避難訓練

道内では京極町と江差町が参加した。全国では新潟県粟島浦村、沖縄県与那国町などが参加予定である。なんのこっちゃ・・・と言われるだろう。ミサイルを想定した住民避難訓練が4年ぶりに国主導で行われている。北朝鮮のミサイルが発射された日、岸田総理はいつになく元気だったという。毎日統一教会問題でボコボコにされているところに恵の雨ならぬ・・・恵みのミサイルである。これで暫くの間国民の意識を別方向に持っていけると踏んだ。それに呼応するように政府広報と化したテレビ局は一日中ミサイル映像を流し続ける。そして住民避難訓練を再開させた。ところが本年度参加する5自治体は人口1万未満の町村である。ジャーニーズ事務所のオーディションに60過ぎの禿親父が応募するようなものだ 。粟島浦村は人口300人程度である。どう転んでも高価なミサイルが撃ち込まれる地域ではない。 このミサイルをめぐる循環コードを説明してみたい。今年になって何発発射されたかは正確に覚えていないが北朝鮮とてむやみやたらに撃っているわけではない。ハリス副大統領の視察、米韓合同軍事演習など個別の案件に呼応したものだ。日本は眼中にない。アメリカの気を引いているのである。合コンに綺麗な子とそうではない子がいた場合やはり綺麗な子の気を引くものである。このミサイルはロシア製で安倍総理時代に北方領土経済協力の名のもとにふんだくられた資金、あるいはサハリン2の出資金が一部原資になっている。その購入資金は統一教会が援助した8000億ともいわれる資金が使われている。その調達先は日本である。そしてミサイルが上空を通過すれば有事に対応する防衛力を増強しなければならないとし使えないミサイル防衛システムなどをアメリカの言い値で買う約束をする。GDPの2%、10兆円をめざす。すると増税するか国債を発行するか、何かを削減しなければならない。それが社会保障費だったり、教育関連費だったりする。ジジババの医療費負担が増し年金が減額される。スワンの涙ほどの年金をもらいながらjazz barを営んでいる禿親父にとっては二重の痛手である。アベノミクスの付けである物価高がコルトレーンのシーツオブサウンズの様に押し寄せてくる。まず酒類が上がった。生活物資も上がっている。札幌の円山動物園でも経費削減でペンギンの餌をキビナゴから安価な鯵に変えたとの記事を見た。ところが口に合わないのか吐き出すペンギンが多いらしい。こちらは秋刀魚が高いので鯵を美味しく頂いている。ペンギン以下の生活をしながら頑張っているのである。電気代も上がった。夏場クーラーをつけたこともあるがびっくりする金額の請求書が来た。たいして暑くもないのに勝手にクーラーを入れる央紹の様な一流ミュージシャンを頻繁に呼んでしまったからだ。かといって値段は上げられない。開店してから19年、一度も値上げをしたことはない。給料が20年上がっていないからだ。だからミュージシャンのギャラも上がらない。ここで笑い話のような循環コードが完結するのである。落語で風が吹けば桶屋が儲かるという話が合った。我々の業界ではミサイルが飛べば川原乞食が貧乏になるという落ちである。

国賊発言

藤原肇の著書に「国賊を国葬にした国」というものがある。内容にびびり大手出版社が二の足を踏みアマゾンの電子書籍でしか読むことができない。ここ最近ネット上ではこの「国賊」という表現時々目にするが思い出すのは2・26事件の折、連隊復帰を呼びかける放送で「貴様たちの親は国賊と呼ばれて泣いておるぞ・・」という表現である。
自民党の村上誠一郎氏が安倍元総理を国賊と呼んだ呼ばないで処分が検討された。国賊発言が党則の「品位を汚す行為」に該当すると言う事らしい。この程度で処分されるのであれば安倍総理はじめ、党上層部の細田衆議院議長、萩生田、山際、下村博文、山谷えり子はどれだけ品位を汚したかをまず問われなくてはならない。まさに「ゲヒン・ザ・ゲヒン」ゲスの極み乙女レベルである。
村上氏が発言したとされる場は公式の場ではない。非公開の自民党総務会での事である。総務会は自民党最高の決定機関でここでの決定が政策となっていく。自由闊達な意見交換の場として機能していた時期もあり数時間に及ぶこともあったという。会議終了後ぶら下がりの共同通信の記者にリップサービスでの内容説明の際に「国賊」という表現が使われたらしい。それが大きく報道され処分問題に発展したという経緯だ。
ここからは推論である。国賊という表現はかなり強い表現である。しかし村上氏のキャラなら言ったとしても可笑しくはない。国葬にも反対表明をし自身も欠席をした。陳謝の記者会見の場での発言である。「国賊と言う表現を使ったかどうかは覚えていないがもし使ったとしたら陳謝する」といった。謝る必要などないというリベラルな立場の意見はさておいておく。ここでの村上氏の発言は安倍総理のモリカケ桜、自民党全体の統一教会問題での発言のパロディになっている。取りあえず記憶にないとしておく。バレたらそこだけ訂正する。今の自民党の手法である。それを強力に皮肉った陳謝であると考える。自民党にもまともな意見を言う人がいると党を救った側面がある。村上氏は愛媛出身で瀬戸内海の村上水軍の末裔である。選挙では圧倒的な強みを見せ12期連続勝っている。統一教会の援護射撃を必要としない立場なので歯に衣着せぬ発言ができる。尊敬する政治家は大正デモクラシーを牽引したリベラルな石橋湛山。その政敵は安倍晋三の祖父岸信介というのも因縁だ。
村上氏の処分は1年間の党役職からの離脱で比較的軽いものではあったが党内のモノ言えぬ雰囲気は増長されている。党紀に準じて処分された例は稀である。党内であっても言論を封じる前例を作ってはいけない。

