松原慎之介(as)平田晃一(g)富樫マコト(b)高橋直樹(ds)
今や地元よりも東京での方が知名度が高くなっている気鋭の4人が揃った。一見ややドヤ顔グランプリ系だが(平田除く)、まずはその風貌だけでジャズしていると好意的に受け止めよう。彼らは年少期から音楽交流があると聞いている。それが今では、同窓会が立派な職業となっている。前置きはさておき本題に移ろう。これはレギュラーの編成であるとアナウンスされた。そうとは知らなかったが、この4人のLIVEは初めてにつき鮮度は高い。若い世代にしか実現出来ない演奏というのがある。それが後世にまで生き残っていくことも珍しくはない。結果というものは、必ず後になってからしか判明しないが、ライブ演奏はリアル・タイムで結果を先回りできそうな稀な事例のような気がしている。そういうこと気を留めながら、今日はどうなるのかと思うとワクワクが募ってくる。夫々については聴いているので、おおよその見当はついているが、それがひと塊になり、なおかつレギュラー編成なのだから、磨かれた出たとこ勝負が期待できるというものだ。さあ始まった。予想通り引き締まっていて、個々の技量も文句なしだ。リーダー慎之介のナチュラルに熱量を発散させるプレイは流石のものがあると同時に、更に表情の豊かさが積み上がって来ていると感ずる。メンバー達は慎之介に引っ張り込まれるというよりも、既に対等な相互作用を機能させていると言ったほうが良さそうだ。ベースのマコトはいつもながら追いの手を休めず、そこに平田の高音域が華麗に応じていく。しかも平田はバッキングも含めグルーブ全開といった体で、感心させられることしきりだ。実は開演前から筆者の内心に呟くものがあった。「直樹から目を離すな」だ。それは彼のドラムを聴く機会が少なかったこともあるが、過去のパフォーマンスが印象に残るものであったからだ。予想的中、今回の彼のプレイを日本語変換すると太鼓判とでた。このコンボは、何ら小ぢんまりしておらずノリが大きい。若さの特権を生かし切っていている演奏を聴いていると、帰り来ぬ青春の立場からは実に羨ましく思える。さて彼らの前途と脈を切らないよう注意喚起をお願いする。アプリ名は「慎之介4」、妙なコード進行使ってアン・インストールしないようご用心!。演奏曲を並べてみよう。「いま」、「坂道」、「My Ship」、「Jean De Fleur」、「*Surprise Guest」、「The Meeting」、「Star Dust」、「Strike Up The Band」、アンコール「*Dear」。
標題は、若きL・モーガンの「Young Lions」を拝借しようと思ったが、それだとムンムンする響きがないので、彼らの凄みには和風の「若獅子たち」の方が似合うと判断した。
忘れてはいけない、特筆しておくべきことがある。このライブでレイジーと縁の深い臼庭潤の楽曲(「」内*)が採り挙げられていたことだ。他界してから十年以上経ち、彼を知る者も少なくなっているが、2曲演奏されたことに喜びを禁じ得ない。何より臼庭が一番喜んでいるはずだ。なお、慎之介が演奏中に着用いているのは、臼庭が率いていた「jazzroots」のTシャツである。(M・Flanagan)

