As time goes by日記 5月29日

学生が生きていかなければならない今後の日本の事をそして何より学生自身の事を心配している。北大のjazz研の部員の生活から推測するので針穴から見た画像のように多少歪んでいるかもしれない。まず金のない学生が多い。複数のバイトをこなす学生も多い。電気とガスが止まって蠟燭をともして勉強しているという話も聞いた。まずこの物価高だ。学生でなくとも苦しい。仕送りが減ったという話も聞く。弟妹が大学に入ると二人分の学費生活費を捻出するのは親にとっても大変だ。今の大学生に親は50代位である。就職氷河期に社会人になった世代のはずだ。非正規雇用の多い中ある意味では成功者に区分される階層ではある。今の国立大の授業料は54万、入学金は28万である。入学時この金額を支払えるシングルマザーの家庭は中々いない。よって進路に親の意見が入る。僕らの時代は学費4万、もう少し前の団塊の世代は1万である。時代は高度成長時代、親に助けてもらわなくともアルバイトをしながら東京で一人暮らしができた時代である。有り余った時間をヘルメットを被り学生運動に費やすこともできたし、企業も其れくらい元気が有ったほうが良い・・と言ってそういう学生も採用してくれた。経済成長率は7%、政治的には喧騒な時代であったが演劇、舞踏、音楽、文学の各ジャンルで素晴らしいカウンターカルチャーが生まれた。政府は若者に時間と金を与えるとろくなことをしないと言う事で学費を上げた。大学への補助金はどんどん減らされ産業界の金が注入されるようになっていった。当然産業界の意向が教育にも反映されていく。大学生活の半分を就活に費やし即戦力としての能力を求められる。一部文系の知識は低く見積もられその分野の研究は衰退していく。学生は所属するいくつかの共同体、平たく言えば生簀の仲での立ち位置、序列を気にして生きるようになる。学生たちから政治の話を聴くことはまずない。諍いになることは意図的に避けているように感ずる。日本学術会議の任命問題に限らず学問の世界に政府の圧力が掛かりつつある。沖縄にミサイルが配備され情報産業で世界に後れを取った日本は取りあえず軍需産業で一儲けしようと目論んでいる。その研究に大学を噛ませようとしている。バラバラに見える諸現象がつながるときはもう手遅れである。日本は本当に貧相な国になった。