西山事件を思い出す

2月28日の道新一面記事は敵基地攻撃能力の範囲を巡る国会質疑での岸田総理の発言であった。戦闘機あるいは上陸作戦による相手国への攻撃は専守防衛の範囲であるかとの質問に存立危機事態と判断すればあり得るとの答えであった。これは誰が見ても先制攻撃による戦争である。新聞もただ事実を書いているだけで批判めいた論調はない。マスコミの凋落ぶりは酷いものが有る。
西山太吉氏が亡くなった。誰それ・・・と言う事になるかもしれない。沖縄返還時に日本が一部基地の原状復帰費用約10億を日本側が負担するという密約を結んでいたという事実をスクープした元毎日新聞の記者である。この事件を密約事件と呼ぶのと政府側が呼ぶ国家機密漏洩罪と呼ぶのではトーンが全く違う。当時政府は密約などないとひた隠しにしていたがアメリカの公文書でこの資料が発見された。だが西山氏は外務省の女性職員から資料を不正に取得したなどとの面が強調され国家機密漏洩罪に問われた。国民に知らされるべき事実がどんどん隠蔽されていく。沖縄は台湾有事をあおるマスコミのプロパガンダもあってどんどん基地化されている。2回目の捨て石にされる可能性が出ている。これに警鐘を鳴らすジャーナリストがあまりに少ない。西山太吉氏を思い出す所以である。

死のロード

夏の高校野球が始まると阪神タイガースは甲子園球場を明け渡すために2週間のアウェイの戦いが始まる。これを死のロードと言う。
俊也の5daysと央紹の7daysがつながりその合間に数日の学生卒業ライブもこなした。2週間の休みなしライブ、全日渾身の朝まで打ち上げ付き。最長不倒距離は朝9:30。鏡を見ると目が多少へこんでいた。髪も心持艶がない。それでも毎日楽しいことをやっているので元気である。今日は平日のライブのない日である。休もうとも思ったが前日の打ち上げの洗い物が山の様にある。厨房の水捌けが良くない。時間をかけながら少しずつ洗わなくてはいけない。これを書きながら作業をこなしている。次は池田、松島が来る。それまでに確定申告を終わらせておかないといけない。また休みの日に徹夜でやらなくてはいけない日程になっている。会社員時代に身についてしまった悪い癖だがこれで何とか間に合ってしまう。

2023.2.17-18  鈴木央紹4&3 秘伝の『My Shining Hour』

鈴木央紹(ts)渡辺翔太(p)若井俊也(b)竹村一哲(ds) *二日目はドラム・レスのTrio
 今回のLIVEについては結構前から知っていたので、待ちに待ったという胸中だ。当初の予定では二日間ともカルテットだったのだが、同行するはずの山田玲が都合により欠演となったため、代わりに竹村一哲が参加することになった。災い転じて福となったのである。それはさておき、鈴木のLIVEを振り返ってみると、スランダードや準スランダードがよく採り上げられている。このことは一面ファン・サービスでありながら、そこには明確に別の意味合いがあると考えてよいだろう。少しばかり余談から本筋に向かって行こうか。私たちにはお好みの曲というのがあって、色々な演奏家や編成で聴いて楽しんできたに違いない。個人的には例えば”Whisper Not” が収録されているレコードを見つけては、持ち帰って聴き比べていたことがある。そこには何度聴いても唸らされるものもあれば、年がら年中コロッケを食わされているような飽きのくるものもあった。同じ楽曲から感じられるこの差は一体何なんだろう。必然的に演奏とはそしてそこに生ずる差をどうう思うのかと襲いいかかってくる。原曲と演奏家の関係から何が視えるだろうか。一般に物事の辻褄に納得することを「理解」すると言うだろう。これと似て非なる「解釈」するという想像力に属する次元のことがある。ここでようやく鈴木についての手がかりまで辿どりついたかも知しれない。「理解」は横並びにつなぎ合わせても成立しそうだが、「解釈」は深化する方向に進路をとらざるを得ないように思う。彼は原曲に敬意を払うことを最も大切にしている。そこから繰り返し原曲の未来像を引き出そうとしているに違いないのだ。鈴木にとって「解釈」の徹底が演奏することであり、聴き手が同一曲に飽きがこない理由はそこにある。だから彼にとって”All The Things You Are”はいつも新曲なのだ。今回も能書き許さぬ演奏集となったのだが、それは鈴木の突出した「解釈」力にあると結論づけよう。やれやれ、いつも楽しみにしている彼のバラードの聴き応えは格別だったことを付け加えておきたい。では演奏曲を紹介する。まずカルテット。「I Love You」、イントロ早押しクイズなら”キラー・ジョー”と言ってしまいそうな「Along Came Betty」。照れくさいが20ほど若かったら惚れっぽい男を演じてみたくなるような「Be My Love」、モードでない方の「Milestones」、「Reflections」、「Like Someone In Love」。三曲続けて翔太作品「Color Of Numbers」「Pure Lucks In Bear’s House」「かなめ」、初見で譜面に噛り付いてしまったと鈴木は後で微笑んでいたが、実際これらは脅威のパフォーマンスといえるものだった。次はトリオ、「Long Ago&Far Away」、G・グライスの「Social Call」、「I Love You Porgy」、「Four」、「Sweet Lorraine」、「Autumn Leaves」、「It’s Easy To Remember」、「I Should Care」、「Bye Bye Blackbird」。古くも新しい名曲のフルコースだ。
 よく江戸の時代からつぎ足し続けて200ウン十年、守り続けた秘伝のタレなどという老舗の看板セリフを見聞きする。筆者は鈴木のLIVEを聴いて僅か10年余りでしかないが、秘伝の生聴きが底をつかぬよう、毎年つぎ足しつぎ足し、いや紹たし紹たし聴き漏らさないよう心がけている。そしてこの二日間、秘伝のひと時にどっぷり浸かった。思わずタレのラベルをボレロから『My Shining Hour』に書きかえておいた。
 なお、この前日となる2.16には渡辺翔太Trio(翔太、俊也、一哲)のLIVEがあり、聴く機会の少なかった翔太の演奏に三夜向き合えたのは収穫だ。彼の演奏個性が確かめられたのだ。曲目を添えておく。「歩く」「But Beautiful」「金曜の静寂」「かなめ」「We See」「Tones For Joan’s Bones」「Lullaby」「Equinox」「Body&Soul」「Smile」「Her Marmalade」。
(M・Flanagan)

