回文

言葉遊びが好きである。なぞなぞ、しゃれ、謎掛け、回文等々、日本語には色々な言葉遊びがある。Jazzにもbe-bop専門の人がいたりfunkが得意な人がいるように言葉遊びにも専門分野がある。僕は洒落はプロ級であるが他のジャンルはjazz研一年目クラス並みである。特に回文を作れる人は羨望の眼差しで見ていた。先日ラジオに回文士(そんな、職業があるのだと思った)でありお笑い芸人であり、シンガーソングライターなる人が出ていた。名前は忘れた。A氏としておこう。A氏が回文の作り方を説明していた。
例えば「うどん」で回文を作るとする。どの文字を軸にするか考える。「ん」を軸にする前の2文字をひっくり返す。「どう」となる。
饂飩、どう?
この時の評価の基準はできた文章の気品であるという。
作る際に便利な言葉があるという。動詞の終止形を含む言葉をストックする。どの業界にも2-5フレーズ集はあるようだ。例えば「する」
揺する、擦る、掠る。色々ある。「さする」に注目するひっくり返すと「留守さ」になる。
「留守さ。擦る」
意味は通じる。奥さんがいない時に隠してある金の延べ棒をこっそり触る旦那の姿を思い浮かべれないことはない。ここがその回文の出来不出来の基準になるという。長い文章にするため先ほどのうどんに放り込む。
「饂飩、どう。擦る、留守さ・・・・饂飩どう」
シュールなホラー映画に出てきそうなセリフであるがギリギリである。こういう努力を重ねてフレーズをストックするのだそうだ。Jazzの上達法と共通するところがある。
回文名作鑑賞
「そうよ、私したわよ・・・嘘!」村上春樹作
「私、吉田君とキスしたわよ。もっとすごいこともした・・・・ネエェ。。怒った。嘘よ・・・私広のこと好きだもの」みたいな解説がついていた。
同姓同名ではありません。あのノーベル賞候補にもなったあの村上春樹作です。村上春樹は洒落も好きでエッセイで「ウサギ、おいしい、かのやま」というエピソードも紹介している。その本歌取りの句で「ウサギ大石」というのもある。僕の作だ。

「マカオに密輸。積荷オカマ?」フジモトマサル作
これは図柄的には面白い。税関がコンテナを査察したらカルーセル麻紀やらイッコーやらデラックス松子が隠れていたというような所だろうか・・・。
参考文献
「言葉遊びの歴史」今野信二
「ダンスがすんだ」フジモトマサル
「またたび浴びたタマ」村上春樹