ワクチンの行方

 

札幌でもワクチンの接種予約が始まった。案の定初日からパンク状態だ。かかりつけ医には電話がつながらず、集団接種センターへのネット予約は40分で終了した。75歳以上の高齢者だ。一人暮らしの老人にはネット環境そのものがない人だっている。ここでもうある種の選別がされている。共助もされないあなたは自己責任だと言われているに等しい。かかりつけ医につながったとしても半年以内の受診履歴がないとかかりつけ医とは認められず集団接種の方に回されると言う。しばらく顔を出していなかったスナックのボトルが流されるのと訳が違う。

僕は25年病院に行ったことのない健康優良爺だ。お国の厚生事業に負担をかけないようにつつましく生きてきたのに鼻から相手にされないと言う事になる。自分は最初から抽選方式が良いと思っていた。今までもいろいろな給付金の関係でコールセンターに電話をした。あのつながるまでの時間が永遠に思えるくらい長く無駄に感ずる。そんなことなら少し待つから確実な方法にしてくれと思うのである。気が短いのか長いのか良く分からない。

医療者ワクチンの接種も思うように進んでいない。希望者の25%の接種率だ。この業務がまた広告代理店に委託されているのである。情報集約と手配業務が追い付かずワクチンの行き場が決まらない状態になっている。また電通パソナ系の代理店である。こんな業務広告代理店を通す意味があるのか。

政府は7月までに高齢者の接種だけでも終えて実績を見せたいと躍起である。群馬県太田市の状況が話題になっていた。総務省幹部「7月中にワクチン接種を終えてください」と連絡が入った。まだひと箱も届いていないのに無理だと市長が答えると急いでやるので兎に角7月には終えてほしと念を押された。なぜこんなところに総務省が出てくるのか。「おお、わかっているだろうが交付金を握っているのはうちだからな」と恫喝してるのである。大規模接種に自衛隊が駆り出された。自治体の大規模接種に自衛隊が駆り出されたのではなく自治体情報とリンクしない形で防衛省に丸投げされたのである。又思い付きである。朝日新聞AERAと毎日新聞の記者が適当な予約NOでアクセスしたら予約が取れたと言う事である。これを岸防衛大臣が不正な手段により実施したのは本来の接種希望者の機会を奪う悪質な行為として非難した。システムの問題点を指摘されたと思わなくてはならない。今後AKBのコンサートチケットと同様大量の予約券転売が発生するのは火を見るより明らかだ。実弟の岸防衛相がコーナーに追いつめられるのを見て安倍元総理がロープ越しに参戦してきた。記者二人を「妨害愉快犯」と呼び実弟を庇ったのである。恥の上塗りにコーティング加工をかけたことになってしまった。システムの問題指摘と「妨害愉快犯」の違いが分からない人間はネスカフェを飲んではいけない。・・・・と言っても判らないだろうな。