引退劇
稀勢の里が引退した。一応相撲フアンである。一回目の休場の後、怪我を押して出場してきた時、近いうちに引退に追い込まれると思った。ある役目を背負わされているのである。「純粋日本人の横綱」としては若乃花以来・・・と言う表現が頻繁に使われるようになっていた。
「日本生まれ日本育ちの生粋の日本人」と「外国にルーツを持つ帰化日本人」を別の日本人として区別して考える人たちが国民の多数派であることを物語っている。
それは今の日本における外国人労働者を取り巻く労働環境の縮図である。
個人的には「努力で天才に勝つ」と言う信念を持っていた稀勢の里は応援したいと思っていた。
努力だけでは太刀打ちできない領域があることが分かっているからだ。
稀勢の里は巡業をさぼる朝青龍に勝ち越すことなかっただろうし、あんな自堕落な生活を送っていたパーカーを超えるインプロバイザーは60年出てきていない。