操り人形

賭けマージャンによる黒川弘務東京高検検事長の処分が甘いという声がある。訓告では6千万とも7千万ともいわれている退職金をもらって一応表舞台からは姿を消すことになるはずだ。あれ、このシナリオ何処かで見たことがあると思う。佐川元国税長官の時と同じなのだ。賭けマージャンの罪がどの程度なのか良く分からない。森雅子法務大臣がこの処分の説明をさせられていた「常習性、賭けレイトの低さ」から考えて妥当な処分と考えるとのことだ。妥当と考えたのは誰かと言う事である。勿論官邸の意向である。法務省の判断は「懲戒」であった。森法務大臣も曲がりなりにも弁護士なのである。検事長が賭けマージャンをやったことの意味合いは分かっているはずである。
博士号を持っている生物学者がいたとする。その博士が「トカゲは足が4本あるから蛇よりも馬に近い」と発言している場面を想像すると森法相の立場が良く分かる。いかに屈辱的な仕事をさせられているか。
組織にいると似たような体験をすることがある。僕が勤務していた会社が経営状態が悪化して資金繰りに窮するようになったことがあった。支払いが滞る。先日倒産したがレナウンのようなところは通常通り支払い、弱小の吉田商会とか米木鮮魚店の支払いを止めるのである。中小の所は死活問題なので振り込みがされていないと連絡してくる。その言い訳をするのが僕の役目であった。何十社から、それも一回や二回ではない。「システムの不具合で・・・」と逃げるのである。最初は私たちその程度の能力しかないのでと公言しているようなものなので嫌でたまらなかったがそのうち麻痺してきて「書き譜」で弾いたたソロのように流暢になってくるのである。