーオーバーダブの一丁上がりのレコードである それも本人が認めてる、blowing sessionと、 このCDの価値は偉大な伝説的ドラマーのJDJの参加とカバーの2曲だと本人ライナーにある(ヤレヤレ) 確かに風に吹かれてはちょっと面白い この人はフュージョン化しないのだ ナンダカンダ言ってるが実のところそんなに悪く無い が言葉を返せば良くも無い そう言うのを凡作と言うのだろう。
山の実
 

Wギャリソン「オデッセウス幻想曲」,Gマレ「ライブインディナン」


ウィリアム ギャリソンとグレゴア マレは現在ジャズハーモニカの2大マエストロで新作をまとめて紹介する    
 先ずギャリソンのの方のアルバムだが詳しくは クロマティックハーモニカ,ジャズトリオ,弦楽合奏とハープのための幻想曲と言うタイトルである 作曲はカリムモーリスと言うフランスのピアニストでギャリソンはソリストと言う事になる、ピアノやハープ等がソロをとる場もあるが基本的にハーモニカコンチェルトでこの組曲は進行していく 最初は映画音楽みたいだと思ったのは音楽の動きが凡庸な時の感想なのだが聴き進むうちに結構聴けるかなと思いだした、ハーモニカを加えたアンサンブルが良い ちょっとワンパターンだが. 構成もサードストリーム(死語?)ぽくならずジャズ語的に展開する とか言うのはKモーリスへの評価、でWギャリソンだが先に知らない人ののために少しだけトリビアすると80年代末に オーバージョイドでデビュー 僕はアナログLPで買った 次のコーリングユーがヒット 映画バグダッドカフェのテーマソングだ、しばらく経ってからマイナーレーベルから ミッドナイトサンと言うタイトルのアルバムが出るが僕は一番の傑作だと今だに思ってる ライブ感のあるジャズなのだ、しかしシールマンスにお墨付きを貰ったプレーヤーの彼はポップス界でサイドメンの仕事が多い 僕が持ってるのはペギー・リーやJ・サイデルなんかの女性シンガーとのアルバムでその中ではMペルーとのアルバムが良い! 
Gマレはギャリソンよりも18才年下だから一世代近く離れてるが彼のデビューアルバムでは一曲でシールマンスが参加してる というのは2人ともベルギー人なのだ、このアルバムのジャズステーションビッグバンドもベルギーである。ディナンは古来から歴史のある都市で出身者にはあのアドルフサックスなんかがいる、JSBBとマレは何度かディナンジャズフェスでも共演してるらしい JSBBばオーソドッグスで有能なビッグバンドで頭から快調にアップテンポで飛ばして行く バンマスのオリジナルが3曲マレが2曲で2人がアレンジしたシールマンスナンバーが1曲含まれる ハーモニカプレイ的にはマレのオリジナルでミディアムスローナンバーの 5月27日が聴き応えがある.アップテンポのナンバーではサックスかギターの様だったのがハーモニカ特有の香りとなる、GマレはやっぱりPメセニーのバンドに参加して名が知られだしたのだろうが僕は知らないのですねこれが…、持っているのは最初のリーダーアルバムそれからハープのEカスタネダと共演したハープvsハープ、フリゼール等とトリオの アメリカーナ 後は小曽根のショパンアルバムやチャックオーエンのビッグバンドぐらいだ
 ハーモニカの音楽が好きでラリーアドラーやトミーライリー、崎元譲なんか聴き続けて何処が良いのだろう?と思ったのだがフリーリード特有の音色と発声?じゃないかと思い始めたバンドネオンやアコーディオンそれから笙もフェイバリットである
 それら音楽へのセンチメンタル、ノスタルジック、ロマンチック等の形容も共通してるケースも多い付け加えるとミステリアスとスペーシイかな ギャリソンとマレを比較しての評をしようと思ってたがそこまでたどり着がなかった。
by 山の実 

