自粛警察風

5月26日、17時。食材を買いに散歩がてら24条界隈を視察に行く。今日はホイコーローと決めているので足りないキャベツだけを買いにスーパーに行くのだ。時間はある。執行猶予なしの自粛要請の刑を務めている。おいらの業種は感染度トップの極悪三兄弟の一角、ライブバー、兄弟分には風俗店がいる。ワイルドだろー。
歩きながらある歌が口をついてきた。
「晴れた空・・・そよぐ風・・・」岡晴夫の「憧れのハワイ航路」だ。回鍋肉と三回言うと判る。
「回鍋肉」
「ホイコーロ」
「憧れのホイ航路」
24条駅近辺はいつもより人通りがある。ついている行灯も多いので明るい。「悪い子はいねぇかー、マスクをしてねぇー子はいねえか」とナマハゲの気分で見て回る。頭は自前だ。
食べ物がメインの店は挙ってテイクアウトの総菜、弁当を販売している。時間も時間だ。Take 5.。
あれ、オイルマッサージの店がやっている。兄弟分の店だ。オイルマッサージの店はダメでしょう。だが「警察に通報するぞ」と張り紙をする勇気はない。ここは昔「団地妻」というピンクサロンがあった場所で警察の手入れが入ったが今もM総業のシマと聞いているからだ。
あれ、あれ。スナック風の所も営業している。Café&barとある。経営者の気持ちは良く分かる。場末のスナックではないとの主張である。だが税務上は飲食業である。僕も初めて確定申告に行ったとき営業形態の名称が判らないので聞いたことが有る。「jazzのレコードをかけたり時々ライブもやっています」税務署曰く「食べ物は出していますか」「出しています」「それでは飲食業ですね」もっと文化的な香りのある営業形態の名称があるのかと思ったがそうではないらしい。分類だけの問題だ、別に飲食業でもいい。胸を張って飲食業と言っていたらライブをやっているからライブハウスだと言われる。今大阪の緊急事態全面解除の指針をラジオで聞いた。ライブハウスは着席で聴くこと・・・・ビニールシートで飛沫飛翔を防ぐこと。
着席でいいならジュラ紀から守っているわと言いたい。店の行灯にはJazz barとある。接待を伴うスナック、バーは感染率が高いのでまだ営業は自粛している。気になるのはこの「接待を伴う」と言う言葉である。軽く膝頭が触れるくらいに座りお客さんの太ももに手を載せて「こうして、よーさんといると何か安心するの、奥さんが羨ましい」と嘘八百ならべて耳に息を吹きかけてあげるのが接待を伴う会話である。当店もbarと騙っているがこの種の接待は定款に記載されていない。最低の礼儀は果たすが儀礼はない。
ある時はライブハウスと指さされ、ある時はバーだと虐げられる。どちらにしろ自粛レースの最終案ランナーだ。はっきり言って営業が一週間早くできるようになるかどうかはもうあまり関係ない。納得はできないが怒ってはいない。
ウィルスと共存しながら生の音楽を提供する新しい方法が模索されている。果たしてそれが自分のやりたい事なのか気晴らしの自粛警察をしながら考えている。
付記
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