2022.10.6-7 LUNAの回帰現象

LUNA(Vo) 若井俊也(b) 田中菜緒子(p)
 「芸のためなら女房も捨てる~」という演歌の一節がある。これに倣うと「Liveのためならジャンルも捨てる~」というのが、LUNAによる局地的な戦略である。このまま行くとシルク・ハットから鳩を出すくらいのことをやってしまうのではないかと恐れている。今のところどれを採っても本流と支流の区別がつかない一級河川の景観を呈していて、興覚めを寄せ付けない。今回は、一念発起、JAZZに徹するというのだ。しかも、二日間、一曲も被ることなくやり抜くと豪語する意気込みようだ。そっちもそうなら、こっちもこう。「一丁聴いてやろうじゃないか!」。演目は後で並べるが、よく知られた曲にオリジナルを交えるという構成だ。標題の”回帰”というのはJAZZ一本でいくという以上の含みを持っている。「失ったものを数えるな、残ったものを数えよ」と謎の名言を発したのは、かのB・グッドマンだが、今回のLiveでLUNAが言うには、古の自分が歌っていたド・スタンダードを現在の思いをこめて数曲取り上げたということだった。それが彼女の中で「残ったもの」なのだろう。このことが”回帰”の本当の意味合いである。成るほど、聴いているとエモーショナルに歌い上げながらも、月日の故に度が過ぎぬよう抑制されている。ここはLUNAボーカルの大きな聴きどころになっていたと言っていい。唐突だが、たまたま最近、中島みゆきの”糸”という曲を聴いたので、それになぞらえて言うと、”糸”と言えば仕上がりは別としてタテとヨコの関係から編まれるものを想起しがちであるし、非を唱えようとは思わない。ただ一方で、人は”糸”を使えば必ずついて回る”糸くず”と無縁に生を営んでいる訳ではない。このLiveを聴いていて、その”糸くず”をLUNAはどのように胸中に納めているのだろうか、そんな余計な思いに駆られてしまった。少々湿りがちになったところで、演奏曲をズラッと並べる。初日は「Body& Soul」、「I didn’t Know What Time It Was」、「My One &Only Love」、「Save Your Love For Me」、「 My Foolish Heart 」、「All The things You Are」、「残滓」、「Porgy&Bess」、「愛の語らい(Speaking Of Love)」、「Ellen David」、「Good By」、「Chega de Saudade」、「Here’s To Life」、「Autumn Leives」。そして翌日は「The Man I Love」、「It’s Only A Paper Moon」、「Nearness Of You」、「Tow For The Road」、「Lush Life」、「Loads Of Lovely Love」、「Peshawar」、「Se Todos Fosse Iguais A Vose」、「Re: Requiem」、「We Will Meet Again」、「Who Can I Turn To」、「Lawns」、「Fly Me To The Moon」、「Everything Must Change」。歌いも歌ったり、聴くも聴いたりの二夜に渡る「回帰現象」であった。次回登場は師走、ウルトラ・ウーマン吠える、シワッス!
 なお、リズム・セクションを務めた若井の厚みと田中の清新なバッキングにより、スキを見つけようにも見つけられないLiveとなったことを報告しておかなければならない。次の日にこの両者によるDUOがあり、PM2:00スタートで白昼・白眉の演奏となっていたことを付け加えておきたい。
(M・Flanagan)

