婚約破棄

映画「卒業」のラストシーンである。キャサリン・ロス演ずるエレンに対する愛情を確信したベン(ダスティ・ホフマン)は結婚を阻止するために式会場の教会に向かう。途中運悪くガス欠になる。ベンはそこから式場に向かって激走するのである。間に合うか・・・ベン・・。着いた時には式はもう始まっていた。ベンは二階のガラス越しに「エレン・・・エレン」と叫ぶのである。気が付いたエレンも「ベン」と叫び周りの家族を押しのけて教会を脱出する。二人はたまたま来たバスに乗り込む。満面の笑顔である。映画的にはめでたしめでたしで終わる。
だが現実的に残された新郎はいい面の皮である。
そんなことを思い起こさせる会見があった。立憲の泉代表が「参院選は共産党との連携を白紙に戻す」と発表したのである。公党同士の取り決めを一方的に破棄した。先の衆議院選で象徴的な選挙区があった。東京8区である。共産党候補が野党共闘の名のもとに立候補を取り下げ立憲の吉田はるみ候補が幸勝し大物議員石原伸晃氏を引きずり下ろすことができたのである。
泉健太氏は野党第一党を引っ張る器ではない。実際維新にその座を奪われつつある。本当に信義にもとる行為をしてくれたものだ。無銭飲食と変わりない。
政治の世界でもjazz界でもこういう行為をするものは許せない。
それにしても参院選は困ったことになる。