巣籠日記その5

5月1日。昨日補正予算案が通過しいくつかの救済法案の申し込みが始まった。さてどれからやっつけようかとキャバレーで指名の子を思案するように一瞬考えたが割と確実な北海道の休業補償の申請から始めようと思った。8:30起床。ウェーザーリポートが目覚ましだったわけではない。昨日は1時に布団に入った。一昨日昼夜逆転の生活を正すべく寝なかったのだ。と言うよりは寝る前に昼になってしまったと言ったほうが良い。体調も良い。道庁に向かって自転車を走らせた。北大の構内を通る。学生は疎らで観光客風の人はいない。何か自転車の乗り心地が悪い。アスファルトが剥がされている。オリンピックのマラソンコースの為に舗装しなおしているのだ。多分無駄な経費で終わるだろう。道庁は思いのほかすいていた。皆さんまだ余裕あるのかなと思った。次に必要書類をそろえるべく区役所に営業許可書を取りに行く。闇営業をしていたわけではない。3月が切り替え時期でバタバタして取りに行くのを忘れていたのだ。あとは母親の用事を済ませればよい。先が尖ったゴムの杖を見つけてほしいというご所望だ。近所の靴屋に杖ありますとの張り紙があった。80半ばくらいの左足を引きずるご主人であった。
「あなたが使うのかい」
僕はフレッド・アステアのように軽くタップを踏み「違います。母親のです」と言ったがまるで受けなかった。女性用のを何本か出してくれたが先が尖ったゴムのものはなかった。その旨を言うと持ってくればつけてくれるという。年配の人は商売とはいえ物をただ売るのではなく使えるものはちゃんと使うという考えをまだ持っているのに接して少しうれしくなった。
こういう人にもちゃんと保証が行き渡る政策であってほしいと思うのだが違うようだ。
コロナ終息後に大企業向けの新規投資の株式予算が組まれている。我々は面倒な審査に通って融資を受けられたとしても無利子、無担保とはいえ借金は借金である。株式は返済の必要はない。
国会審議の中で「現在の感染者数は」との質問に安倍総理は「事前通告がないのですぐには答えられない」と答弁した。
質疑が終わると形づくりにしていた「アベノマスク」をすぐ取り去り閣僚と談笑し始めた。その距離30センチ。

本日の駄洒落
母親に捧ぐ
「ステッキなあなた」アンドリュー・シスターズ
「レッド杖ペリン」