ハサーンのサード は23年12月に出てるから多くの人は今年聴くことになったのだろうが僕は11月になってやっと聴いた 何を書いてるのかと言うと歴史が変わったタイミングだからだ ちょっと大袈裟だが60年も50年も経ってから発掘された音源がジャズの歴史を書き換えるなんてあったのだろうか? 先のメタフィジックスの後でソロの2枚組が出て今度のはトリオデュオソロの言わば寄せ集めのレアトラック集でしかない しかしもうハサーンが失われた大きな才能である事は隠れも無い事実となった 前の文章を書いてた時 僕は大きな勘違いをしていて10年ほど時代を前に間違ってた 65年はモンクはCBSでトレーンはアセンションをレコーディング中と言う年なのだ ここでトレーンの名を出したのは偶然でなくメタフィジックスにはトゥルートレーンと言うナンバーがあるがそれはブルートレーンにかけてるじゃないかとか思った と言うのはトレーンがシーツ・オブ・サウンドの発想を得たのはハサーンとの50年代のセッションからだと言う話は前から語られてた伝説だ メタフィジックスのアートデイビスは直後すぐのアセンションの録音にも参加している(そして今盤のベースはあのヘンリーグライムスである) オープニングのオールモストライクミーを聴いて僕はCDを一度止めた それだけで吹き飛ばされてしまったのだ これはアバンギャルドな響きを帯びたアブストラクトだがトルネードストレートだ
自分の勘違いに気がついたのだがハサーンはモンクもしっかり研究している(多分) リバーサイドのモンクだろう ほとんどのピアニストはモンクに絡むと2級品のモンク商品を作ってしまう ほら私にも演れるンです みたいなヤツだ それに対してハサーンはアトランティックでトラブらなければCBSに移って長期のデクレッシェンドでマンネリになっていったモンクに代わる存在になっていったかも知れないと夢想させる 彼はモンクナンバーを2枚組のソロの中で一曲だけ取り上げてる それは録音がライブの海賊盤的プライベート録音だからこそでスタジオ録音では無い hope so elmo(Mローチトリオ盤)という曲があるくらいでハサーンのオリジンはエルモ・ホープである エルモはバドの幼馴染でピアノとドラッグを一緒学んで若死にした年迄ほとんど一緒だ、バドみたいに派手でなくバドのように追従者が一派を作る様なタイプでない(作曲家としては名曲を作っててビルエバンスとかが取り上げてる)多分僕が分からなかっただけなのだろうが印象的では無かった それもあってハサーンのMローチトリオのレコードもドラムがうるさいなぁ ピアノのハッサンはアラブ系だからメロディセンスがユニークなのだろう とか思ってスルーしてしまった あっそうだ僕はそのピアニストをよくジャズを知らない音楽家だと思っていたのだろう 事実は逆だったわけである 彼はウォーキングディクショナリでそこには未だ誰も知らない事も書かれてる本だった そういうことは例えばモンクみたいな天才にしか可能じゃない またハサーンにはモンク並みの奇行も多々あったらしい その種の話はマネができる物ではない
歴史の禁じ手のifばかりだが引きこもって作曲ばかりしてた時代に家で火事が起きなければOポープ達によって復活する目もあり得たかも知れない モンクとばかり比べて何だが彼もキャバレーカードを無くしてピアノの中にこもってた時代の作曲がその後を作りあげたと思う
オールモストライクミーを僕は とても他人とはおもえない と訳してる(ポープのファーストのタイトルナンバーでもある)
音楽やアート世界を旅する時のひとつのシグナルとなる感覚としていた
ハッサーン イブン アリの様な人はざらにいるものじゃ無い。
BY 山の実
カテゴリー: 新譜ジャーナル
ハサーンイブアリ 幻のアトランティック録音
最初の作業が難航中である MローチトリオのレジェンダリーH.I.アリがピアノのコーナーにもドラムのとこにも見当たらないのだ アリはつい最近までその1枚だけの人だった 次の録音はオクラ入りになって紛失したと言われてた それは売れなかったせいなのだろうとしか思ってなかった つまりこの新譜は65年録音である アリ本人は80年に49歳で死んでる メンバーはあのオディオンポープのテナーを入れたQである 聴けばわかる事を書くのはなんだがこれはモンクである 勿論真似した訳では無いだろう この時代モンクのように演れるのはモンクしかいなかった アリはそこから半歩Cテイラーへ踏み出している あっそうかハービー・ニコルスがいるか
この録音には形而上学と言う題がついてるが本人がつけたのだろうか?オクラ入りしたのはアリが麻薬で逮捕された為でエバンスとかゲッツみたいに売れっ子なら我慢するが新人なら一発お終い!紛失というのは保管庫が火事になったせいだそうだ それが別の場所からコピーが出て来て50数年ぶりに世にでたわけである
実はこの直後にソロが出てさらに別の録音も発掘された それらが着いたらまとめて次の報告をしよう。
by山の実
B・フリゼール オーケストラズ
ビル・フリゼール関連だとチャンタルアクダとか言うsswの前はこの2枚組になるがBフリはともかくドカドカ仕事する人だからもう何かだしてるかも知れん Bノートからの4枚目でMギブスとのセッション録音でブリッセルフィルとウンブリアJOと言うこれはビッグバンドとの2枚であるがブリッセルPOの方はRガリアーノのコンチェルトを1枚だけ持ってるがウンブリアの方は知らない MギブスとBフリは10年ぐらい前にNDRビッグバンドで演っている 今比べてみたらモニカジェーンしか同じナンバーはないのが少し意外な気がした 似てる記憶だからだがそれはフリゼールが自分の音楽をどこでもちゃんと演ってるからなんだろう それとMギブスのアレンジのせいなのだろうか?と思ってMギブスのレコードをちょっと聞き返してみようかと思った ところがアナログが2枚とCDも2枚しかない MギブスとMウエストブルックを団子にして記憶しているのに今になって気付いた トホホな話だが調べたらウエストブルックはギブスの弟子らしい MギブスにはGエバンス作品集と言うアルバムがあったと思うだが見つからない 多分買わなかったのだろう このディスクの献辞ではカーラ・ブレイの名が挙げられてる
