コロナと学園祭

三年ぶりの北大祭りに行ってきた。Lazyでバイトをやっている部長Uの挨拶で始まった。初めて経験する学園祭を開催できる喜びに溢れる挨拶であった。学祭に近くなったある日部員から今年はコロナ対策で入場制限をするという話を聞いた。マックス3000人で希望者はネット予約が必要でそろそろ締め切りになると脅された。まあ、自分でもできないことないだろうが部員kに全日朝一から行くと言う事で三日分予約してもらった。開催日の前日実行委員会から予約確認のメールが届いた。予約番号、注意事項が列記されていた。身分証明書を持参すること、滞在時間は3時間、指定された門から入場すること・・・かなり厳密にチェックをする感が漂う文面であった。入場できる門と時間が指定されていた。北8条の正門であった。Jazz研の演奏場所は北18条の教養棟。僕は北24条に住んでいるので演奏場所を横目で見ながら正門まで南下しなくてはならない。そして又18条まで歩く。そこそこの運動量だ。正門をくぐると受付があった。入場のチェックを受けている。長蛇の列ではないがスマホと免許書を出して待っていた。受付が終わると制限時間の書いてあるリボンを渡された。最大3時間の滞留時間である。見ているとそこを素通りして入る人間も居る。最初は関係者なのだろうと思っていた。演奏会場に着くと部長のUが出てきてスタッフ証を首にかけてくれた。「見回りもあるのでこれが有れば3時間を超えても大丈夫です」との事だった。見回りと言う言葉にゲシュタポの様な密告社会の匂いを感じた。なぜこんなことを長々と書いているかと言うとある種の疑問が湧いてきたからだ。帰る時18条口から出たがスタッフは誰もいない。帰った人数は把握できていないという事である。残りの二日間は22条の獣医学部の入り口に行ってみた。誰もいない。普通にそこから入った。覆面パトカーが茂みから出てきて検挙されることも無かった。善意の住人が犬の散歩やらジョギングやらでどんどん構内に入ってくる。実行委員会の入場数制限は「やっている感の演出」であったのだ。オリンピック時の政府のザル水際対策を想い出した。実行委員会は大学当局からコロナ対策はどうすると聞かれたはずである。その対策がこの方法であったのである。北大は政府から言われて独自の基準を作り部活なども制限していた。密を抑えるのか人流を抑えるのかはっきりしない対策が政府、大学とリレーされた。それを学生たちが見逃すわけがない。ああ、あの程度でいいのね・・・と思う筈である。学生たちを責める気は毛頭ないがこういう手口を覚えて社会に出ることを危惧するのである。
老婆心からである。
「老婆は一日にして成らず」