2019.2.8 碓井佑治Food fighteresの野望

碓井佑治(g)秋田祐二(b)大山淳(ds)
 フード・ファイターズ。命名の由来は知らないが、米国ロックバンド名からのパクリと飢餓に瀕した碓井の日常を掛け合わせたものと推察する。面白がるのは程々にするが、このトリオを聴けるのはしばらく遠ざかりそうなのである。この春には、あぁ果てしない夢を追い続け“大都会”に進出するのがその理由だ。LBのお客さんの多くは、熱気渦巻く一哲ラウド・スリー・ウイズLUNAでの碓井しか知らない。しかし、統計操作をするまでもなく、客入りと演奏の面白さは全く別である。出自がロックやブルースの彼の音から、凡百のJazzを凌ぐものを聴きとれることができるのである。この日の演奏は、B・コブハム、J・ベック、J・ザビヌルの曲、「Food・fighters」、「ラスト・トレイン」、「ローンズ」、「エヴィデンス」など。時折、グレッグ・オールマンのような音に聞こえて来て、個人的に上機嫌な心模様だ。40年ぶりの寒波に見舞われた札幌だったが、ベテラン二人の強力サポートもあってホットへの突入が果たせたのではないかと思う。
碓井ら若い世代は筆者らがクリームやツェッペリンをリアル・タイムで聴いていたことを羨ましがる。だが、筆者がニルバーナを聴けば、あと一歩入り込めない。一気に感動の境地に入り込める世代が羨ましいのだ。世代は偶然の悪戯にすぎない。どちらの世代もパーカーをリアル・タイムで聴いたことがなく、この勝負引き分けとしよう。
 脱皮できないヘビは死ぬと言われるが、彼は東京に脱皮への野望を見出そうとしている。係長の出張のように3泊4日になるなよ。なぁ、碓井。God・bless・you!
(M・Flanagan)