ブリッセルの方の後半でギブスのヒット?ナンバーのスィートレインが入ってる そしてフリゼールのアバンギャルドなリヒターになって最後はフォスターで終わる いつものビルフリ音楽世界である オーケストラに飲まれるところも全全ないのはギターコンチェルトではなくバンドとの競演という形のせいもあるかも知れない
さてウンブリアJOの方だが常設ではなくウンブリアJフェスでのプロジェクトオーケストラで都度色々な企画をやっているようだ ここでは11人だからラージアンサンブルに近い指揮者がアルトSで弦が1人(VC)入ってる ピアノレスでブラスセクションにはホルンやチューバも入ってるからオーケストラぽいサウンドになる こっちのディスクもモニカジェーンに続けてウイシャルオーバーカムで終わる アメリカーナフレーバーなのだろうがコレって日本で当てはめるとコンサートの最後を故郷とか明日がある なんかでしめるみたいな真似なのかなぁ それってジャズにならない気がするがつまりそんなジャズモードのジャズはとうに卒業している訳だろう ここでは今迄のアルバムからの言わばビルフリ名曲集でプレイも如何にも彼の定型的となったので此の後は更なる冒険を試みる事になるのかもしれない
by 山の実
ハリーパーチ夢見人は残る
既存音楽から全くかけ離れて自分で作った音階と自作楽器でアブソルトリーフリーに演ってた人でここまで演るとユニークなのかどうかもわからないので誰も何も言わなくなってしまいました
8月は7枚 最小記録で全部中古盤
1 キュアジャズリユニオン UA他
2 ハリーパーチ夢見人は残る
3 エリックワトソントリオ 疲れた天使
4 ハーディガーディ プロトタイプ
5 ジンジャー・ベイカー 見えざる雨
6 アントニオファラオ テイクオンパゾリーニ
7 V.A.O 芸術と娯楽
3,5,6はピアノトリオ 7がビッグバンド 3,4は所謂現代音楽 1は外
by 山の実
飯森範親JSSO/カンチェリ タンゴの代わりに他
実は今聴いてる音楽の半分以上はクラッシック系で今回紹介するディスクにはジャズの要素はまったくない この所最近はグルジア改めてジョージアの作曲家ギヤカンチュリにはまってるのだが作家本人は数年前に死去したばかりの現代の音楽家で僕が最初に知ったのはユーリ バシュメットのグバイドゥーリナとのカップリンCD(2002年)でのStyx ステュクス(キリスト教版の三途の川)でショックで呆然とした カンチェリを世に広めたのはGクレーメルとECMだ と言う気がするけど違うのかな?
カンチェリよりも少し前に同じ東欧で同世代のアルヴォペルトが現れ人気となったのだが部分的には似た音形を持つ 宗教的神秘主義ロマンチズムで耳障りのよい響きである、ペルトのECM録音ではヒリアードアンサンブルなどにヤンガルバレクやらKジャレットを加える
ところがカンチェリの場合は安楽に聴いてると突然フォルティシモが襲いかかる 社会主義環境での警報ベルの様なタイミングなのだとも言う? 破断される前の和声や音型も比べてみると少し貧相な音数で短く切れぎれで楽器の構成も妙な形に構成されてる ボーイソプラノやらEベースギター オルガンのテープ等も使用されるがアコーディオンなんかも多い
さて飯森それは無理ですよ範親マエストロの日本センチュリー交響楽団盤は丸山奏のビオラと京都バッハ合唱団の大コーラスを伴う ステュクス とクレーメルのピアソラ集のために作った小品 タンゴの代わりに のオーケストラ版他の3曲である 僕は兎にも角にも日本のオーケストラがカンチェリを演った事が嬉しい 札響もやってくれないかなぁ 武満の小品ばかりでなく…偶然武満の名が出たが先にECMも有った カンチェリの音楽の特徴的な点のひとつに沈黙の扱いがある 音色の出現に先立つ神秘的な沈黙 という言葉遣いをしているらしい 時にあれぇCD止まちゃったのかなぁと思ってしまう瞬間がある がヴォリュームを上げると次にドッカンと来る 耳とオーディオに良くない 音楽と対比されるてるのは沈黙ではなく間なのであるというの事がわかりやすいといえば言えるのかなぁと音楽論的にはケージ流の音の無い人的空間はないと考えるノイズ派は思ったりもした
世の中には断片的思考とも言うべきものが存在しているしかもその断片性は必ずしも未完もしくは不具である事を意味せず断片相互の組み合わせや対応から汲めどもつきぬ無限の構造を生成させるものなのだ。種村季弘
by 山の実
マデリン・ペルー「 歩き出そう」
待望のMペルーの10枚目 6年ぶりのlet’swalk である 6月28日発売だったのが予約をドジって2週間遅れになってしまった 一曲目であの声&歌唱が流れて来るとちょっと大袈裟だが生きてて良かったと思ってしまうのだからしょうがない とは言ってもラリークラインを再投させた前作もインパルスに移籍した前前作もモヒトツだと思ってしまっていた 6年のインターバルはコロナのせいだとレコード会社は説明するがバンドのギタリストと組んだソングライティングによる全曲オリジナルは成功していると思う 21世紀のビリーホリデイと言うキャッチフレーズは今度ののアルバムでも付いてまわってるが(多分一生ついてまわるだろう)このアルバムではもひとつのコピーのポストジョニ・ミッチェルがあってるかもしれない ポップやラテンリズムのナンバーも悪くない フレンチシンギングもいつもの有名スタンダードからオリジナルになって新鮮だ 仏語はともかく内容がある様な詩が聴き取れないので歌詞カードが有ればなぁーと思う…
BY 山の実
宮沢昭「Sea horse」
Chan G good
6月18日発売だが新譜でなく92年に浅川マキプロジュースの3枚のうちの1枚で渋谷毅とのデュオである LP時代でもないと思うがなんと32分 宮沢は再評価されてるのでも無いと思うが去年SEAHORSEも再発された それは89年のライブでほとんどがスタンダードでコレは全部オリジナルである 某ジャズカフェのマスターは最近聴いた中では一番良いと言うので32年前のがいいんじゃなあ…と嘆息した しかし最近新譜を出したCロイドは86でロスコー・ミッチェルは84なのだ ちゃんGならでは音楽世界というのもございます✨ さて、宮沢昭はこのとき65でむしろ最盛期の音でこの頃の録音が少ないのは残念であるが彼はまぁいつの時代のも少ないが.