新日銀総裁の人選の意味

日銀総裁が誰になろうと我々の生活には無関係と思うのは間違っている。経済の中の食物連鎖の中で生きている。風が吹くと桶屋が儲かるのである。
日銀新総裁の人事が決まった。経済学者で元審議委員の植田和男氏である。日銀が採用したゼロ金利政策や量的金融緩和などの景気刺激策を理論的に支えた人物である。黒田前総裁が行ってきたアベノミクス具現化政策は国民に多大な付けを残し本人は第4ゲートを回り逃げ切り模様である。この政策を引き継ぎ緩和策の出口を模索するのにふさわしい人選は現副総裁の雨宮正佳氏である。黒田総裁の無理難題の要求を政索として実現させてきた人物でもある。だが雨宮氏は総裁就任依頼を頑なに固辞したという。ありていに言うならこんなケツ拭役やらされて責任取らされるのは真っ平・・・と言う事である。雨宮氏の名前が浮上しただけで市場は反応し円安に傾いた。植田氏も会見で金融緩和策を当面は続けると発言している。そういう人物でなければ白羽の矢が立つはずもない。と言う事はしばらく物価高騰と不景気が続くと言う事である。航空機事故も着陸の時が多発する。金融緩和策も同様である。国民がむち打ち症にならない様な着陸法を考えてほしものである。

秘書官の明暗

岸田総理の息子翔太郎が政務秘書官に抜擢され渡欧に随行した。ところが公用車で観光をしお土産を買いあさっていた。それが政務秘書官の仕事か…と叩かれているが総理は息子を庇い続けている。帝王学を学ばせるための抜擢であるが藩閥政治ではないのだから世襲を前提での採用はイントロから間違っている。ボンボンがボンボンを育て年収1000万の仕事を与える。ボンジョブである。蛇の道はヘビメタとは言わせない。
それに引き換えLGBTに関し差別的な発言をした荒井勝喜秘書官は一発更迭である。この発言元を辿れば岸田総理の「同性婚が法制化されれば社会が変わってしまう」という発言の真意を問われた事に対する補足説明であった。オフレコの場での発言であったが隣にいたら気持ちが悪い・・・など言語道断の内容であった。これがあまりにひどいと言う事ですっぱ抜かれ全世界に発信されてしまった。岸田総理は火消しに回り即更迭したが一番の問題は秘書官の発言が岸田総理の思っている事そのものであるという事実である。だからLBGT法案が遅々として進まない。
付記
2月3日午後7時ころ北24条の路上で帰宅途中の北高校の女生徒に「おじさんのつまらない駄洒落を聞いて」とリックを引っ張ったという事件が有ったらしい。男は年齢70代くらい、身長165センチくらい、中肉白髪とある。お客さんからマスターではないの・・・・と言われた。その男が言った駄洒落は「北高から来た子」であった。これで犯人が僕では無いことが証明されている。わかる人にはわかってもらえると思うがクオリティーが違う。だがこれで駄洒落が言いづらくなった。不審者を見たらすぐ警察に連絡するようにとある。

