年頭所信表明雑感

菅総理の年頭の記者会見を聞いていた。完全な茶番劇である。内閣広報官山田真貴子氏の流れるような司会進行。見事であった。質問に答えていない「追加質問はお控え下さい」と総理に助け船を出し幹事社以外は一人質問は一問と限定し15分で切り上げシャンシャンとお開きにした。政治部の記者はいつまでこんなことに従うのか。
緊急事態宣言に出すのは菅政権の政策が大失敗に終わった事を意味する。政治記者たちは菅総理の政治責任をまずは追及すべきだろう。政治責任の追及を怠ってきたからここまで政治家が凋落したのだ。政治も音楽も一緒である。お友達バンドには感動はない。
菅義偉首相は昨日の会見で「実効的な対策を取るために通常国会に特措法を提出する」と述べていた。野党4党は1か月前の12月2日に補償を盛り込んだ特措法改正案を、とっくに提出している。それにも拘わらず、再来週からの通常国会まで放置して何が「実効的」なのか。
9日には緊急事態宣言が発令される。そこには国会審議前に罰則規定が盛り込まれるかもしれない。本末転倒である。
今回の規制は「飲食店・会食」に焦点を絞った限定的なものとするという。又飲食である。自分がそれに携わっているから言うのではない。菅総理の発言を分析してみたい。「専門家のご意見では感染経路不明はどうやら飲食会食が原因らしい。北海道など営業自粛要請したところでは感染者数は減少している」一見まともなことを言っているように感じるがとんでもないとアンモナイトである。感染経路が分からないから感染経路不明なのである。そんなことはあったり前田のクラッカーである。ここに感染経路に関する世田谷区の統計がある、「飲食店・会食」は全体の18・2%、家庭内感染34・2%、職場内感染13・2%、感染経路不明60%となっている。この数字はどこに重点を置くべきを物語っている。ついでに言うなら政権の身内には湯水のように億単位の税金を回すのに、医療現場や医療従事者、業界団体と無縁の中小飲食店等には、税金の出費を醜いほど出し惜しみしてけちる。自分達は政党助成金のような「公助」にドップリ浸かりながら、市民には意地でも「自助」を強要し続ける。
「経済を守る」と言う言葉を菅総理はよく口にする。これは「国を守る」と言うニュアンスに近く経済を回す仕組みを守る、端的言えば「国家体制と権力構造」を守ると言う事である。それは「国民の命と生活を守る」と言う事を意味しない。
付記
Lazy は飲食業に分類される。利益は酒を売ることによって得ている。だが自分では文化を回しているという自負がある。東京の素晴らしい演奏家を呼びこちらの演奏家と交流してもらう。文化を回せば経済も回る。ただその必要経費を捻出する体力が今の店にはない。
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