同時に再発の植松孝もとてもgoodなので必聴です!
by 山の実
ロンマイルス[old main chapel]
2020年ロンマイルスはブルーノートでのデビューアルバムをリリースしビレッジヴァンガードにも初出演した ロンがNYCで活動していたらもっと早くに皆に評価されてたのだが…とBフリゼールが語ってた ブルーノートに紹介したのもビルである ロンは育ったコロラドのデンバーを愛していてオールドメインチャペル(彼が教えてた学校のホール)をカーネギーホールよりもずっと気に入ってた ブルーノートでの次作も決まってたが22年に難病で58才で逝去した 結局2作目となったのは12年前のライブである
バンドはいつものトリオでGがビルフリdsはブライアンブレイドのベースレスでロンのほとんどのアルバムはこのバンドでPにジェイソン・モランcbはTモーガンが加わるクインテットがもう一つの組み合わせになる アイアムザマンやレインボーサイン(BN)など ちなみにOMCライブはクウィバーのレコーディングの時のものでそのアルバムは7月頭頃に廉価盤で再発売になる
さてロンマイルスの音楽に関してだが僕は3枚しか持ってない つまり大ファンではなくなんだかピンと来ないでいた フリゼール絡みで知ったが彼のバンドのメンバーでも入っていたし今調べたらなんとジンジャーベイカーのラストアルバムにも入っていた つまり目立つソロイストではないのだ リーダーアルバムは10枚ぐらいだろう スタートの頃はレスター・ボウイやOコールマンのレッスンを受けてたと言うが今の彼のプレイにはそんな要素はほとんどないような気がする バップ以前のトラディショナルジャズの要素もあるといえばあるのだが良く言えば彼の音楽に溶け込んでる
ほとんどの曲はミディアムスローのテンポで曲調も似ている 音色はジェントルで背景に時代や様式のカラーが無い 此れは現在でなくひと昔前から流れて来てる音なのだと思って聴いてるうちにSF的に不思議な錯覚に襲われてしまった 彼は生きているように振る舞えるのだ もちろん今までそんな事は無い なんだか化けて出て来られた様な気分にもなった Amen!
by 山の実
思い出のロ〜マ音泉
新譜ジャーナイ
isso&bassのライブで黒メタルwith一噌のCDを買って聴いたら耳鳴りがして病院に行ったら治療に数ケ月かかると言われた
それで記憶の旅を考えた次第 BシュミットのJ.V.Cの後2015のホットクラブジャズへ戻って聴き返した 副題がジャンゴを追って で雀ゴのオリジナルやレパートリーのスタンダードが並んでる 勿論悪く無いのだが誰のディスクを聴いてるのかわからなくなって来る つまりホットクラブタイプのバンドは特に欧州では今だに根強くホットクラブオブデンマークとかダブリンとかノルウェーとか デトロイトとか(勿論ジャパンも)ある まだ続いてるかはわからないが それらを聴き分けるほどの能力が無い
ディクヌ シュネーベルガー トリオは若いリードギター(もち名人)でベースが父親でリズムギターも年配の 現在盛んに活躍中のバンドでディスクも何枚か出ているみたいだ 同じウィーンなのでシュミットとも演るようになったようだがユーチューブではさらにゲストでビレリラグレーンが参加したセッションが出ていた ラグレーンは初期のシュミットのディスクのギターだ ラグレーンが来日をドタキャンした時にディクヌが代理で来たと言う因縁もあるそうだ
ラグレーンのジプシープロジェクトは2000年初めぐらいでオリジナル五重奏と同じ編成でゲストでリシャールガリアーノが参加してた
でも一番気に入っていたのはやっぱりマーティンテイラーのスピリットオブジャンゴでホットクラブの音楽をなぞるのではなくアコーディオンやサックスがレギュラーメンバーでラッパや歌の入るナンバーが混ざるとか音楽性が多彩でしかもそれら全体でロマ音楽の雰囲気を漂わせる ゲストでグラッペリが参加しててbravo once again martin!と褒めてた 90年代の中頃でその15年後に オートビィル行き最終列車 を出してる スピリットオブジャンゴシリーズはその間や後にもあるらしいが詳しくはわからない 今調べたらなんと最終列車は94年の前作の再発売(つまり15年1日なのだ…)で他にもジプシーというタイトルのライブ盤やその他があるらしい
ラグレーンはロマでテイラーもその血統らしい(96年のロン毛のジャケ写真なんかそれっぽい)がイギリス紳士の雰囲気も濃い PメセニーやらCアトキンスやらから現代最高のギタリストと言われてるそうで非ジャンゴ系のジャズアルバムも多く出してる ジョーパス系なのかな? そう言えばジョー・パスにもジャンゴというタイトルのアルバムが有った気がするが聴いて無い MJQのもエリントンとジャンゴの共演盤も聴いてない ちょっと不勉強すぎるがその辺は吉田さん達に聞いてください そう言えばWムースピール(ウィーン出のギタリスト)の 河の流れて行く処 と言うアルバム(ブラッドメルドートリオ+アキンムシーレのクインテット2018)の中にフォージャンゴと言うナンバーがあった
最近ユーチューブにマーティンとナンドラインハルトのデュオがでてた ジャンゴの親戚やら遠戚は沢山今までも現れているがナンドは30ちょっとでディクヌよりもさらに若い 勿論上手い(皆上手いんですが) マーティンの゙お墨付きを手にしたら群れから抜け出して来るかも知れない 後はグラッペリの子孫を探すだけである
