珊瑚礁とヘリコプター

10年ほど前二度ほど石垣島に行ったことがある。帰りの飛行機の窓から見えた海の色を今でもはっきり覚えている。島の周りを囲む珊瑚礁を中心に同心円状に海の深さによって海の青さが違うのである。その時は随分はっきり見えるなと思っただけで海の青さだけ時々思い出していた。最近分かったことがある。その辺は民間飛行機は低い高度を飛ぶように義務図けられていて観光客のために高度を下げているわけではないのだ。その上の高度は米軍機の専用航路になっている。それは沖縄の基地と無関係ではない。そして驚くことにそれは沖縄に限ったことではないのだ。羽田から西に飛ぶ時必ず妙な旋回をする。横田基地の米軍空域を避けるためだ。日米安全保障条約とそれにもとづく日米地位協定を結んだ結果「航空特例法」と言う法律が作られた結果だ。これは好きな時好きな航路で米軍機は飛んでいいというとんでもない法律なのだ。数か月前北海道でオスプレイの参加も含む日米合同演習があった。勿論予定航路など発表されることはなく突然オスプレイを目撃した恵庭、千歳の住民は多い。先日沖縄の東村に軍用ヘリが墜落(当局は緊急着陸と言っているが・・・)した。その事故現場に日本の警察が入った報道はない。規制ラインの内側は米軍の独占的管理になっているからだ。事故の原因は行われず同じタイプのヘリが近いうちにまた日本の空を飛ぶことは間違いない。
沖縄関係で思い出した話がある。あるミュージシャンが打ち上げで言っていた話である。沖縄の離島にデビット・マレイ(ミュージシャンが違っていたらすいません。)を呼んだプロモーターが米軍機で嘉手納基地まで連れてきたという話である。その時は「旅費が浮くから成立する企画だ」ぐらいにしか思っていなかった。これが全く違った様相に見えてくる。基地に入ってくる人間はビザ申請もいらずノーチエックなのだ。基地に入り基地から出ていけば基地内は治外法権なので何のお咎めもない。まあ、ミュージシャンぐらいなら良いかと思うかもしれないが、諜報関係の人間にとっては天国みたいな環境なのだ。
沖縄の海の青さに心が痛む。