続・生殺し

10月27日9時。昨日出された札幌市全域休業要請の対象になるかどうかを確認するために朝一で電話した。新聞には専用電話番号は載っていない。取りあえず関係ありそうな所に電話した。案の定たらい回しにされて3回目で担当部署に繋がった。ところが市の方から詳細が連絡されてないので答えられないとのことだ。休業期間の始まりは28日で申請締め切りが30日である。それに土日を挟んでいるのである。28日の夕方HPに詳細発表して「やれやれ、終わった」と言って週末GO TOの残り火で温泉に行く職員はいないと思うがあまりにも唐突だ。先の三連休にGO TOキャンペーンを完遂する政府方針に遅らされたと考えている。千歳空港の発着人数とコロナ感染者数のグラフの形状は完全に相似形である。キャンペーンと無関係のはずはない。
前回の全道一斉休校要請の時もそうだ。3日でまともな準備などできはしない。翻弄されるのは末端現場の市民である。
新聞に厚別区の居酒屋の店主のコメントが載っていた。
「ススキノの時短要請が出てから客足が止まり今回の要請も保証がないまま生殺し状態が続くと思っている」
業種、地区は違っても庶民の感覚は同じである。

生殺し

11月26日の午後、札幌全域に飲食店営業自粛要請が出た・・・・と思った。休業補償もある。それであれば無理せずに12月11日まで休もうと思った。ところが対象になる店舗は接待を伴う飲食店とある。普段は柿の種しかないが一応飲食店である。では接待は伴うか・・・自分としては誠心誠意もてなしているつもりである。東に手を抜くミュージシャンがいれば顔で笑って心で怒り,良い所も有ったと言い、西に我が物顔でつまらない話を延々とする客がいても仏滅だと諦めトミー・フラナガンのように最高の相槌磐梯山を打つ。立派な接待だと思うのであるが役所の見解はそうではないらしい。補償対象はホストクラブや「いざ、キャバクラ」と言う事らしい。道理で補償金額が前回より高いと思った。と言う事で北24条のjazz barは営業してもいいらしい。上から読んでも下から読んでも「シーラEはいいらC」
こういう生殺し的な対策が一番困るのである。ここ2週間ススキノは10時までの時短営業である。飲み足りない客がこぞって24条に流れてくることはない。同じくらい暇である。
「ワタシ、サイキン、ヒトトハナスキカイスクナイアルヨ。ニホンゴワスレソウアルヨ」
そして今回の全域の自粛要請。接待が伴うかどうかは関係ない。自粛要請と言う用語に反応するのである。客足は当然遠のく。
そろそろ玄海灘である。店の非常事態玉音放送の時期かもしれない。

桜散る

安倍前総理側が費用の一部を負担していたことを示す領収書や懇親会の費用の総額等が記された明細書をホテル側が作成していたことが新たに分かった。
懇親会の費用の総額は参加者から集めた会費を上回り、差額分が補填された可能性がある。これだけで公職選挙法他いくつかの法律に抵触する。細かい法律の事は分からない。だが国会でずっと嘘を言い続けていた事実は動かせない。国民をスティーブ・愚弄するmanなのである。一大スキャンダルと思うのだが当日のテレビでは全く取り上げられていない。この国のマスコミは全く機能していない。今も立憲民主党の福山議員がこの件を質問している。菅総理は「現在捜査中の案件につきコメントは差し控える」という水戸黄門印籠フレーズを連発して時間稼ぎをしている。本当に虚しい。こう言う人がこの国の行政のトップにいる。コロナ禍の大変な時期に国民の為の対策を施行してくれると思えない所にこの国の不幸がある。
話題をコルトレーンチェンジする。黒川検事長と言う名前を憶えているだろうか。次期検事総長候補になりながらつまらない賭けマージャンスキャンダルで辞職した人である。当時は脇が甘い人と思ったが必ずしもそうではないかもしれない。いずれ関係が発覚し「桜問題」の尻ふきをさせられるのを嫌って自分から降壇したと言う説がある。