考えてみるとグラッペリはJ.Rの倍以上生き3倍の演奏時間を持ったわけでGシェアリングからMタイナーやらPウッズ ラリー・コリエル Gバートン Sレイシーetcと共演している相手も50人ぐらいいるんじゃないかな アルバムも100枚ぐらいはあるだろう 今そのS.Gのウィズストリングを聴いてるのだが最も力の抜けたスイング音楽だろうと思う リラックス力で比するのは他にはハワイアンぐらいかな 勿論ただのラウンジミュージックとかアンビエントとは違って飽きさせないが聴く姿勢に無理が要らない。しかしながら聴こうしなくても良い音楽と言うのはとても褒め言葉には聞こえ無いなぁ…これもモダンジャズ(ポスト・バップ)世代の大きな勘違いの一つなのかも知れない!?
by 山の実
「ジャズバイオリン協奏曲集 」ベンヤミン・シュミッド
協奏曲集の後に オーストリア製 という但し書きも付いてる様に作曲家3人とバイオリニストはウィーン人である シュミッドは55歳の超一流のコンサートソロイストでレパートリーも広く年間100〜200ステージをこなしている ディスクも50枚以上出てるし受賞歴も華々しい 共演した指揮者も小澤とウィーンフィル、ゲルギレフとサンクトペテルブルクフィルetc… しかしベニーシュミットは17歳の時メニューインコンクールのジャズ&インプロヴィゼーション部門で一位になってグラッペリ本人から賞を授与されて彼のツアーに同行するところから始まったのだ 副賞でグラッペリのバイオリンも貰ったはずだが今は1731年のストラビが愛器である
雀100まで踊り忘れずじゃないが彼は折折にジャズアルバムを出してる 僕の持ってるだけでも グラッペリに捧ぐ ・フリッツからジャンゴまで ・ ホットクラブジャズ ・ストラディフンパ・というよくわからないタイトルのチューバとのデュオ(実は中味もよくわからない)の4枚がある そしてこの2023年新譜である 5,6年の間があったからもうクラッシックに専念するのかと思ってたが やっぱ雀百まで…らしい
1曲目のHベルガーはベニと同い年ぐらいの作曲家でとてもウィーン的に僕は感じたがザルツブルクやパリやアフリカのどっかなどのアチコチの大都市がテーマらしい メトロポリタン組曲
2曲目はやっぱり出て来たウィーン名物のG氏で 翼 べニも最後でインプロ演りまくる 3番目はベニよりもぐっと若い女性作曲家Sハンク(ジャズピアニストらしい?)の見棄てられた天使への3つの悲歌 でグルダ死後8年と10年に シュミッド グルダ&ハンクをひく というコンサートをやったそうだ このコンチェルトにはドラムスが加わってる 委嘱したのはベニ本人で半年徹夜して作曲したとか言ってる
グルダの翼は76年初演で30年後にシュミットで再演になったCDがある、どうもその後彼はこの曲を持ちネタにしたようだ グルダの人気曲のチェロコンチェルトのバイオリン版の宣伝でそう語ってた 45年前彼の家族にはグルダは守り神のような存在だったとも語ってた シュミットは今年は来日しているがジャズプロジェクトも演ったらしい。
by山の実
閑話休題 新譜その他
4月はCDを30セット買ってしまったのだけどいつもそのぐらいではなく3月は15セットぐらいだった 今チェックしたら今月新譜は8枚だけでこのコーナーで紹介した以外はBフリゼールのオーケストラズ Mハルボーソンのクラウドワード F・ハーシュの 沈黙(を)聴きながら が残る それらについても書こうとして待てよと思った 3月をチェックしたら此処で紹介した3枚だけなのである 5月は10セット以下にしようと言う野望?を持ってるのでそうなると新譜は0になるかも知れない 閑話休題とした次第である。 ちなみに2月もチェックしたら26枚でなんとジャズの新譜はHスレッギル(2種類)だけだった
確かに僕は忘れかけられた中古盤を見つけるのに多幸感を得てるには違わないが勿論それ自体が目的ではない いったい何を探しているのだろう? それで
今月良いと思った非新作(ジャズ)
・マイケルラビノヴィッチ バスーンオンファイヤー・
カポーク 平面界・
デイブダグラス 千の夕べ・
モスクワアートトリオ プレーヤー・
選外はJDJのSエデション4枚組CDでアナログで3枚目までしか持ってないので買ったのだが聴いてみたらアレ?となってチェックしたらCDで買ってた ボーナストラックもないし…
しかし気付いたのは何年もかかった連作なのでとうして聴く事がなかったのでわからなかったのだが此の様なプロジェクト物は一番最初がベストで段々飽きて来るのが常なのにスペシャルエディションは段々佳くなる やっぱりデジョネットは凄い音楽家だなあと思った。
BY山の実
[A love sonnet for Billie Holiday]
間違ってるかも知れないがジャズが滅んでもビリーホリデイは生き残ると思う。
Bホリデイ氏は彼女の時代ジャズとかブルースと呼ばれるジャンルの歌手として活動するしかなかったのです。 とか未来のテキストに書かれるかも知れない…
Bホリデイのイミテーターがほとんどいないのは技術的な事では無くキャクターの問題の為だろうという気がする。そう言えばマデリンペルーは21世紀のBホリデイというキャチコピーがつかわれた事があった。だがもう5,6年アルバムが出てない…。とか思ってたら今年の6月には新譜が出るらしい。 さらにはビリーホリデイの伝記的映画も公開される(札幌でかかるかなあ? 駄目らしいのでDVDかぁ)ビリーのディスクはLP,CD,ボックスセットやらでまとまってないのだがその他全てのジャズメン達と違ってディスコグラフィーで追って勉強しようという気にならない、極端な話1枚を繰り返し聴いてるだけでも良い様な気がする時もある、ホントは
気がするだけ…
そして今回のディスクであるが2009年発売のBホリデイ+Lヤング ミュージカルロマンス という編集アルバムである。新品1592円 キャッチコピーが ジャズ愛好家の夢がかなった!
