討論会

討論会
For the first・・私のいいたい・I want//〇〇〇・・聞いてください・・Its my turn//
XO△XXX/・・・だから 
今日のアメリカ大統領選公開討論の実況中継である。トランプ大統領、バイデン候補、司会者、それぞれの同時通訳が三人。入り乱れて喋っているのでほとんど何を議論しているのか分からない。トランプ大統領は人の話をほとんど聞かない。司会者が最後まで「質問を聞いてください」と制止しているようだがフライング気味で話はじめ一度ソロを始めたらコルトレーンのように終わらない。確かにバイデン氏は影が薄いかもしれない。トランプ大統領はバイデン候補の事を頭が悪いと中傷したり、論点をすり替えたりリングに凶器を持ち込む悪役レスラーのようである。だが悪役レスラーには鉄板のファンがついていて支持率はそんなに変わらない。乱暴で考えも狭量であるが勢いはある。そんな勝ち馬に乗りたいと言う支持者に支えられている今のアメリカの現状がある。
論争がうまい人と言うのはどの業界にもいる。田原総一郎の「朝まで生討論」を見ていると相手がキープしているボールをユニフォームを引っ張ったり足をかけたりしながら強引に奪う出演者が必ずいる。田原総一朗はレッドカードを出すわけでもなくホイッスルさえ吹かない。こういう人は相手の主張に正面から反論するのではなく「相手が知らなさそうなどうでもいいことを」質問する。相手がそれにこたえようとしたら勝ちである。質問して答えを査定できる立場になったら「勝っているように見える」ものである。
こういう技術は飲み屋の親父は身に着けておいたほうが良い。面倒くさい客対策だ。
「ギルド・マホネスのハーモニー感覚におけるビル・エバンスの影響についてどう思いますか」
「それは・・・そろそろ帰ります。おあいそ」と言う事になるはずである。知らんけど・・。
「オレに分かるように説明しろ」と言う攻撃方法もある。これは見かけより高度な論法である。「説明しました」「わしは分からん」と却下できる。前例と同様査定できる立場になったら勝ちなのである。
「ギルド・マホネスは左手の和音にトニックとメジャー7をぶつけることあります」
「わしは分からん」
「ハーモニーは分かりますか」
「わしは分からん。そのハーモニーとやらを分かるように説明してくれんか」
大体常識人はこの辺で切れる。
「ばーか。渡辺貞夫のjazz studyくらい読んでからこいや。お前の母ちゃんデベソ・・・」
と怒鳴って論争に負けるのである。