標語

k川のライブの日「五つの小」を知っているかと聞かれた。僕は得意になって「♫カラスなぜ泣くの~カラスは山に~」だろうと答えた。「それは七つの子で二拍多いです」と言われた。まだネットニュースを見る前で知らなかったが小池都知事のコロナ対策の標語と聞いて唖然とした。前の「夜の街」といい「ステイホーム」といい「標語を作ること」が対策だと思っている節がある。そんなことはどうでもいいので早く「効果のある仕組み」を作ってもらいたい。
豊洲で感染者が出ているがクラスター発生とは言われていない。東京都のクラスターの定義は一か所の感染者数が5人以上としているからだ。どこかで線引きをしなくてはならないのは分かるが政府の政策と裏でつながっている。GO TOイートを4人以下でと変更になった。五人と四人で感染率が極端に変わると言う事ではない。四人は以下なら死人が出てもクラスター発生にはならないと言う事だ。
ところで「五つの小」ってなんでしたっけ。
「少人数」「小皿」「小一時間」・・・「小ライス」・・・違うな・・・。

大本営発表

三連休の初日。外出は自粛しなければならないが旅行には行けと言う。外食にも行けと言うがマスクはしてろと言う。エロビデオは見てもいいが興奮するなと言う。この方程式を解く解は存在しない。
今の政権のコロナ対策を的確に言い当てた言葉を見つけた。戦う政治学者元北大教授山口二郎先生の発言である。そのまま引用させていただく。
『菅政権のコロナ対策を見ていると、75年前になぜ戦争に負けたかよくわかる。オリンピック開催が国体護持と本土決戦、ワクチン開発が神風、竹槍戦術に代わってマスクしながらご飯を食べる方法を開発。主観的願望を現実と思い込み、精神主義で問題解決ができると錯覚する。それを批判する者は非国民』

Jazz紳士交遊録vol16 若井俊也

12月往来自粛要請が出てる中、来てもらう。前回来てもらった3月は外出自粛要請が出ていた。何となく籤運が悪いように思われるが実はそうでもない。一昨年の最多出場回数部門で殿堂入りを果たしている。確か五十数回演奏してもらっている。どうしてそんなことになったか・・。暇だからではない。演奏も人柄も信頼できるからである。店で待っていては東京の若いミュージシャンを聴く機会はなかなか巡っては来ない。俊也に自信をもって紹介できる若いミュージシャンと来てもらった。その積み重ねが五十数回という数字になった。最初に来たのは天才の誉れ高い兄貴の若井優也とだった。僕の感性が届く範囲で素晴らしかった。安心して興奮できるのである。マイルスと演奏した最初で最後の日本人プレイヤーケイ赤城さんのトリオを本田珠也とやっている。それだけでも信頼に足る。ベースをいじって3カ月後にはもうプロになっていた。兄貴よりも天才タイプかもしれない。その事を確信したのは将棋を指した時の事だ。10手指せば大体実力が分かる。序盤が出鱈目であった。ところが中盤以降どんどん強くなってくるのである。序盤は定跡書を読んでいれば楽に指せる。実力が出るのは本に書いていない所からだ。俊也はそこからが強い。たぶんjazzを演奏するときも同じ考えをしている。人間は取り組む分野は違っても思考は同じ傾向のはずだ。
俊也には僕のどの思い付き企画も安心して任せられる。決して落ちることがない。譜面上のロストの事ではない。気持ちの面である。一度学生とやってもらった時、リーダーの考えていることがあまりに稚拙で謝ったことが有ったがその時でさえ落ちることはなかった。もう売れっ子になったので年五十回来たもらうことは不可能になったが12月同郷の天才宮川純、ルナとやってもらう。防毒マスク着けてでも来ていただきたい。

武漢の風景

10月初頭の武漢の映像を見た。新華社通信のものではなく個人の撮ったものだ。プロパガンダの映像ではない。五月以降新規感染もなくマスクなしで国慶節を祝う大勢の人々がいる。三月、感染者を隔離する施設は逼迫していた。体育館に収容する映像や突貫工事で病院を建設しロックダウンする映像を見ていた頃は正直武漢は見捨てられたと思っていた。ところがどうだ。普通の生活を取り戻しているではないか。特効薬はない。大規模PCR検査とソーシャルデイスタンスの確保だけなのだ。中国は一日2000件PCR検査ができるバス型の移動実験室を次々現場に投入している。それだけではなく10検体同時検査の技術も確立しているから珠海市のPCR基地では一日最大390,000件の検査が可能になっている。中国の政治体制には与しないがなぜ日本ではできないのだ。マスクを配ったりGO TOキャンペーンに投入した税金をそのために使っておけばとつくづく思うのである。
コロナ対策の諮問機関の代表尾身委員のコロナ禍における食事の食べ方なる映像が流れていた。
右手で箸を持ち、左手でマスクの左側を外す。右手で素早く秋刀魚の切り身を口に運ぶ。口の入れたら素早く左手でマスクをかけ咀嚼する。
真面目に解説しているのである。こんなことがコロナ対策か。
馬鹿じゃないの!!!!!!