30年代末がほとんどでラストだけMウォルドロンバンドのバックで50年代末。 そんなわけで本日の新譜紹介は ワダダレオスミスのトリオ(3人連名)による ラブソネットフォービリーホリデイ トリオはデジョネットとPでヴィジェイ・アイヤー(最近ECMからディスクが色々出てるインド系ニューヨーカー)である Wレオスミスはもう80に近いけど今ガンガン活動中でダウンビートの投票でアキンムシーレに勝って一位になったりピュリッツァー賞のファイナリストになったりしてる 僕の印象に残ってる最近のアルバムはAシリル(リーダー)とBフリゼールとのトリオでこれもECMだった
ビリーホリデイの音楽を取り上げたジャズメンはチェットベイカーぐらいしか知らないのでどんなスタンスになるのだろうと思ってた レオスミスは よおマイルス と言うタイトルのとても面白いマイルス集を2セット2000年あたりに作ってたがそれが頭にあった、え~と今調べたら2010にも3枚目を出してる 多分彼のディスクの中ではヒット作なのかも知れない レオスミスはマイルスよりもずっと良い音でソノリティではむしろレスター・ボウイに近い クリエイティブな仕事量も圧倒的でとてもついていけない このアルバムと同時にグレートレイククォテットで4枚組を出してる JDJの一つ上で83なのだから恐れ入る ボブマーリーと同じラスタファリアンである(マルWも) AACMのオリジナルメンバー(JDJも)でもある。
オープニングナンバー がビリーホリデイ,愛のソネット でドラムソロから始まるバラードだがアルバム全体はAブラクストンのファーストに紐づられてる スミス自身がそのメンバーのひとりだった 2曲目は深き時№1と言うタイトルだが頭でゴモゴモと朗読がかぶさる それはマルコムXの演説で いかなる手段でも かららしい つまりビリーホリデイはルーツでGBM (偉大な黒人音楽) の歴史が描かれJDJの世界和解の歌に至る ラストは三人による短い ロケット 🚀で飛んでいく。
by山の実
ジョエル・ハリソン「 アンセムオブユニティ」
Jハリソンは🇺🇸の🎸で僕はCDを2枚だけ持っている、2011のポール・モシアンの音楽と15のクインテットによるスピリットハウスだが2枚共!!!のジャズアルバムである しかしJH氏はジミヘンとビートルズがインフルエンスと言う人で色々なアイデアで色々なアルバムを沢山作ッテルようだ 一番アレアレなのがハリソンオンハリソンとか言うジョージハリソン曲集で、他にもフリーカントリー(オヤオヤ)と名付けたシリーズは第三集でノラジョーンズにテネシーワルツを歌わせたりしてる…
このアルバムを買ったのはJDJ目当てでバイヤドールあたりから聴きかえしていたせいだった 要するにオルガンジャズであるが初めてやってみたそうでタイトルナンバーはレコーデングの前の日に作ったとか本人がライナーに書いてる ノーオーバーダブの一丁上がりのレコードである それも本人が認めてる、blowing sessionと、 このCDの価値は偉大な伝説的ドラマーのJDJの参加とカバーの2曲だと本人ライナーにある(ヤレヤレ) 確かに風に吹かれてはちょっと面白い この人はフュージョン化しないのだ ナンダカンダ言ってるが実のところそんなに悪く無い が言葉を返せば良くも無い そう言うのを凡作と言うのだろう。
山の実
Wギャリソン「オデッセウス幻想曲」,Gマレ「ライブインディナン」
ウィリアム ギャリソンとグレゴア マレは現在ジャズハーモニカの2大マエストロで新作をまとめて紹介する
先ずギャリソンのの方のアルバムだが詳しくは クロマティックハーモニカ,ジャズトリオ,弦楽合奏とハープのための幻想曲と言うタイトルである 作曲はカリムモーリスと言うフランスのピアニストでギャリソンはソリストと言う事になる、ピアノやハープ等がソロをとる場もあるが基本的にハーモニカコンチェルトでこの組曲は進行していく 最初は映画音楽みたいだと思ったのは音楽の動きが凡庸な時の感想なのだが聴き進むうちに結構聴けるかなと思いだした、ハーモニカを加えたアンサンブルが良い ちょっとワンパターンだが. 構成もサードストリーム(死語?)ぽくならずジャズ語的に展開する とか言うのはKモーリスへの評価、でWギャリソンだが先に知らない人ののために少しだけトリビアすると80年代末に オーバージョイドでデビュー 僕はアナログLPで買った 次のコーリングユーがヒット 映画バグダッドカフェのテーマソングだ、しばらく経ってからマイナーレーベルから ミッドナイトサンと言うタイトルのアルバムが出るが僕は一番の傑作だと今だに思ってる ライブ感のあるジャズなのだ、しかしシールマンスにお墨付きを貰ったプレーヤーの彼はポップス界でサイドメンの仕事が多い 僕が持ってるのはペギー・リーやJ・サイデルなんかの女性シンガーとのアルバムでその中ではMペルーとのアルバムが良い!