街角情報室vol6

「地球への着陸料」という見出しが気を引いた。道新の記事である。国際宇宙ステーションで勤務する外国人男性を名乗る人物から「地球への着陸料」などの名目で440万円だまし取られた云う内容である。ちなみにロシア人らしい。交流サイトで知り合いラインで4カ月やり取りする中で「日本に着いたら結婚してほしい」「千回言っても伝わらないけど言い続ける。愛している」などのメッセージが届いたと言う事だ。宇宙から・・・である。その後地球に戻るためのロケット費用や着陸料、ツタヤモスクワ店から借りたDVDの延滞料・・・(話を少し盛ってしまった。)を指定された口座に振り込んだらしい。三菱東京UFJなのか北洋銀行なのかは出ていなかった。だが日本の金融機関だった筈である。ロシアの金融機関ではなかったのはウクライナ問題での経済制裁の一環であったと判断したのかもしれない。ここまで読むとこの女性・・救いようのない馬鹿じゃないのと思う筈だ。だが65歳と聞くと胸が痛い・・・・。そして心の片隅に悪意が芽生えるのである。店の経営に行き詰まったらこの手がある・・・
付記
結婚詐欺で思い出した話がある。Yから聞いた。あるjazzフェスティバルに警官が来た。「結婚詐欺の被害届がでている・・事情を聴きたい。S.Iはいるか」Yは同業者でもあるのでS.Iを庇ったらしい。

Wひろゆき

Wひろゆき
昔Wけんじという漫才コンビがいた。こちらは笑えるがWひろゆきの方は笑えない。
ひろゆきの辺野古基地移設反対運動で実際現地に行った時、座り込みをしている人間が居なかった。そのことを逆手にとって反対運動を揶揄したことでネット上で炎上している。主張の内容や目的ではなく「口調」などに論点をすり替える。今回は「座り込み」の辞書的意味に固執した。尻から根っこが生えるほどずっと座り続けていないと「座り込み」とは言わないのか・・議論するのも馬鹿馬鹿しい。物事を斜に構えて見る冷笑者が良く使う詐術である。どの分野にもこの種の人間はいる。音楽を語る人間の中にもいる。
このひろゆきなる人物・・2chの元管理者でそこは言葉の汚物に塗れた世界で開けただけで腐臭がする世界である。知識のない人間、頭の良くない人間に支持されている。「座り込み日数・・・0で良くない」に26万のいいね!がついたという。相手の言葉尻をとらえ矛盾を突きさえすれば一発逆転の幻想が現実化する。コツコツ努力するやつご苦労さん・・・と言う事である。1997年から続く反対運動を完全に馬鹿にしている。そしてこのひろゆきの行動をnet放送のABEMAが支援している。ABEMAは公共放送ではないので取材の中立性は求められてはいない。嫌がらせだけが目的である。炎上すればそれだけで話題性に事欠かないという考えの持ち主である。問題の本質など興味はないし人の苦痛や不安にも寄り添うつもりも毛頭ない。この人物先の選挙で立憲民主党の討論相手に選ばれていた。若者に人気があるのかもしれないが立民終わったと思った。
統一教会問題追っかけていたジャーナリスト有田芳生氏は刊行目前だったひろゆきとの対談本の出版を断った。
ひろゆきに質問してもらいたい人物がいる。
「博之さん、いつまで衆議院議長の席に座り込むんですか?」
「座り込みの意味知っています」
付記
臨時国会が始まった。泉立民代表が代表質問で岸田総理ではなく細田衆議院議長に統一教会問題の質問をした。あるメッセージが込められている。岸田さんあなたは大目に見てあげますよ。維新ではなく立民と組みましょうよ・・・自民党にすり寄っている。立民終わった!

Jアラートの意味

10月4日の早朝、けたたましい目覚ましの音で飛び起きた。半分寝ぼけながら今日は早起きしなければならない用事が有ったろうか・・・と考えていた。多分アラームを間違って設定してしまったのだと思った。スマホに変えて約一年Jアラートなる機能が設定されていることを初めて知った。北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過し排他的経済水域に落下したと言う事であった。翌朝の新聞はこの記事が大きく報道されていた。そして抱き合わせ販売的に防衛力の拡充の議論を加速させる必要性が与党内で説かれている。このミサイル成層圏の上を飛んで行ったものである。こんなものの落下物を心配するならこの近くの丘珠空港から飛び立つ飛行機、今はオスプレイも来ている・・・の落下の方が確率的には高い。生活感覚で言うと自宅付近は円山に帰るカラスの通り道になっている為糞の落下の方が現実的である。防衛予算がGDPの2%まで引き上げるべきとの議論がある。たとえばこのミサイルの飛んだ位置情報でさえ正確には補足されていない。ミサイル防衛システムは真剣白刃取りの様に神業に近いという。ほとんど宝の持ち腐れに近い防衛装備を安倍総理の時代にトランプの言われるままに購入することを約束してしまった。それが防衛費増額の理由である。防衛費がすべて無駄だとは思わない。自衛隊員の成り手が不足し末端の銃弾すら不足する中で敵基地攻撃を前提とした装備を購入することは専守防衛を謳う憲法に違反していると今でも思う。そして日本海側にずらっと並んでいる原発発電所が攻撃される可能性について考慮すらされていない防衛構想はほとんど無意味である。北朝鮮のミサイルは日本を攻撃することなど考えてはいない。アメリカに私の事をもっと評価してという三流ミュージシャンの馬鹿テク誇示に過ぎない。外交努力での安全保障の道を探るべきと考える。