Arc Times

テレビを持っていないと言う事もあるがNHKのニュースが信用できないので信頼に足るネットニュースを何本か視聴している。Arc Timesもその1本である。元朝日新聞の尾形聡彦と東京新聞の望月依塑子が司会を務めている。望月さんは記者会見でも執拗に迫り政府の人間に嫌われて質問の指名を受けられなくなったジャーナリストである。映画「新聞記者」の主人公は望月さんが題材になっている。
Arc Times最新のテーマは「移民社会の日本に逆行する岸田政権」でゲストは安田菜津紀であった。日本の難民認定率は0.7%、スリランカ人のウィシュマさんが非人道的な扱いを受けて名古屋入国管理局施設で亡くなったことは記憶に新しい。入管法そのものを論ずることはここではしないが安田菜津紀さんは虐げられている人の立場で取材を続けるフォトジャーナリストである。番組の中で自分の出自について話す場面が有った。子供の頃食堂を営む父親が家に帰ってきた時絵本を読んでとせがんだ。父親は読んでくれたがいつも読んでくれる母親程流暢な日本語ではなかった。安田さんは父親に「下手な日本語だね、日本人じゃないみたい」と言ってしまった。その時の父親の悲しそうな目の表情は今でも覚えているという。ある時パスポートを取りに行った時初めて自分が韓国籍だと知った。感情を高ぶらせるわけでもなく淡々と話す安田さんに強い意志を感じた。
その話を聞いた司会の二人は涙ぐんでしまう。僕ももらい泣きをしてしまった。
国籍、ジェンダー・・・安田さんの取材対象は自分をも傷つき兼ねない領域での仕事である。
政府広報と化した凡百のジャーナリストとはわけが違う。

大石学新譜発売

大石と敬愛する米木とのデュオアルバム「Under the moon」が発売になった。Lazyでは25/6,26/6とライブスケジュールが入っているがその前にぜひ聴いていただきたく北海道販売代理店を買って出た次第である。全10曲すべて大石のオリジナルである。米木はエレキベースを弾いている。意外に思われるリスナーがいるかもしれない。あの重低音と指盤にあたる「ビシッ」という音が聞けないかと思うと残念がる人もいるかもしれない。だがそこには違う世界が横たわっている。大石は米木のエレキベースにインスピレーションを得たという。米木のエレキベースを意識して書いた曲もあると聞いた。1曲だけ解説しておく。「E」more meという曲が入っている。Lazyのソウルドリンクイモ焼酎「いも美」をもじった曲名になっている。テーマがミの多いワンノートサンバを思わせる構成で「E」more meというダブルミーニングにもなっている。ハーモニーは紛れもなく大石ワールドである。是非体感していただきたい。
購入希望の方はHPライブ予約欄にメールしてください。¥2700です

百貨店の行方

百貨店の閉店が相次いでいる。渋谷東急本店。西武池袋店。道内では帯広の藤丸が1月31日に閉店した。これで道内の地場百貨店は消滅した。残っている店舗も札幌の4店舗のほかは函館の丸井だけだ。28年前は僕もこの業界にいたので多少盛衰については知っている。入社したころはその地域の一等地に売り場面積の大きな店舗を立てる巨艦主義が主流だった。当時のライバルは地下鉄の要所を抑えるスーパーである。コンビニ資本に吸収されるとは夢にも思わなかった。まだネット販売は無かった。藤丸の記事は道新には大きく取り上げられている。コロナ感染が最後の引き金になったかもしれないがまず消費形態の変化が有る。その奥には人口問題、過疎化などジワジワ寄ってくる日本国の問題もある。僕が札幌勤務時代。藤丸を傘下に収めようという動きが有った。これは失敗に終わり買収に回った側が先に撤退し藤丸は今年まで頑張った。社長の談話を聴いても地域の住民とのつながりを大事にしていることが分かった。そごう傘下に入らなくて良かったですねと言いたい。最終日店内の花が飛ぶように売れたという。お客さんが世話になった販売員に渡すためである。これは販売員にとっては涙が出るほど嬉しいはずである。だがその従業員の再就職は3割しか決まっていない。

