卒業ライブシーズンに想う

2月中旬から一月ほど卒業ライブシーズンとなる。今年も今のところ2人送り出している。4年間、院生で有れば6年かの付き合いであるが僕にとってはあっという間に卒業か・・・という感覚である。ジャズを通しての付き合いが主ではあるが時々悩み相談を受ける事もある。サークル内、ゼミでは言えない事であったりする。そういう時は国連難民高等弁務官のように粛々と聞くのである。逆に学生の力を借りることも有る。得意分野の講義を受ける事もあるし、IT関連については三顧の礼をもって先生として迎え入れている。音楽に関しては知識総量は僕の方が多いかもしれないが音楽への関わり方が僕らの時代とは全く違う。その辺の情報も学生から貰っている。僕がシーラカンス的脳細胞にならないとしたら学生が長崎の出島になり巷の情報を教えてくれるからだと思っている。日本は失われた30年真っ最中である。そういう社会に若者を送り出すことにある種の後ろめたさを感ずる。その責任の一億分の一は僕にある。社会に出ると有用な人間になることを求められる。その考えが分断を産む引き金になり得る。どうかそうならないでと祈りながら送り出すのである。勤めだすとすぐには音楽ができる環境ではないかもしれない。余裕が出来たら戻ってきてほしい。蘊蓄爺だけではジャズシーンはもたない。