外出自粛要請

11月17日札幌市の外出自粛要請が出た。これが出ると客足はパタッと止まる。ダチョウ倶楽部のギャグではないので「出るなよ。出るなよ」と言われて出てくる人間はあまりいない。今店にいるが外に人の気配が全くない。隣の鉄板焼き屋は数日営業していない。二軒隣の居酒屋のソーラン節のエンドレステープが虚しく流れている。客待ちのタクシーも効率の良いところに移動したようで一台もいない。勿論お客さんは一人も来ない。消化試合様に借りてきた。DVDも見てしまった。ルナから連絡があった。12月のライブは札幌の状況をギリギリまで待って来札するかどうか判断したいと言う。ミュージシャンの考えは尊重したいと思っている。最後の給付金がいつ降りるかが生命線になっている。会社員の時も400億の負債が有る組織の資金調達をやっていたので貧乏は慣れている。焦りはしないが困ってはいる。ここ2週間、不思議なほど珍しい人が訪ねて来てくれる。臨終が近くなると先生が「近しい人を呼んでください」と言うあれである。僕自身は至って元気なので店が危ないと察知してくれたのかもしれない。

独立行政法人の行末

北大の広告が新聞に載っているのを見ると今でも違和感がある。2003年に国立大学が国立大学法人になったことを改めて思い出す。週一度は北大構内を自転車で通るが民間の商業施設が増えている。産業界との共同プロジェクトがいくつか新聞の紙面をにぎわせていた。日本ハムの球場を構内に作る話まで一時期浮上していた。大学は事務方は文科省が担い教学部分は学部教授会の自治が建前であった。だがこれが2003年の国立大学法人法によって骨抜きにされつつある。北大の場合名和学長がパワハラが原因で解任され宝金新学長が選ばれた。大学サイドからは説明はない。学者サイドのこの弱腰が今の学術会議の任命問題の伏線になっていると思うのである。だが今回は学者側の徹底抗戦に会っている。政府は学術会議に産業界の人間も入れたがっている。公務員の任命権を盾に取り人事権を掌握しようとしている。公務員も奉仕先は政府ではなく国民であることをまず確認しておきたい。株式会社化してはならない分野がいくつかある。医療、教育、水道などのインフラ部分である。「一週間で覚えられる受験英単語」の類の本が有る。ところが「三日で覚えられる受験英単語」と言う本が出るとそちらの方が効率的と主流になり結果として必ず学力は落ちる。学術論文の提出数は毎年減っている。運営交付金などの獲得手続きなどの雑務が多すぎで研究に時間を割けないからだ。学生と時々話す機会がある。それぞれはみな賢く良い青年である。一流会社に就職を決めていく。だが学生時代から「長いものには巻かれろ」みたいなケースをずっと見続けていると分断する側に回るのではないかと密かに危惧するのである。

自助の事情

母親はパーキンソン病で要介護認定も受けている。それとは別に本来の老化現象でも足腰が弱ってきている。理学療法の施術と痛み止めの注射を打ちに行っていた整形外科が閉院してしまった。そこは診療点数稼ぎが露骨な病院で評判は良くなかった。そこから紹介状を貰って他の病院に行ったらしい。その数日後実家に寄ってみるといつになく機嫌が悪い。初めて行った病院でそんなに歩くのが不自由だったらすぐ施設に入ったほうが良いと言われたと言う事だ。「本当に失礼だ」と震える口で怒るのである。全くその通りである。年寄りには年寄りなりのプライドが有るのである。5,6年前になるであろうかパーキンソン病と診断されたとき「いずれ施設に入れるつもりかい」と聞かれた。僕は逆にどうしたいか聞いた。頑張れるところまで家で生活したいと言う。僕も比較的近所にいるし週2回くらいは様子を見に来れる。「じゃ、そうしよう」と別に暗くなることもなく方針が決まった。健常者なら10分で済む買い物も一時間ほどかかるが自分でこなしている。家の中をゆっくり歩いている姿を見ると腰の曲がった魔法使いのようでもありオラウータンのようにも見える。政府の方針に従って自助で頑張っているのである。
何処かに三船敏郎のような「赤ひげ先生」はいませんか