太陽光発電事業詐欺事件 その4

成長戦略会議での三浦瑠璃氏の発言内容がその議事録で明らかになってきた。9割が業界よりの内容で、業界からの要望書もある。三浦瑠璃氏を抜擢したのは菅前総理で夫の会社トライベイキャピタルと関係あることも知った上での選択である。ここで新たな疑惑が発生するのである。政府関係の諮問委員会に加入すると資格はみなし公務員となる。それは五輪汚職の元電通社員高橋治之容疑者の立場と同じだ。すると成長戦略会議での発言が業者への利益誘導の贈収賄の可能性も出てくるというのである。そもそも三浦瑠璃氏がいつからテレビに顔を出すようになったのか。それは2004年自民党外交論文コンテストで総裁賞を取ってからの事になる。A4、4枚の作文である。てにおはの間違いやらミスタッチもあり明らかに読み直していないやっつけ仕事でジャーナリストの間ではひどく評判が悪い。中身も日本の生きざま、日本の理想、アジアの中心にいなければならない。・・・・など空語で満たされているが自民党のある勢力好みの内容ではある。その時の幹事長は安倍晋三で偉く感動したとの発言が残っていた。
3・11以降再生可能エネルギーへの転換の機運も高まった。政府はFIT固定価格買い取り制度を導入し競争可能にするため補助金を出した。電力会社が買い取り。国民の税金である再エネ賦課金で付けを国民に回した。再生可能エネルギーは技術の進歩により年々価格は下がる。しかし買取価格は契約時のものなので利ザヤが発生する。目敏い業者は事業権を転売し暴利をむさぼる。日本は再生エネルギーに関しては後発であったのにもかかわらず先進の国の法の建付問題を学習しなかった。土地取得していなくとも認可するなど法律の瑕疵が存在する。土地保有を義務付け、周辺住民の同意も義務づけたが転売の旨味は無くならない。トライベイキャピタルの裁判沙汰もこの辺のごたごたから発生している。太陽光発電は広い土地を必要とする。そこにはバブル期の土地ころがしの様な利権の巣窟となっている。東京地検の家宅捜査が入って数日たつがまだ逮捕の話は聞かない。おかしな話である。五輪汚職で動きが有って忙しいという事実もあるが特捜の本丸は大物政治家S氏で慎重に進めているとの噂もある。

台湾有事の行方

ここ最近、ミュージシャンが店に来た時の挨拶は「寒いですね」が定番である。確かに寒い。1週間で2回も水道が凍結した。幸い厨房だけは免れているので何とか営業だけは出来ている。店の存立危機事態であるが国も同様の存立危機事態である。水道管は春になれば溶けるしミサイルが飛んでくれば水道管だけでなく国も溶ける。
通常国会開催中であるが防衛問題の議論が全く深まらない。そもそも台湾有事とは何か・・・。台湾を巡る中国とアメリカの軍事衝突の危険である。安倍総理時代「台湾有事は日本有事です」と言って安保法制の解釈を勝手に変更してしまった。同盟国の船舶が攻撃されたとき黙って見過ごしてよいのか・・・と言って白馬に跨って駆けつける約束をしてしまった。ところが最近は一歩踏み込みやられる前にやっちゃいましょうという風潮になっている。沖縄には着々とミサイル配備の準備が進められている。横浜にも揚陸艦の基地が作られようとしている。アメリカの軍事シンクタンクのシミュレーションが報告されている。日本の被害死者数万、航空機の損害数千基。死者の数字に民間人は入っていない。自衛隊員の死者である。航空機の損害は空中戦での損失ではない。基地にある航空機がミサイルで破壊される数字である。日本の基地にミサイルが飛んでくるのである。嘉手納に岩国に横田にひょっとしたら千歳にも。防衛費の予算は43兆円である。どういった時にトマホークの発射スイッチを押すのかは手の内にを明かすと言って明言を避ける。そもそも軍備を増強することが抑止力につながるのか。曲がりなりにも日本は戦後70年一度も戦争に巻き込まれていない。専守防衛という基本理念が憲法で保障されていたからだ。アジアの近隣国も日本はそういう国という評価を下していた。日本は世界で3番目の軍事大国になろうとしている。中国の日本を見る目も変わるのもやむを得ない。防衛力と外交は両輪である。岸田総理もそういう発言をしている。だが実情は一切していない。中国との間には田中角栄が結んだ日中友好条約が有る。北京政府が唯一の政府と認めている。台湾も今のままでいいと思っている国民が多い。なのに何故寝ている子を起こすのか全く分からない。ウクライナ情勢に置き換えてみる。ドンバス地域がウクライナから独立しようと企てる。ロシアが軍事介入する。ロシアがベラルーシにお前も手伝えと急かす。ベラルーシは反撃能力をかざしキーウにミサイルを撃ち込む。ウクライナが中国でロシアがアメリカ、ベラルーシが日本と見立てる。世界にはどう見えて日本がいかに馬鹿げたことに首を突っ込もうとしているかが分かるというものだ。