物価高を憂う

物価高を憂う
毎日スーパーに行っている。店で使う物と自宅用の食材を購入するためだ。僕は外食をほとんどしないし出来合いの惣菜も買わない。一日二食一から料理する。ちゃんと食べて寝れば大体健康と言う宗教を信仰しているからだ。それで色々なものがどんどん値上がりしているのが手に取るようにわかる。昔から値上がりしないのは卵とjazzミュージシャンのギャラだけと言われている。いや、道内の鳥インフルの影響で卵でさえ値上がりしている。秋刀魚が高級魚に変身しイカゲソがその足全部にシャネルのストッキングをはいているかのような値段で店頭に並んでいる。(因みにイカをフランス語で言うとasijepon。蛸はasi hapon)新聞には明日から値上がりするものの品名が列記されている。そして折からのウクライナの戦争。原材料の高騰も始まっている。消費者に価格を転嫁できない中小企業は苦しい。賃上げは見送られその従業員の生活はじり貧である。アベノミックスを援護射撃するために日銀は低金利政策を続行し物価上昇2%目指しデフレスパイラルから脱却するとした。これが全く違う状況で成立してしまった。デフレからは脱却できず不況下のインフレ・・・もはやスタグフレーションである。
だがこの状況は日本の経済政策の誤りによるところがある。アベノミクスの矢のうちの一本。異次元の金融緩和政策。先進国が金利を上げていく中で日本だけが低金利のままである。上げられないのである。上げると500兆を超える国債の利払いが発生し経済破綻が顕在化してしまう。元々株価維持のための低金利政策が日本経済の命取りになっている。何のための株価維持か・・・好景気を装うためである。だがその取扱高の60%が海外投資家によるものである。収益の60%を海外に移転しているだけである。安倍元総理は最近も「日銀は政府の子会社」と言う発言をして物議を醸し出している。国債の償還期限が来たら紙幣を刷ればよい・・・と堂々とアホな意見を開陳している。一国の総理が経済学のイロハさえ知らない。ドミソも知らないでジャイアントステップをやるようなものだ。
金利を上げないと良いこともあると黒田総裁も発言している。円安基調になり輸出産業には好材料だ。トヨタは過去最高の高決算を迎えている。しかし輸出産業のGDPに占める割合は10%程度である。輸入食材は値上がりするか見るからに小さくなっている。毎日スーパーに行っていると判る。国会で黒田日銀総裁に「スーパーに行ったことが有るか」と質問した議員がいた。答弁が「かつてスーパーと言うところにも行ったことはある」であった。もはや殿様である。庶民感覚など分かるはずもないだろう。
岸田総理の「新しい資本主義」も馬脚を現している。当初分配論の要素もあったが今は完全に自己責任論に変質している。「所得倍増計画」は「資産所得倍増プラン」であって金のない人には関係ない。「金のある人は自己責任で株にでも投資して増やしてください。手っ取り早い方法には競馬。競艇もあります。いずれ大阪にカジノもできます。一瞬で10倍になることもあります。運が良ければ・・・・お金の無い方・・・はそうですね・・・自己責任で何とかしてください。まず無駄をなくしてください。Jazzのライブなど生産性のないものにはかかわらないでください・・煙草は辞めてください。少なくとももらい煙草でしのいでください」と言う事になる
円安株高はシャブの注射を打ち続けるようなものだ。ちょっと前に外食産業の社長が「田舎から出てきた娘を薬漬けにする」発言でマスコミから叩かれていた。日銀や政府が国民をシャブ中にするのはお目こぼしになるようだ。