従妹から電話があった。僕の年で親戚から連絡が入る時にいい知らせの時はあまり無い。叔父の容態が急変したと言う事であった。急いで駆けつけた。集中治療室に入っており酸素マスクや色々なチューブが体に繋がれていた。意識はある。僕が名前を告げると「わかるよ」と小さく頷いた。何か伝えようと喋っているのだがゼエゼエしていて聞き取れない。時々無呼吸状態になる。叔母と従妹が頑張って息して・・と励ましている。無呼吸状態の方が楽そうなのだがその時が危ないそうなのだ。そのやり取りを眺めながら僕は子供の頃に叔父に遊んで貰ったことや祖父の家で親戚が集まり餅つきをしたことなど思い出していた。まだ皆が貧乏だが格差は感じられない大家族制の名残りが残っていた時代の事である。見舞いを終えて店に行った。従妹からもう一度電話が有った。5:30に亡くなったという知らせであった。あの時優しかった叔父が言いたかったことを想像してみるのである。