jazz研定期戦

jazz研定期戦
先週の土日北大と小樽商大のjazz研一年生の定期戦を開催した。コロナ禍で3年ぶりの開催になる。10年くらい前からの行事になる。当時の北大の部長と話していた時の事だ。6月の学祭が終わると新入部員が大量に辞めると聞いた。一部の部員は学祭でやりきった感を持ち、一部の部員は次の目標がないので続かないと聞いた。次の行事は12月の定期演奏会で半年先になる。夏の合宿が終わる9月終わりに一年生だけの発表会をやったらと提案してみた。それが何とか継続している形だ。今回の出場バンドは5バンド。商大は一年生部員1名の為2年生がバックアップする方法で1バンドだけだったが先輩の温かいまなざしが感じられた。学祭はお祭りである。ライブハウスで演奏するのとは空気感が違う。一年生は緊張しているのが手に取るようにわかった。演奏中は先輩たちと気難しそうなjazz barの親父が腕組して聴いているのである。心中お察し申し上げます・・・と言ってあげたい。こういう時、僕はノーコメントにしている。まず演奏することを楽しんでほしい。そしてまたライブがやりたくなったら戻ってきてほしいと思っている。願わくば良いリスナーに育ってほしいというのが最終目標だ。昼のライブの為打ち上げはないが店の前で先輩たちから色々なアドバイスを受けているようであった。何曲かはハリケーンに襲われた木造住宅の様に崩壊しかかっていたが生き別れにならない様手をつなぎ合って持ちこたえていたのが微笑ましかった。演奏が終わると犯人探しが始まった。反省はしなければならないが粛清は辞めたほうが良い。この2日間僕は感謝されまくった。「こういう貴重な機会を頂きありがとうございます」とバンドが変わるたびに言われるのである。誰か先輩の入知恵であろうが何度も続くと居心地が悪い。MCは緊張するのであらかじめ考えているようであるが官僚が書いた作文を読み上げる大臣の国会答弁の様にはならなかったので良かったと思っている。学生たちからエネルギーを貰った2日間であった。

Jazz紳士交遊録vol27 若井俊也

俊也の持つ記録で多分破られることのないものにlazy年間最多演奏回数がある。一年に54回だったと思う。勿論嫌いなミュージシャンを呼ぶ訳はない。イントロのセッションホストを長くやっているので若いミュージシャンを良く知っている。俊也に託して若いミュージシャンを紹介してもらおうと考えた時期があったのだ。西村匠平、山田玲、田中奈緒子、北島佳乃子は俊也の紹介である。その流れが今でもつながっている。レギュラーグループをメインに前後で札幌のミュージシャン、学生、社会人とのセッションもやってもらう。すると簡単に1週間くらいになってしまう。明日から1週間やってもらうが今年初めての来札だ。俊也も忙しい。時々声をかけているのだがスケジュールが合わなかった。東京から来る仲間が「俊也が今年まだ行っていないですけど」という直訴の伝言を携えてやってくる。明日から1週間たっぷり可愛がってやろうと思う。俊也のベースは音がでかい。だが伸びる音なのでよく聞き取れる。珠也に言わせれば「無駄に音がでかい」と評していた時期があった。米木も音がでかい。二人の違いは例えばこちらは鳩バスで都内観光をしたいと思っている。米木号に乗ると希望していないのに宇宙まで連れて行かれることがある。俊也号は隠れた観光名所を巡りつつ最高の都内観光を提供してくれる。希望すれば防衛相経由で国葬会場にも連れて行ってくれるはずだ。俊也は楽器の習熟度が異常に速い。初めてベースを触ってから3か月後にはプロとして活動している。その天才性を感じた時があった。音楽を聴いている時ではない。将棋をしたことが有った。5.6手指すと大体棋力が分かる。俊也は全く序盤の定跡を知らないのであった。僕は「羽生の頭脳」という定跡本を完璧に頭に叩き込んでいるのである。普通負けるはずがない。
ところが本には書いていない終盤になってから俊也は力を出すのである。その将棋1局の中で学習し進化するオミクロン株の様であった。その時相当に頭の回転が速いと感じた。兄貴若井優也の影響あって音楽理論も精通しているのかと思ったらそちらもド素人であった。耳だけを頼りに音楽性を伸ばしていった。俊也は出るところに出ると武闘派らしいがここではいたって優しい。学生にも親切だ。全国を回るとここで知り合った学生が顔を出してくれるという。俊也の人柄である。そうやって若いフアンを増やしてほしいと思っている。今回のメインは田中奈緒子とLUNAのセットである。大輪の花二輪、・・・咲かすも枯らすもお客様次第。

