SIRIUS、愛

米木のリーダーアルバム「SIRIUS」の感想文が届いたのでここで紹介したいと思う。愛にあふれている。

 「神さま、仏さま、米木さま」。我が家は夫婦揃って”米木教”の信者です。その神さまから素敵な贈り物が届きました。

 いろいろな事情があって新型コロナウイルスのためライブを聴きにいくことが全くできなくなり悶々とした日々を送っている私たちにとって、このCDは暗い闇夜に一筋の光が差し込んだようでした。
 米木さんの音楽との出会いは時々お邪魔していたライブバーLazyBirdのマスターのお勧めで演奏を聴いたことがきっかけで、けろっこデメタンのような手から紡ぎだされる音は温かく、深く響き、優しく、激しく、どこまでも透き通って伝わってきて、あっという間に魅了されました。

 その米木さんがリーダーのアルバム。聴いてみました。専門的なことは書けませんが、独断と偏見の応援メッセージを書きたいと思います。
 申し訳ないくらい安いプレーヤーへCDを入れると、ピアノが少し不安げながら澄んだ美しい音色を奏で始め、それが希望を感じさせるトーンに変わったとき、満を持してベースが響きました。
「あぁ、米木さんだ」。
暖かい何かが体の中から表面へ広がる感覚に、懐かしく、嬉しくなりました。
 幸いなことに、ライブバーで聴く演奏はそのほとんどがハイレベルでとても贅沢をさせてもらっており、演者さんのスタジオ録音のCDを聴くと「よそ行き」感があって「何か違うなぁ」と感じることがあります。でも、このCDはスタジオのクオリティの中にライブの息吹を感じることができる特別な録音になっているように思います。そして、バランスのよいトリオの音なのにベースがはっきりと聴こえてきて、凄いです。
どんなときに聞きたいCDか。もちろん素晴らしい音楽にじっくりと向き合いたいときは最適です。そして、今の”おうち時間”で、家事の合間のお茶のときに、仕事が終わって寝る前の晩酌時に、休みの日の暖かい日差しが差し込む部屋でゆったりとしたひとときに聴くと、凄く体に染みてきます。

 今、ちょうど20時頃の南の空に、ひと際輝くおおいぬ座の一等星、シリウスが見えます。冬の星空を代表する一番明るい星を、寒さ著しい北海道の夜、子供の頃からいろいろな想いで見上げてきました。”SIRIUS”を聴くと、キンと冷えた夜空を照らす星々のような煌めく音、星に照らされる大地のような穏やかな音が優しく語りかけてきます。
 オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンと共に天の川の上に架かる冬の大三角形をかたどるシリウス。三人が織りなすワルツの美しさはひと際輝いて聴こえます。
2021.2.17 NS & K
付記
米木の最初で最後の初リーダーアルバム「SIRIUS」当店で取り扱っている。¥2500ライブ予約欄から予約可能。