Gマレはギャリソンよりも18才年下だから一世代近く離れてるが彼のデビューアルバムでは一曲でシールマンスが参加してる というのは2人ともベルギー人なのだ、このアルバムのジャズステーションビッグバンドもベルギーである。ディナンは古来から歴史のある都市で出身者にはあのアドルフサックスなんかがいる、JSBBとマレは何度かディナンジャズフェスでも共演してるらしい JSBBばオーソドッグスで有能なビッグバンドで頭から快調にアップテンポで飛ばして行く バンマスのオリジナルが3曲マレが2曲で2人がアレンジしたシールマンスナンバーが1曲含まれる ハーモニカプレイ的にはマレのオリジナルでミディアムスローナンバーの 5月27日が聴き応えがある.アップテンポのナンバーではサックスかギターの様だったのがハーモニカ特有の香りとなる、GマレはやっぱりPメセニーのバンドに参加して名が知られだしたのだろうが僕は知らないのですねこれが…、持っているのは最初のリーダーアルバムそれからハープのEカスタネダと共演したハープvsハープ、フリゼール等とトリオの アメリカーナ 後は小曽根のショパンアルバムやチャックオーエンのビッグバンドぐらいだ
ハーモニカの音楽が好きでラリーアドラーやトミーライリー、崎元譲なんか聴き続けて何処が良いのだろう?と思ったのだがフリーリード特有の音色と発声?じゃないかと思い始めたバンドネオンやアコーディオンそれから笙もフェイバリットである
それら音楽へのセンチメンタル、ノスタルジック、ロマンチック等の形容も共通してるケースも多い付け加えるとミステリアスとスペーシイかな ギャリソンとマレを比較しての評をしようと思ってたがそこまでたどり着がなかった。
by 山の実
Jロバーノ&Dダグラス「サウンドプリンツ アナザーワールド」
daveダグラスは超多作で多分50~60枚ぐらいリリースしてるじゃないかな?大友良英によると一番はJゾーンで100枚以上らしい、そう言えばダグラスは90年代にゾーンと演ってた、旧マサダQのメンバーだったじゃなかったかな? ダグラスのアルバムは多方向に展開していて歌が入っている物やブラスアンサンブルや古楽の要素がある物やアメリカーナ系etc…サウンドプリンツはストレートアヘッドな二管編成ジャズで実はダグラスはずっとこの形のバンドも時々続けている、ピアノがエレピになったりDJが入ってりするが, サウンドプリンツはウェインショータートリビュートでスタートして3枚目らしい、僕は前2作は聴いてない。完全な双頭バンドで作曲も半々であるがサイドメンはダグラスの人脈である
音楽はわかり易い定形だがわからないのはアルバムジャケットのアニメ風の漫画で大魔神風のロボットとバンドメンバーが描かれてるのでサントラ盤かな?とか思った、曲のタイトルもストーリーが透けているが音楽が全然SF的でも無いし??なのだ。
今気付いたのだがダグラスのデビューアルバムだがパラレルワールドと言うタイトルなのだ、92年ぐらいでライナーをガンサー・シュラーが書いてた 憶えているのは「最近レコード会社はサードストリームをワールドミュージックと言うようになった」と言うところだけだが、そう言えばダグラスの別のアルバムでもEプロヂューサーでシュラーの名を見た気がする.実はパラレルワールドはジャケ買いしたのだがアナザーワールドなら買わないなぁー。
デイブダグラスの中で好きなアルバムは沢山あるがモザイクセクステットとかスピリットムーブスなんかが面白かったなあ、10枚ぐらいは持っているがいまだに中古で漁って楽しんで聞く事ができる普遍性があるという事だ
by 山の実
「道場 弐の巻」 本田珠也 八木美知依
八木美知依はJゾーンの所から現れた強者箏奏手でエリオットシャープやH.カイザーなどアルバムを作ってるが珠也選手と演ってるのは知らなかった、ライナーで珠也がブロッツマンともやってると知りへぇ~と思った、つまり彼は良いドラマーだがネイティブサンやプラネットXだからと言う先入観でフリー系とは別の文脈だと思ってたのだ。青春10に富樫さんが出て来てなるほどと思った。
実は僕は日本音楽集団(グループ名)とかの邦楽器で西洋音楽を演奏して奏している物も前から好きで野坂恵子が20弦とか25弦で伊福部昭を弾いたCDを愛聴していたが〝煩象〟の如くウルサイ珠也ドラムスと対峙出来るエレキ琴にはびっくりした。道場壱をLBで買って気に入って弐も注文してしまった
dojoの主眼は巨大化した蟻と暴れ象との戦いのような2人の絡みだが更に美味しいのはやはり道場破りとのセッションで壱ならNPモルヴェルのクールなtpで弐ではvn太田as坂田となる、太田は同じストリングスだからバンドのサウンドに溶け込むがモルヴェルは異化作用をもたらす、に対して坂田明はバックバンドにしてしまった。
弐はオーバーダブやループを使ってて頭からグローブユニティ風の音と言うよりはプログレサウンドみたいな感じで始まり,ラストは本当にプログレロックになってしまった。道場の参はあるのだろうか?なんだかないような気がする。
pagolibre「 mountain songline」
前回のポルタルはまったく 新譜ではなかったのですがアキンムシーレがらみで思い出して紹介したくなったポリフリーのラスボスファイト盤だと思う。