ベスト盤

ベスト盤
例えばエリントンの極東組曲である。その人間のエッセンスがすべてぶち込まれているような曲がある。そういう意味で国葬は安倍政治の集大成であった。
物事を敵味方でとらえ異論を排除し敵は徹底的に無視をする。政策に異議を唱える官僚は左遷する。閣議決定に法的根拠を与えてくれない内閣法制局長は首をすげ返る。身内と仲間を優遇した結果がモリ・カケ・サクラ問題である。森友問題では「私と妻が関わっていたとしたら議員を辞める」と発言した。その整合性を取るため公文書が改ざんされた。そして公務員としての良心を持っていた赤城さんが自殺した。裁判は認諾と言う金は払うが真相は藪の中と言う形で終結した。汚職まみれの五輪。国葬当日、組織委員会元理事高橋治之容疑者が三度目の逮捕をされた。安倍元総理が「私が絶対に捕まらないようにしてあげます」と確約した人物である。検事総長を自分の粉をかけた黒川氏に無理くり捻じ曲げたことに対する東京地検の怒りかもしれない。だとするとわずかだが明かりも見える。国葬会場ではアベノマスクは禁止だという。布マスクは効果がないからだ。これだって500億掛かっているのだ。遺骨を乗せた車は国会ではなく防衛相に立ち寄った。立法府を徹底的に蔑ろにした人にふさわしいルート66である。まだ色々あるだろう。その政治姿勢が国葬を強行するにあたってすべてに入っている。ビートルズも活動期間は10年である。そのベスト盤の様な国葬であった。

国葬を考える会

国葬を考える会というシンポジウムが二日前東大で開催された。You tubeで見ることができる。呼びかけ人は哲学者國分功一朗氏、法学、政治学など各分野のエキスパートの学者が集まってのシンポジウムで敢て「国葬を考える会」であって「反対する会」ではない所に知見を感じる。深い議論が展開されていた。
国葬問題点は閣議決定の法的整合性、安倍元総理の政治的成果の評価、費用の問題などツッコミどころ満載であるが、それは通常ジャーナリズムに任せこの会での片山杜秀慶應大教授の指摘を紹介しておく。

「天皇なき愛国の時代に入り、民衆が愛国一枚岩の大運動としてのファシズム運動による新政権が誕生する基礎が整いつつある。その一里塚としての国葬だろう」
怖い指摘である。ある時の日本を思い起こさせる。この10年で日本を二流国に貶めた人物が強いリーダというイメージだけで一部の国民にあがめられている。その国民性はどう培われたのか・・・。諦めと無知の総体である。ここ10年の愚策を忘れない為、最後まで言い続けなくてはならない。政治は生活に直結している。
新聞を読んでいれば気が付くことをいくつか指摘しておきたい。国葬を弔問外交の場にするという開催理由・・・。G7の首脳は誰も来ない。最後の一人であったカナダのトルドー大統領も国内の災害対策を優先するとの理由で欠席を決めた。同じ時期日本でも大雨で静岡県では5万世帯断水中である。NHKではこの事実を一切報道しない。フランス代表で来るのはサルコジ元大統領でこの方は汚職で前科者である。これくらいの人物が相応だろうよ・・・というフランス流のシニカルなエスプリである。IOCのバッハ会長は来る。そりゃ・・・コロナ禍にもかかわらずオリンピックを開催して一儲けさせてもらったのだから・・・と言う事だろう。
各界の著名人にも招待状が送られているが出席率が悪いので数合わせの為日付を手書きで直した招待状がばらまかれている。僕の所には届かなかった。川原乞食界ではそこそこの業績を残しているはずだがそこまでは困っていないらしい。そういえば自民党員だったことが有る。町村信孝氏の初陣の時だった。会社の商売絡みの案件で党費は要らないから名前を貸せと言われて身を売った。