大学が危ない

国立大学法人法改正案が閣議決定されコソ泥のように衆議院を通過した。大手マスコミではほとんど取り上げられていない。大学の自治を蔑ろにししいては研究の劣化を助長する悪法である。今までも手を変え品を変え大学の自治を奪ってきた。教授会が単なる連絡会議になり学長の権限が増す。今回の改正はその上に運営方針会議なる組織を置き学長選考にも意見を述べられ委員の人選には文科相大臣の承認が必要となる。文科相は明らかに不適切な場合以外不承認とはしないとしているがあてにはならない。日本学術会議のメンバーの任命拒否問題が起きた事を忘れてはいけない。政府は大学への補助金を毎年1%ずつ削っている。これが続けば補助金は限りなく0に近づく。金と人事を握り政府は大学を配下に置こうとしている。この制度は従来設置対象は国際卓越研究大学のみであった。この審査に通ったのは東北大学だけである。だが今回の改正で国立大学5法人に拡大された。(僕は大学を法人と呼ぶことには今も違和感を覚える。)大学も自分で稼いでね・・・ということである。産学連携を通り越して軍学連携まで視野に入れている。地元北大は今回の対象にはならなかったが理事7名以上の条件は満たしていた。要は選ばれるか外されるかもブラックボックスの中である。名和前学長がパワハラがあったとされ解任された。これには文科省から派遣されてきた事務方職員が絡んでいた。名和前学長は防衛省からの潜水艦のレーダーにも転用できる研究を断った事がある。解任はこのことが原因と思っている。日本の大学の論文数が毎年激減している。研究環境は劣化し期限付きの研究員は1年たつと次の職場をさがし膨大な事務作業に時間を費やさざるを得ない。すぐ金にならない研究はには補助金は回ってこない。産業界のニーズにあった研究を優先し企業はそれで金儲けをし政府に献金をする。政府は産業界に有利な政策を立案する悪魔の循環コードにはまる。