We have a dream

ネット上である写真に出くわした。アメリカに行けばどこにでもあるようなドライブインの店内の写真であった。T字型のカウンターの隅にコカ・コーラのサーバーがでんと構えている。カウンターの中ではエプロンをした女性が何かを作っている。或いは皿洗いをしているのかもしれない。入口のあたりにはニ、三人の客が立っているがカメラの焦点はあっていない。カウンターには一人の客が座っている。カメラはその客を斜め後ろからとらえている。座っているのはその客だけで席は空いている。その客をよく見るとエルビスプレスリーだと分かった。1956年。デビューしたてのまだ太る前のプレスリーだ。後姿でもかっこいいのが分かる。涼しげな表情でオーダーしたものを待っているようだ。そしてカメラに一番近い所に一人の女性が立っているのが映っている。椅子の背についた両手には深いしわが刻まれている。顔は笑ってはいない。かといって怒っているのでもなく、疲れているのでもなく、ある種の諦めの表情が読み取れる。そのことが黒光した顔に陰影を与えているのかもしれない。
この写真は何を取りたかったのだろうと思った。
下にコメントがあった。訳すと「エルビスがオーダーしたハムエッグを待つ間黒人女性は自分のサンドイッチ出てくるまで座るのを許されなかったと」ある。
キング牧師の有名な演説を突然思い出した。