jazz紳士交遊録vol17 壼阪健登

壼阪に初めて会ったのは確か4年前、プロ志向の若手バンドで来た時だ。まだ慶応の3年生だった。それでも人を魅了するに足るあるものが備わっていた。壼阪の場合粒立ちの良い音色だった。音色が良いピアニストはリズムも良い場合が多い。鍛え抜かれた基礎力がそれを支えているのだと思う。卒業後の進路はまだ迷っているようだった。バークリーに行ったのもモラトリアムの一環だった。しめしめもうこっちのものだ。一度シャブに手を出した者は殆どカタギには戻れない。僕でも見抜ける実力の持ち主である。在学中にJ・パティツィッチのツァーに抜擢されたりP・リベラのセッションにも参加するようになった。それでも日本では無名である。機会を作って名を知らしめてあげたいと思った。ビザ申請の関係で一年に一度は日本に帰って来なくてはならない。池田篤のバックを務めた貰うためにスケジュールを調整して帰国してもらった。若い有能なミュージシャンと知り合うと毎回成長ぶりを見ることができる。それが楽しみでこちらの寿命も多少伸びる。はずである・・・。10日から3日間lazyでやってもらう。ぜひ一度聴いていただきたい。
余談であるが壺と言う字を見ると壺屋の最中を思い出す。壼阪は毎回お土産を持ってきてくれる。あれっ‥壺屋の最中でないんだ‥と思ってしまう。上品なバームクーヘンなのである。やはり慶応ボーイ、お土産も上品だ。それに引き換え三嶋大輝のお土産はカレーエビセンだ。三嶋は持ってくるだけまだいい。若手のミュージシャンで手ぶらで来る輩がいる。良い家系に育たなかったのだなあと推測するのである。その者達に告ぐ。日本にはお歳暮という素晴らしい風習がある。一度試してみると良い。3月4月の周年記念のプログラムはまだ決めていない。ものによっては僕の心は動くはずである。
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壼阪の音を聞いてみたいが外出を自粛している方の為に方策を考えました。HP上のトピック欄をご覧ください。