今回は新譜に戻りパゴリブレの30周年記念盤 山の歌線 である。パゴリブレを知らない方もいるかも知れないが現役バリバリの重要なユーロジャズバンドで21世紀のウェザーリポートとも言われてるらしい。ユーチューブにもいくつも画像がアップされてるし配信でも色々聴ける。 30年で10数枚のアルバムを出してるらしいが僕は数枚だけでしかもそれらはみな15〜20年ぐらい前の物で、要するに久しぶりなのですね、僕が手にしたのは
バンドは4人組でpのJWブレナンがリーダーでつまりジョー・ザビヌルにあたる、Vn,Cb(二人は代わってる)そしてhrnがアルケジーシクロッペリでWRならウェインショーターにあたる? ドラムレスで長い間続けてるというのも珍しいが企画物アルバムではドラムが入っているのもある.実はこの直後に関連盤があって ダダの場所 というdsとvocを加えたセクステットでオリジナルダダのハンス・アルプなどの詩を乗っけたアルバムを出してるらしい .というのは注文してるがまだ届いてない.WRと比べての大きな違いはエレクトリック楽器をまったく使わない点だろう、音としては現代音楽的室内楽と彼等がいうところインチキ民俗音楽(フェイクフォーク)のニュアンスが入っている、メンバーはヨーロッパ各地から集まっていてロシア、アイスランド、ウィーン、スイス等でこのアルバムではスイスフォークが関連してヨーデル歌手が一曲に入ってシクロッペリはアルプホルンを吹いてる.(そう言えばダダもチューリッヒか!)シクロッペリはバンドの中では一番名が知られているミュージッシャンでミッシャ アルペリンとのアルバムやソロアルバムも日本盤が出ていたロシア出身のヴィルトゥオーソでバンドとは別にリーダーアルバムを色々出してる
ところでパゴリブレは今年新作を出してるがそれは1990のデビューアルバムの再発でブレナンがシクロッペリと出会う前の物である。
by 山の実
「BAI”LDOR」Michel Portal
ミッシェルポルタルの新譜はブラームスで彼は今年89になります。ロルフ・キューンがラストアルバムの「黄と青」をだしたのが88の時だったがポルタルがジャズアルバムをだしたのはmp85
が一番新しいレコードになる。もちろん85歳の時のアルバムだ。さて今回取り上げるのはその10年前の「bailador」バイラドールはフラメンコダンサーみたいなちょっと違うようなヤツ (知らんけど)
キーパーソンはbojan Zと言うピアノ&キーボードでmp85と同じである。mp85でのtbに対してこっちではアキンムシーレのtpそれとライオネルロルケのgが半分のナンバーで入っている。この二人がパリにNYCブラックのブルーノートを持ち込む。それからやっぱりデジョネットは良いですね!(一曲だけ彼のオリジナルも入っている。)ポルタルのキャリアの中でもピークかも知れないとかいてて75歳でもこんなにカッコいいなんてなにかの間違えじゃなかろうかと思った。
by 山の実
ヴィレッジゲイトの夕 JCwithED
買ってはいけない!犯罪的商品!聴こえるのはドラムばかりフルートやソプラノが高音に振れた時はいいが中、低音では遠く、ピアノはかすかにピアニカだかエレクトーンだかわからない程度に鳴ってる、ベースはまったく聴こえない。日本でのみコレをSACDでだしたのだ!ジャズマニアはジャズの敵である。それはクラッシックでも同じであると前にある指揮者から聞いた事がある。いわゆる贔屓の引き倒し と言うやつだ。
そもそもこんなアルバムに手を出すべきではなかったのだと反省してる。私は青春の13にもJCwithEDのヴィレッジヴァンガードライブをいれてる。you can’t go home again と言う訳だろう。昔海賊盤でドルフィーのガスライトライブを買った、ドルフィーがレフトアローンをやってるのだがピアノが何故かマルでなくハービーHだった、感想の記憶はひどい音だったがコレとドッチが悪いだろう?もちろんLPを引っ張り出して聴き比べなんか絶対にするもんか。
実は一曲目マイフェバリットシングスしか聴かないでコレを書いてる、二曲目の「灯りを儚くして」以降を聴きたい人がいらっしゃれば半額の1980円でお譲りしますのでご連絡を!
by 山の実
「梟の唄」アンブローズ・アキンムシーレ
アキンムシーレはモンク(今はハンコック)コンペティションの2007年の優勝者として出て来た。モンクコンペティションはショパンコンクールより難しいとも言われてる、年齢制限が30以下なのに同じ楽器は8年に1度しか行なわれない、アキンムシーレは18才(高校生)でSコールマンのバンドでデビューしてから7年後だから新人と言うわけではない。同じ年に別のコンクールでも1位になって、注目の人となる。その後ブルーノートからだしたアルバム達が評価され遂に21年にはグラミー賞を取りおしもおされもされない存在となるわけだが僕はWムシューピルとかMポルタルのバンドのメンバーとして聴いてエラクカッコいいなあ、と思ってた。それからアキンムシーレは何とトランペットソロのアルバム「美しいが全て」
を作る。ピアノやギターなら少なくないしサックスやベースもあったがトランペットはちょっと知らない。さて次の一手はと思っていたところノンサッチに移籍してギターとドラムとのトリオのこのアルバムをだした。本人はビルフリゼールと演りたかったと言ってる
。そう言えばフリゼールの新作もベースレスの変則グループだった…。
カッコいいとかヒップだ!というだけじゃしょがないのでアキンムシーレの音について考えて見ると現代的ブラックネスの音響
がまず聴こえるがもう少し詳しく言うとまず現代は現代音楽的なのでなかろうか?