Jロバーノ&Dダグラス「サウンドプリンツ アナザーワールド」


daveダグラスは超多作で多分50~60枚ぐらいリリースしてるじゃないかな?大友良英によると一番はJゾーンで100枚以上らしい、そう言えばダグラスは90年代にゾーンと演ってた、旧マサダQのメンバーだったじゃなかったかな? ダグラスのアルバムは多方向に展開していて歌が入っている物やブラスアンサンブルや古楽の要素がある物やアメリカーナ系etc…サウンドプリンツはストレートアヘッドな二管編成ジャズで実はダグラスはずっとこの形のバンドも時々続けている、ピアノがエレピになったりDJが入ってりするが, サウンドプリンツはウェインショータートリビュートでスタートして3枚目らしい、僕は前2作は聴いてない。完全な双頭バンドで作曲も半々であるがサイドメンはダグラスの人脈である
 音楽はわかり易い定形だがわからないのはアルバムジャケットのアニメ風の漫画で大魔神風のロボットとバンドメンバーが描かれてるのでサントラ盤かな?とか思った、曲のタイトルもストーリーが透けているが音楽が全然SF的でも無いし??なのだ。
今気付いたのだがダグラスのデビューアルバムだがパラレルワールドと言うタイトルなのだ、92年ぐらいでライナーをガンサー・シュラーが書いてた 憶えているのは「最近レコード会社はサードストリームをワールドミュージックと言うようになった」と言うところだけだが、そう言えばダグラスの別のアルバムでもEプロヂューサーでシュラーの名を見た気がする.実はパラレルワールドはジャケ買いしたのだがアナザーワールドなら買わないなぁー。
デイブダグラスの中で好きなアルバムは沢山あるがモザイクセクステットとかスピリットムーブスなんかが面白かったなあ、10枚ぐらいは持っているがいまだに中古で漁って楽しんで聞く事ができる普遍性があるという事だ
by 山の実

「道場 弐の巻」 本田珠也 八木美知依


八木美知依はJゾーンの所から現れた強者箏奏手でエリオットシャープやH.カイザーなどアルバムを作ってるが珠也選手と演ってるのは知らなかった、ライナーで珠也がブロッツマンともやってると知りへぇ~と思った、つまり彼は良いドラマーだがネイティブサンやプラネットXだからと言う先入観でフリー系とは別の文脈だと思ってたのだ。青春10に富樫さんが出て来てなるほどと思った。
 実は僕は日本音楽集団(グループ名)とかの邦楽器で西洋音楽を演奏して奏している物も前から好きで野坂恵子が20弦とか25弦で伊福部昭を弾いたCDを愛聴していたが〝煩象〟の如くウルサイ珠也ドラムスと対峙出来るエレキ琴にはびっくりした。道場壱をLBで買って気に入って弐も注文してしまった
 dojoの主眼は巨大化した蟻と暴れ象との戦いのような2人の絡みだが更に美味しいのはやはり道場破りとのセッションで壱ならNPモルヴェルのクールなtpで弐ではvn太田as坂田となる、太田は同じストリングスだからバンドのサウンドに溶け込むがモルヴェルは異化作用をもたらす、に対して坂田明はバックバンドにしてしまった。
弐はオーバーダブやループを使ってて頭からグローブユニティ風の音と言うよりはプログレサウンドみたいな感じで始まり,ラストは本当にプログレロックになってしまった。道場の参はあるのだろうか?なんだかないような気がする。

pagolibre「 mountain songline」


前回のポルタルはまったく 新譜ではなかったのですがアキンムシーレがらみで思い出して紹介したくなったポリフリーのラスボスファイト盤だと思う。
今回は新譜に戻りパゴリブレの30周年記念盤 山の歌線 である。パゴリブレを知らない方もいるかも知れないが現役バリバリの重要なユーロジャズバンドで21世紀のウェザーリポートとも言われてるらしい。ユーチューブにもいくつも画像がアップされてるし配信でも色々聴ける。 30年で10数枚のアルバムを出してるらしいが僕は数枚だけでしかもそれらはみな15〜20年ぐらい前の物で、要するに久しぶりなのですね、僕が手にしたのは
バンドは4人組でpのJWブレナンがリーダーでつまりジョー・ザビヌルにあたる、Vn,Cb(二人は代わってる)そしてhrnがアルケジーシクロッペリでWRならウェインショーターにあたる? ドラムレスで長い間続けてるというのも珍しいが企画物アルバムではドラムが入っているのもある.実はこの直後に関連盤があって ダダの場所 というdsとvocを加えたセクステットでオリジナルダダのハンス・アルプなどの詩を乗っけたアルバムを出してるらしい .というのは注文してるがまだ届いてない.WRと比べての大きな違いはエレクトリック楽器をまったく使わない点だろう、音としては現代音楽的室内楽と彼等がいうところインチキ民俗音楽(フェイクフォーク)のニュアンスが入っている、メンバーはヨーロッパ各地から集まっていてロシア、アイスランド、ウィーン、スイス等でこのアルバムではスイスフォークが関連してヨーデル歌手が一曲に入ってシクロッペリはアルプホルンを吹いてる.(そう言えばダダもチューリッヒか!)シクロッペリはバンドの中では一番名が知られているミュージッシャンでミッシャ アルペリンとのアルバムやソロアルバムも日本盤が出ていたロシア出身のヴィルトゥオーソでバンドとは別にリーダーアルバムを色々出してる 
 ところでパゴリブレは今年新作を出してるがそれは1990のデビューアルバムの再発でブレナンがシクロッペリと出会う前の物である。

