ソマリランド

一応国の名前としておく。そんな国あったかなと思うはずである。ソマリア連邦共和国の一地域名と言うのが正しい呼び方である。ソマリアは血で血を洗うような内戦が長く続き国内は無政府状態で都市部は瓦礫の山である。朱にソマリヤ赤くなるとい諺の由来の国としても有名だ。
ソマリランドはイギリスの植民地であったが半砂漠の地域で緑もねえ、資源もねえ、テレビもねえ、そんな村やーだという事で吉幾三のようにイギリスは逃げ出し管理はインドの総督府がやっていた。ソマリアはイタリアの植民地であった。ソマリアのアはイタリアのアと語源が同じだ。比較的土地が豊かでソマリランドの人間に「おい、マンゴーでも盗みに来たのか」と言うのが差別用語という事だ。
ソマリランド、南部ソマリア、自衛隊が機雷の撤去に行った海賊国家プントランドでソマリア連邦共和国と言う形で独立したが氏族間の争いが絶えない。注意しなければならないのは部族間の争いではないという事だ。部族間の争いうというのはアジアの覇権を日本、韓国。中国で争っているようなものだが氏族間の争いは源氏と平家と藤原氏が争っているようなものだ。
列強から独立したものの国内で氏族間の争いが始まった。ところがここで面白い現象が起きる。ソマリアでは激化しソマリランドでは国連および国際社会の協力なしで内戦が収束した。同じ民族なのにこの違いはどこから来るのか。それは統治の方法の違いであった。イギリスは氏族間の長老制度を残し、イタリアは徹底的に破壊した。長老の呼びかけで各氏族の長が集まり武装解除を行い、民主的な選挙まで実施されている。氏族間の気質の違いもあるのかもしれない。ソマリアが好戦的で、ソマリランドが友好的かと思いきや、逆だという事である。ソマリアの氏族の方が穏やかだという事だ。あまり争いをいたことがないので終わらせ方が分からないのだという。似た話を日本でも聞く。小さな喧嘩をしたことがないのでいじめて死に至らせてしまうケースだ。
そんな、ほとんど産業もない国家でどうやって運営しているかと言うと、これまた凄い。海外で生活する人の「仕送り」なのだ。ふるさと納税で蘇った北海道の地方都市の話かと思ってしまう。
国際社会からの投資がない。だから開発されることもない。開発されないから利権も生まれない。利権が生まれないから争いもない。
ソマリランドは独立を希望しているがまだ実現していない。奥さんが離婚を希望しているが旦那が脳死状態で離婚届に印鑑を押せない状態ににている。
そんな国がまだある。講釈師みてきたような嘘をつきと言うセリフがあるが、僕がソマリランドに行ってきたわけではない。行ってきたのは高野秀行氏だ。国も凄いが行く人も凄い。
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参考図書
「謎の独立国家、ソマリランド」高野秀行著 集英社文庫