そう言えば
アキンムシーレが参加してたグループを思い出したMハルボーソンのコードガールである。メアリーの先生はAブラクストンでアキンムシーレはSコールマンなのである この辺は現代ジャズ音楽学校事情的話なのかな。ブラックネスの方はヒップホップ文化にも直接絡む所もあるだろうがアキンムシーレという芸名のようにアフロ志向があるだろう、ナイジェリアか何処かにルーツがあるとか…。まぁイマジネーションの問題だろう。
アキンムシーレもハルボーソンもダウンビートの人気投票で何年も一番だそうで確実に新しい質感を持ったジャズが展開してるのは嬉しい限りである。
BY 山の実
Clique Patrica Barber
?パトリシアバーバーを知らない日本ジャズファンには紹介したいと思っていたというのは嘘じゃない。というか彼女がどのくらい人気があるのかないのかピンときてないのだ。もちろんパトリシアの熱心なファンは沢山いる、特に非ジャズファンにも多いような気がする。もちろん彼女は100パーのジャズアーチストである。シンガーソングライターピアニストで34年前に邦題マイガールというアルバムでデビューした。この2021年の今のところの最新作までに10枚ぐらいのペースでまぁ多いとはいえないがほとんどが傑作と言って良い。そしてクオリティは上がり続けている。クリック!は2枚目のスタンダード集で2000年にナイトクラブというアルバムがブルーノートにある。それは全スタンダード集だったがこのディスクにはオリジナルとモンクのインストナンバーが2曲入っている。このディスクは前のアルバムが全オリジナルだったのでそのアンコールとして同時に録音されたのではないかという気がする。つまりパトリシアバーバーは先ずはコンポーザーピアニストで歌も上手いという人なのでなかろうか?
たとえばチェットベーカーとか…
実は僕はエラサラカーメン系のジャズボーカルが苦手なのだ。これはその対極にあるものだろう。作曲家で演奏家による歌だ。クール(カッコいい)でディープ(音楽性が深い)で声質はシルキーでピアノと選曲はヒップだ。このディスクのラストにスティービィワンダーがあるようにジャズスタンダードにポップヒットを加えるのもパトリシアのスタイルになっいる。
今チェックしてみたらパトリシアバーバーはシカゴ(地元)やヨーロッパでは結構人気があるみたいです。
by 山の実
Rガリアーノ ニューヨークタンゴトリオ2022
プロローグ
新コーナーの増設である。諸般の事情で新譜をほとんど買わなくなってしまった。時々このコーナーを担当してくれる山本さんから借りて浦島太郎にならないようにしてる。音楽の店を経営するものとしては肩身が狭い。時々ハッとするようなアルバムがある。それではいっそのこと常連山本さんに新譜を紹介してもらおうということになった。レコードコレクターの宿命として時々ひどいバッタ物をつかまされることがある。groovy時代山本さんとどちらがひどいアルバムを持っているかでくだらないレコード聴き合ったことがある。ここではそういった類のアルバムは遠慮してもらうことにしているが時々劇薬が含まれているかもしれないことを予め告知しておく。初心者は牛さんのディスクレビューを参照したほうが良いかもしれない。ちなみに山本さんはlazyを作ってくれた方である
master’S comment notice
ガリアーノは多作な人で僕は20枚ぐらいしか持ってないがたぶんその倍以上は出してると思われる。この後にもオーケストラとバッハやモーツァルトを演った23年のディスクがあるらしい。彼が多作なのはその音楽性の広さのためでメインはミゼットなのだろうがニーノ・ロータやミッシェルルグラン、バッハやビバルディなどのバロックさらにソロからビックバンドまでのさまざまスタイルで演れる。ジャズだけでもチャーリーヘイデン、チェットベーカー、ミッシェルポルタル、マルサリスやら寺井尚子までなんでもござれである。しかし皆が知るように最も重要なキーパーソンはピアソラである。ピアソラは生前ガリアーノに自分がタンゴでやった事を君はミゼットでやらねばならないといってたそうだ。ガリアーノはピアソラとデュオで2枚ディスクを出してる、ピアソラの死後も何度もピアソラ作品集を録音している。
このディスクでもピアソラとオリジナルが交互に演奏されて進んでいく。スタートは96年のニューヨークタンゴと同じく 南に帰る で始まる。ところでオリジナルのニューヨークタンゴはトリオではなくAフォスター、Gムラーツ、Bラグレーン、の4人である。その10年後、ガリアーノはニューヨークトリオを作る タンゴ抜きのジャズを演るバンドである。そこからはサティとニッキーのワルツがこのディスクには入っている。
ガリアーノのタンゴはアルゼンチンタンゴのようなリズムのキレがなくワルツのように流れる、そして音のインナーボイスの動きがジャズ的である。
新トリオはドラムレスでベースとギターだがギターがチェロに持ち替えるのがバンドの音楽性を広げてる。しかしながらガリアーノの第一の魅力はなんだろうと考えるとちょっとなんだけどセンチメンタルな美しさでピアソラとも共通してる気がする。