飛ぶ教室

タイトルは本の名前ではない。作家の高橋源一郎が司会のラジオ番組である。その中で毎週一冊本を紹介してくれる。先週紹介された本のタイトルは覚えきれなかった。内容は興味深く覚えているので紹介したい。第二次大戦下、戦地の兵士に本を贈る活動について記した本であった。当時ドイツではナチスの思想に反する書籍は焼き払う焚書運動が活発化しつつあった。宣伝相ゲッペルスの指導による。それに対しアメリカはどのような対策を取ったか・・・・
「我が闘争」や優勢思想を賛美する書籍を排除することもできたがそうはならなかった。敵が焼くならこちらは読まそう・・と言う事になった。一大キャンペーンの元全国から膨大な数の本が集められた。そしてそれらが戦地の若い兵士に届けられた。マーク・トウェインが人気だったという。退却あるいは脱出際、武器雑嚢を廃棄しても良いという命令が出た時も本だけをポケットにねじ込んだ兵士が多かったと聞く。死んでもラッパは放しませんという日本の軍隊では想像だにできない。当時はルーズベルトの民主党政権下であった。共和党から自党に不利になるような本は送らないようにしてほしいと要望が出た。それに対しジャーナリズムが「そんな細かいことに拘っている時か、敵はほかにいる」と論陣を張り政党を押し切った。当時のアメリカマスコミは健全に機能している。今の日本の忖度報道を見るにつけ隔世の感がある。
戦争は連合国軍の勝利で終わった。復員兵は優先的に大学に入学できる制度があり驚くべきことに在籍していた学生より押しなべて成績が良かったと言う。若い兵士はリタ・ヘイワースやジョー・スタッフオードのノスタルジックボイスで故郷に思いをはせてもいたが読書で知的好奇心も失わなかった。当時の政府が戦後の在り方まで熟慮したうえでの政策であった。知識は国を支える共通資本である。そして読書はその入り口になり得る。

タイトルは本の名前ではない。作家の高橋源一郎が司会のラジオ番組である。その中で毎週一冊本を紹介してくれる。先週紹介された本のタイトルは覚えきれなかった。内容は興味深く覚えているので紹介したい。第二次大戦下、戦地の兵士に本を贈る活動について記した本であった。当時ドイツではナチスの思想に反する書籍は焼き払う焚書運動が活発化しつつあった。宣伝相ゲッペルスの指導による。それに対しアメリカはどのような対策を取ったか・・・・
「我が闘争」や優勢思想を賛美する書籍を排除することもできたがそうはならなかった。敵が焼くならこちらは読まそう・・と言う事になった。一大キャンペーンの元全国から膨大な数の本が集められた。そしてそれらが戦地の若い兵士に届けられた。マーク・トウェインが人気だったという。退却あるいは脱出際、武器雑嚢を廃棄しても良いという命令が出た時も本だけをポケットにねじ込んだ兵士が多かったと聞く。死んでもラッパは放しませんという日本の軍隊では想像だにできない。当時はルーズベルトの民主党政権下であった。共和党から自党に不利になるような本は送らないようにしてほしいと要望が出た。それに対しジャーナリズムが「そんな細かいことに拘っている時か、敵はほかにいる」と論陣を張り政党を押し切った。当時のアメリカマスコミは健全に機能している。今の日本の忖度報道を見るにつけ隔世の感がある。
戦争は連合国軍の勝利で終わった。復員兵は優先的に大学に入学できる制度があり驚くべきことに在籍していた学生より押しなべて成績が良かったと言う。若い兵士はリタ・ヘイワースやジョー・スタッフオードのノスタルジックボイスで故郷に思いをはせてもいたが読書で知的好奇心も失わなかった。当時の政府が戦後の在り方まで熟慮したうえでの政策であった。知識は国を支える共通資本である。そして読書はその入り口になり得る。