踏んだり蹴ったり

定期的にやってくる台風のようにまた腰痛がやって来た。三週間ほど前から腰に鉛が入ったように違和感がある。騙し騙し生活していたが一週間前防波堤が決壊した。朝目が覚めたら起き上がれない。ひっくり返った亀のようになってしまった。ゆっくり俯せの姿勢になって四つん這いになる。それから腰に負担が掛からないように二足歩行に切り替える。階段の登りは自宅では四つん這いである。近くの物を取る時など気合入れて立ち上がり、ゆっくり腰をかがめ新聞を取りまた腰をかがめて椅子に座るよりハイハイのほうが圧倒的に楽だ。類人猿がいかに危険を冒し二足歩行になったかが実感できる。中腰が一番辛いand ファミリーストーンである。
古新聞を片付けると間から電気料金の請求書が出てきた。コンビニでの支払期間はとうに過ぎており電気を止められても仕方ない期日になっている。老骨に鞭打って北電本社まで払いに行かなくてはならない。地下鉄駅の階段の上り下りよりも自転車のほうが楽かと思った。町内を一周する。何とか行けそうである。数分の駐輪時間である。玄関前に留め支払いを終え戻ってきた。鍵が開かないのである。何度もガチャガチャ鍵を動かす姿を横目でにらみ通行人が通り過ぎていく。自転車泥棒と思われているのでは・・・・と冷や汗が出てくる。方法は後で考えるとして公共の自転車置き場まで移動しなくてはならない。幸い駐輪場は近くにあったが自転車を担いでの道のりはシベリアから帰ってくるより遠く感じられた。