by 山の実

我が青春の10枚 鹿川暁弓

今回の投降者を紹介する。鹿川暁弓。クラッシックとジャズ両方の分野で活動するピアニストである。スペインのクラッシックコンクールで入賞した経歴を持つ。音色が美しい

1 「DEUTSCHE GRAMMOPHON BEST 100」の④ 
ドイツ・グラモフォンの名曲シリーズでカセットテープです。レナード・バーンスタイン指揮、ウィーンフィルの演奏で、モーツァルトの交響曲40番と41番が入っています。母の運転する車でいつもかかっていました。クリスマスソング特集や矢沢永吉もよくかかっていたのを覚えています。

2 Michel Béroff のClaude Debussy 「ベルガマスク組曲」「2つのアラベスク」「子供の領分」「レントより遅く」が入っているテープで、ピアノの先生が貸してくださったCDを録音したものだと思います。自分で好きなものを選んで聴き始めた頃だと記憶しています。ベルガマスク組曲(特に「パスピエ」)が大好きでした。

3 「CHOPIN THE WALTZES」Artur Rubinstein 
ワルツ集はルービンシュタインのこのCDを好んで聴いていました。子供なりにショパンの旋律に憧れていました。

4 「IN THE LIFE」B’z 
「TONIGHT(is the night)」と「快楽の部屋」が特に好きでした。日本のミュージシャンで初めて好きになったのはB’zでした。

5 「DANGEROUS~THE SHORT FILMS」と「HIStory ON FILM VolumeⅡ」Michael Jackson 
青春の初めのころは寝ても覚めてもMichael Jacksonでした。Michael Jacksonを通して社会で起こる問題をたくさん知りました。色々なことを気づかせてくれた人だと思います。特にこのビデオテープ2本と、LIVE AT WEMBLEY JULY 16,1988が大好きです。

6 「The Score」Fugees 
英語のRapのリズム、HIPHOPのビートに憧れました。Lauryn Hillのファッションも大好きでした。

7 「THE LOW END THEORY」A TRIBE CALLED QUEST
こちらもHIPHOPです。このアルバムを聴くようになり、JAZZの匂いや響きに興味を持つようになりました。Ron Carterが参加しています。

8 「PORTRAIT IN JAZZ」BILL EVANS TRIO
1番最初にJAZZを認識して聴いたアルバムです。当時はこれがアドリヴで演奏されているなんて本当に信じられなかったし、何がどうなってこうなるのかさっぱりわからなかったのですが、とにかく私にとって刺激的でかっこ良くて、最初から最後まで通して何度も聴いていました。

9 「PIANO」Wynton Kelly
アルバムのタイトルが「Whisper Not」とも書かれているのでどちらが正しいのかはっきりわからないのですが、JAZZを勉強し始めて最初の教科書がこのアルバムだったので、思い出深いです。とにかくコピーしていました。

10 「The Composer as Pianist」Claude Debussy 
ドビュッシーが演奏しているピアノロールでの録音です。1904年と1913年のものだと書かれてありますが、正直こんなに鮮明に聴けることにびっくりしました。本や楽譜でしか知ることができなかったドビュッシーの息づかいみたいなものを感じて、実際に生きて存在していたことを現実に感じることができました。

Master’s comment notice
印象派の作曲家がジャズに与えた影響はよく知られている。鹿川のクラッシックのソロライブに挟まれるエバンスの曲は何のの違和感もなく流れていく。彼女の音楽に占めるクラッシックとジャズの配分が分かる選出になっている。20周年記念ライブで4月9日に鈴木央紹を加えてカルテットで演奏する。一度響きを確かめていただきたい。

  

