雨合羽とイソジン

医療機関で手術着が不足していると言う事で善意の市民から届けられた雨合羽が倉庫で山積みになっている。職員が「カッパドキヤ」と怒っているらしい。積まれている形状はトルコの奇岩の名所には似ていない。イソジンの効用流布は大阪の薬剤会社の株価を上げ一部の株主の懐を温めた。松井市長と吉村知事の最大の功績である。
そして現在大阪は医療状況が逼迫している。維新が政権を取って以来「身を切る改革」と言う錦の御旗のもとに閉鎖、縮小されてきた医療機関、その教育機関の減少のつけである。
政治とマーケットは社会的共通資本に手を付けてはいけないのである。ニュークラブに行ってもホステスの尻に手を付けないのと一緒である。
話はコーダに飛ぶ。札幌は今接待の伴う店には休業要請が出ている。その二週間前ススキノのキャバクラでクラスターが出た。所謂「おっぱい感染」である。感染の出どころがホステスのおっぱいと言う事だそうだ。肌荒れを嫌ったホステスがおっぱいの消毒を嫌った。そのおっぱいを次々と客が触り感染が広まったと言う事であるが多分眉唾物である。そういう意味でおっぱいも社会的共通資本と言う事になる。
ダカーポ。真面目な話に戻る。社会的共通資本には三種類ある。自然、交通、上下水道のような社会的インフラそして医療、教育のような制度的インフラである。それは人間が生きていくうえで必ず必要とされるものである。そこに近視眼的な需給法則をもち込んではダメだと思うのである。
維新は橋下市長の時代にも市職員を減らし非常勤の職員を増やした。その人員は竹中平蔵の会社「パソナ」から派遣されてくるのである。
過日、大阪都構想は住民投票によって否決された。大阪人の心意気を見る思いがした。中心内容の一つが政令都市大阪市の持つ財源と権限を大阪府が吸い上げることであった。企業の乗っ取りと同じ発想である。難波金融道の竹内力みたいな強面の兄さんが出てきて言うのである
「株主の同意は得られなかったけん、社名と組織は残したるで。じゃがのー経営陣にはうちの若いもんを送り込んどるけん。しのぎはあんじょう見直して美味しいところはうちが貰っていくけん」
吉村知事は舌の根も乾かないうちに大阪市の権限を大阪府に移す条例を作ることを表明した。
民主主義ではない。
今国会でも重要なことが決められようとしていた。維新の馬場伸幸議員が憲法審査会において国金投票法改正案を討論なしで強行採決しようとしたのである。コロナ対策に集中しなくてはならないこの時期に火事場泥棒的な暴挙である。幸いこの案件は見送られた。
維新は危ない勢力である