「BAI”LDOR」Michel Portal


ミッシェルポルタルの新譜はブラームスで彼は今年89になります。ロルフ・キューンがラストアルバムの「黄と青」をだしたのが88の時だったがポルタルがジャズアルバムをだしたのはmp85 
が一番新しいレコードになる。もちろん85歳の時のアルバムだ。さて今回取り上げるのはその10年前の「bailador」バイラドールはフラメンコダンサーみたいなちょっと違うようなヤツ (知らんけど)
キーパーソンはbojan Zと言うピアノ&キーボードでmp85と同じである。mp85でのtbに対してこっちではアキンムシーレのtpそれとライオネルロルケのgが半分のナンバーで入っている。この二人がパリにNYCブラックのブルーノートを持ち込む。それからやっぱりデジョネットは良いですね!(一曲だけ彼のオリジナルも入っている。)ポルタルのキャリアの中でもピークかも知れないとかいてて75歳でもこんなにカッコいいなんてなにかの間違えじゃなかろうかと思った。
by 山の実

ヴィレッジゲイトの夕 JCwithED


買ってはいけない!犯罪的商品!聴こえるのはドラムばかりフルートやソプラノが高音に振れた時はいいが中、低音では遠く、ピアノはかすかにピアニカだかエレクトーンだかわからない程度に鳴ってる、ベースはまったく聴こえない。日本でのみコレをSACDでだしたのだ!ジャズマニアはジャズの敵である。それはクラッシックでも同じであると前にある指揮者から聞いた事がある。いわゆる贔屓の引き倒し と言うやつだ。
そもそもこんなアルバムに手を出すべきではなかったのだと反省してる。私は青春の13にもJCwithEDのヴィレッジヴァンガードライブをいれてる。you can’t go home again と言う訳だろう。昔海賊盤でドルフィーのガスライトライブを買った、ドルフィーがレフトアローンをやってるのだがピアノが何故かマルでなくハービーHだった、感想の記憶はひどい音だったがコレとドッチが悪いだろう?もちろんLPを引っ張り出して聴き比べなんか絶対にするもんか。
実は一曲目マイフェバリットシングスしか聴かないでコレを書いてる、二曲目の「灯りを儚くして」以降を聴きたい人がいらっしゃれば半額の1980円でお譲りしますのでご連絡を!
by 山の実

我が青春の10枚 本田珠也 vol2

6) Gateway
エルビン+トニー=がジャックディジョネットだ。と誰が言ったか知らないが的を得た言葉です。本田珠也のジャズはこうなんだ!と思っていたらもう既にやっていたのがジャックディジョネットだった。いやあ、とにかく聴いた。聴きまくった。当然の如くチャールロイドを初めエレクトリックマイルスからジャックディジョネットが演奏する全て(ブートも含め)を網羅したいが為にコンプリートする事を決意した。このアルバムや特にECMなどで聴かれるジャックディジョネットのドラミングが、現在も全てに於いて影響を受けている事を断言する。このアルバムとパットメセニーの80/81はCDの盤面が(擦れないけど)擦り切れるほど聴きました。このトリオの凄さは3人がバラバラに演奏しても各々のイタリティーで解決してしまうという、ある種力技もあるけど、三人三様別々の道を辿ってもいつかはお互い帰ってくる。僕にとってジャズ演奏の基本てこれじゃないかな?と思うのです。人に依存しないで独立しているという事。Gateway Trioとも言うが元々のリーダーはギターのJohn Abercrombieで、1996年の初来日の時に聴きに行った。しかしJohnの死によってもうこの3人の演奏は永遠に聴く事は出来なくなった。非常に残念である。
7) Rage Against The Machine / Evil Empire
1996年に初めてNYに行ったのだが、それまでずっとジャズばっかり聴いていて多分自分の中でロックは終わったと感じていたのだが、宿泊していた部屋のテレビから流れたこのアルバムのBulls on Paradeに本当にショックを受けた。ロックは終わってなかったのだ。自分もこんなバンドをやってみたいと思いその後PLANET Xを結成。1曲目のLoudMouthは彼らのオマージュ。レイジはどこまでも硬派で言動も政治的でその辺のチャラチャラしたバンドとは雲泥の差があるが、それ故にメンバーの(政治的)方向性や発言などによって対立し、解散はしていないが活動無期限停止中。しかしいつ聴いてもヘヴィでリフもよくいつかこんなバンドで叩いて見たいと思う憧れの存在だ。
8) Benevento Russo Duo / Play Pause Stop
2000年に初リーダ作「Planet X」を発表した頃は貪欲に新しい音楽を求めていた。この頃やっと家にPCがやって来てインターネットに繋ぎ海外の音楽情報も手に入れた。今でもあまり有名じゃないが、その頃に出会った最高に大好きなドラマーがJoe Russo。NY出身でNYアンダーグランドジャムバンドの一つだったが、オリジナルも演奏しつつLedZeppelinやBlack Sabbathなどのコピーをやったりしてて面白かった。2004年に初来日してちょっと仲良くなって、2005年にはフジロックに出演した時は最前列で聴いてベロベロに酔った勢いでフェンスをよじ登って楽屋に乱入! 2006年にはNYのBowery Ballroomでも聴いたな。とても思い出深いバンド。因みに彼らの初期のレパートリーにLedZeppelinのFour Sticksを演奏していて、それを演奏したいが為にZEK3を結成したと言うのは一つの理由として間違いない。
9) Africa : The Sound & Music of the Congo
NYのイカれたピアニスト、プーさんこと菊地雅章さんと活動している頃に幾つかののDATテープを頂いた事がある。それはプーさんが僕らに「これは聴いた方が良い」というプーさん自身がセレクトした貴重な音源。一つはジャズでエリントンとかバドパウエルとかシナトラやマイルスやコルトレーンまで幅広くセレクト。もう一つはクラシックや現代音楽などで、メシアンやリゲティやストラヴィンスキーなどこれも幅広く。そして最後のもう一つがアフリカの音楽だった。これは凄かった。特にピグミー族と紹介したコンゴだ。20代後半にスランプに陥った時にこのコンゴの音楽をとにかく聴きまくった。嘘のない飾りのない剥き出しの音とは?彼らの地表から響く地鳴りのようなポリリズムを咀嚼するように聴き入ったあの時が懐かしい。そのコンゴの音源が収録されているLPを最近手に入れたので、貴重なDATを起動させなくても聴けるのが嬉しい。

10) 富樫雅彦 / We Now Create
2006年に親父が亡くなって今後の自分の音楽の在り方についてとても悩みました。これまで自分がやって来た音楽。フュージョン、ジャズ、ソウルやファンクロックも色々やって来たけど、ただリズムを刻むだけどいいのか?このままでいいのか?と自答自問する中で、今までやって来なかったフリージャズという得体の知れない音楽に興味を持つようになり、そして新しい世界に向かわせてくれたのが菊地雅章さんやケイ赤城さんのだと思う。そして出会ったドラマーが富樫さんだった。自分とは明らかに違う方法論で音楽するドラマー。それは間を意識し、音楽(ドラム)における森羅万象を全て受け入れ、無から構築してゆく。これだ!と思った。自分にないものは。だから富樫さんは自分というパーソナリティを革命的に変えてくれた恩人。音楽とは「楽に音は出せない」と教えてくれた。富樫雅彦さんのアルバムはたくさんあってどれも好きなのだが、やはりこのアルバムを選びました。まだまだ紹介したいアルバム、影響を受けた作品はたくさんあって、とても10枚には収まらなかったのですが… 。それでも自分にはなくてはならない作品なので、これをお読みになって頂きもし興味湧いて幸にも聴いてくれたら嬉しいですね。

master’s comment notice
vol1でも触れたが珠也はレコードコレクターでもある。当初この企画をお願いしたときは知らないロックのアルバムが並ぶのではと思っていたが奇をてらうことなく自分の音楽に影響を与えてくれたアルバムが並んでいる。文章を読んでいるだけでも心を揺さぶられる。以前に「俺音楽楽しんだことないよ」と聞いたような記憶があった。今意味が分かった。10富樫雅彦さんのところに書かれている「楽に音は出せない」という意味だったのだ。4/2から4/7まで珠也はlazyで演奏してくれる。書いていることに偽りのないことを確かめる絶好の機会と考える。予約をお待ちしている。

我が青春の10枚 本田珠也 vol1

今回の筆者を紹介する。日本を代表するドラマー本田珠也である。どのアルバムも今の珠也の音楽を作るうえで重要なものになっているのがわかる。1回で載せるのはもったいないと考え2回に分けることとした。

1) Takehiro Honda / It’ Great Outside
自分にとって一番身近で影響受けたのは、本田竹広の音楽であり紛れもなくそのメロディの中にある世界観である。ジャズはもちろんソウルや
ファンクを通して分かりやすいメロディを単純明快に、ゴツゴツとした魂を一緒に乗せて気持ちよくグルーヴする。ここで聴かれるスティーブ
ジョーダンとアンソニージャクソンのリズムには深い深い尊敬の念があり即興的に音楽を構築していく楽しさが溢れている。そして何より全員
明るく伸び伸びとした演奏はとてもリラックスして自然と体が躍りだす多幸感。いつ聴いてもイイ。次に発表するNaitive Sonの礎となった記
念的な作品。タイトルはスタジオに缶詰だったミュージシャンが久しぶりに外の空気を吸った時に発した言葉だそうです。
2) Yellow Magic Orchestra / Solid State Survivor
Y.M.O.は僕の血となって肉となっている一つの重要な細胞のような音楽。これだけ同じものを何回も何回も聴いた音楽は我が人生において
Y.M.O.が一番多いと思う。なので言わばもう体の一部のような存在である。ここではこのアルバムを挙げたが、細野晴臣名義の1枚目からBGM
までのY.M.O.は特によく聴いていましたが、同時に当時はエアーチェック(ラジオ)でのY.M.O.のライブをカセットで録音し、何処へ行くにも聴
いていた。思い出すのは東京から親父の故郷である岩手県の宮古まで当時は在来線でしたが1982年に東北新幹線が開業し、それまで8時間く
らい掛かった乗車時間が6時間に短縮になりました。その乗車中ずっとY.M.O.を聴いていた。当然、幸宏さんの音楽殺人を上げるべきかと思い
ましたが、音楽の多様性を考えたらやはりこのアルバムにしまました。もちろんライディーンは外せないけど、幸宏さんが言っていた「かまや
つひろしさんのアレンジ」によるトリッキーにカバーしたビートルズのDAY TRIPPERはお気に入りです。
3) Tony Williams / Joy of Flying
自分が15才でプロになる頃に親父から聴かせてもらったアルバム。トニーが所謂フュージョンアルバムを制作した最後のアルバム。ゲストが豪
華でハービーハンコックはもちろん、ジョージベンソンやトニースコットなどの有名どころから、ロック畑のロニーモントローズとのライブセ
ッションも収録されているが、一番の聴きどころはフリージャズの異端児セシルテイラーとデュオを演じている。この稀有な演奏を聴くだけで
も価値があるが、アンサンブル重視の中で、時折出るトニーの力技のフィルインが気持ちいい。トニーを最初に聴いたのはライフタイムのTurn
it Overだったのだけど、激しく難解で拍子が撮れなかったという事もあり、こちらの方が子供ながらにメロディもリズムも分かりやすかった
のであげました。
4) Elvin Jones Trio / Puttin’ it Together
15才からプロになり、ネイティブサンで5年叩いてから自分が20になっていよいよジャズの世界に足を踏み入れた時に一番聴いたアルバムで、
当時はポリリズムなんて言葉を知らなかったけど、このエルビンの四肢バラバラの動きを習得したいが為に重箱の隅を突くように聴きまくっ
た。元々は親父から「ジャズやるならこれを」と渡されたLPの一枚だったのだが、その他に渡されたジョンコルトレーンの海賊盤やマッコイタ
イナーのリアルマッコイには特別な思いがある。それからは自分からエルビンを聴くようになりウェインショーターのブルーノート盤も聴き漁
った。でも多分エルビンの作品の中で墓場まで持っていきたいのはDear, John Cかな(笑) 。1992年ごろ臼庭潤とサックストリオをやって
いてこの中のRezaとかGingerbread Boyとかよく演奏しました。
5) Led Zeppelin / Physical Graffiti
少し前後するが、ジャズを始める数年前に初めてLed Zeppelinに衝撃を受けひょんな事から近所のレコード屋の店長さんとLed Zeppelinの
コピーバンド(The Nobsという名前)をやるようになった。1992年ぐらいまで参加していたのでジャズやりながらもLed Zeppelinのコピバン
やってた。やはり自分にとってエルビンとジョンボーナム存在は不可欠。後にジョンボーナムがジャズ好きでマックスローチやアルフォンス
ムゾーンが好きだと知り、とても親近感を覚えた。だから現在活動しているZEK3の演奏方法は、とても必然的で自然の成り行きでやってい
る。ジョンボーナムの事を語り出したら止まらないので、これぐらいに収めておきます。
master’s comment notice
30年ほど前のことになる。珠也に札幌の中古レコード屋全部連れて行ってほしいと言われ一日中レコード屋巡りをしたことがある。その時竹広さんの「this is honda」が売られていた。正価1500円のものが5000円の値がついていた。珠也が「なんでこんなに高いんだ」と聞いた。店主はこのレコードは絶対に再発されないからだと答えた。珠也が「俺息子なんだけど」というと500円引いてくれた