接待

トランプ大統領の一日目の日程は「観光旅行」とワシントンポストでは揶揄されていた。ゴルフして相撲見て炉端焼きに連れて行って・・・・・・強力なスライストーンのようなバックビートだらけの「おもてなし」であった。接待はビジネス上、下心があってするものである。安倍総理は何を見返りを狙っているのだろうか。強固な日米関係を強調するだけで外交上は何一つ成果を出していない。日米FTA合意が参院選後だという。 特に農業や牛肉の分野で貿易交渉がしているとトランプ大統領のツイッターで暴露された。日本がどう譲歩したかひた隠しにしている。
目隠しされたまま選挙になるのは一国民として納得できない。
忘れたはならないのが今は国会会期中だという事である。与党の予算委審議拒否は90日となる。
誤解がありそうなので記しておく。
国会の委員会における『野党の審議拒否』の理由は、
「もっと議論が必要だ。すぐに採決しないで!」なのである。
一方、国会の委員会における『与党の開催拒否』の理由は、
「議論なんて不要だ。問題点は指摘されたくない!」なのである。
ほとんど無意味な接待やら芸能人との会食に現を抜かす安倍総理は職場放棄と言うにふさわしい。

ソマリランド

一応国の名前としておく。そんな国あったかなと思うはずである。ソマリア連邦共和国の一地域名と言うのが正しい呼び方である。ソマリアは血で血を洗うような内戦が長く続き国内は無政府状態で都市部は瓦礫の山である。朱にソマリヤ赤くなるとい諺の由来の国としても有名だ。
ソマリランドはイギリスの植民地であったが半砂漠の地域で緑もねえ、資源もねえ、テレビもねえ、そんな村やーだという事で吉幾三のようにイギリスは逃げ出し管理はインドの総督府がやっていた。ソマリアはイタリアの植民地であった。ソマリアのアはイタリアのアと語源が同じだ。比較的土地が豊かでソマリランドの人間に「おい、マンゴーでも盗みに来たのか」と言うのが差別用語という事だ。
ソマリランド、南部ソマリア、自衛隊が機雷の撤去に行った海賊国家プントランドでソマリア連邦共和国と言う形で独立したが氏族間の争いが絶えない。注意しなければならないのは部族間の争いではないという事だ。部族間の争いうというのはアジアの覇権を日本、韓国。中国で争っているようなものだが氏族間の争いは源氏と平家と藤原氏が争っているようなものだ。
列強から独立したものの国内で氏族間の争いが始まった。ところがここで面白い現象が起きる。ソマリアでは激化しソマリランドでは国連および国際社会の協力なしで内戦が収束した。同じ民族なのにこの違いはどこから来るのか。それは統治の方法の違いであった。イギリスは氏族間の長老制度を残し、イタリアは徹底的に破壊した。長老の呼びかけで各氏族の長が集まり武装解除を行い、民主的な選挙まで実施されている。氏族間の気質の違いもあるのかもしれない。ソマリアが好戦的で、ソマリランドが友好的かと思いきや、逆だという事である。ソマリアの氏族の方が穏やかだという事だ。あまり争いをいたことがないので終わらせ方が分からないのだという。似た話を日本でも聞く。小さな喧嘩をしたことがないのでいじめて死に至らせてしまうケースだ。
そんな、ほとんど産業もない国家でどうやって運営しているかと言うと、これまた凄い。海外で生活する人の「仕送り」なのだ。ふるさと納税で蘇った北海道の地方都市の話かと思ってしまう。
国際社会からの投資がない。だから開発されることもない。開発されないから利権も生まれない。利権が生まれないから争いもない。
ソマリランドは独立を希望しているがまだ実現していない。奥さんが離婚を希望しているが旦那が脳死状態で離婚届に印鑑を押せない状態ににている。
そんな国がまだある。講釈師みてきたような嘘をつきと言うセリフがあるが、僕がソマリランドに行ってきたわけではない。行ってきたのは高野秀行氏だ。国も凄いが行く人も凄い。
ここから先はエロビデオと一緒で有料サイトだ。本を読んでほしい。

参考図書
「謎の独立国家、ソマリランド」高野秀行著 集英社文庫

昭和歌謡

一応jazzのライブバーのマスターである。ライブスケジュールにplayz昭和歌謡と謳ったところ思わぬ反響があった。とうとう呆けて来たかではなくて面白そうな企画と言う反応であった。勿論僕の企画である。だがこれは古舘賢治の異才なくしては成立しない企画であった。jazzのスタンダードを歌うとちょっと中性的なチェット・ベーカー風でもあるのだが、日本語の歌を歌うと異次元の世界に連れていかれるとある時気が付いた。これは一回のライブに一曲ではなくまとめてやったら面白いだろうなと思った。古舘にお願いすると快諾してくれた「。弦哲也に嵌っていたことがあるんですよ」という事だった。バーデンパウエルのギターも難なくこなす古舘である。そのギターで古賀メロデーも聞いてみたいと思った。それが実現した。「影を慕いて」からチューリップ、サザンオールスターズ、近藤真彦の「ギンギラギンにさり気なく」まで古舘ワールドがさく裂した。白眉は鳥羽一郎の「北の漁場」であった。こぶしが回った時は思わず「よ!、賢治」と叫んでしまった。おひねりをしょうと思ったが間に合わなかった。
jazzに関わって半世紀。演歌に負けてしまった。
なぜ昭和歌謡に心惹かれるのだろうか。テレビが家に来たのは東京オリンピックの時だ。それまではラジオしかない。歌番組と演芸がよく流れていた。歌がほとんど唯一の娯楽であり身近にあった時代た。jazzの曲は数曲しか弾けないのに春日八郎、三橋美智也、藤山一郎ら昔の大歌手の十八番が口をついてくる。
会社員を20年ほどやっていたので上司に連れられカラオケスナックに行くことがあった。必ず何か歌えと言われる。ビートルズの曲も歌えないことないが、会社の宴席ではなんとなく英語の詩はご法度である。かと言って「お富さん」とか「赤いランプの終列車」ではスナックのお姉さん達に嫌われる。そういうことで「小樽の人よ」「よせばいいのに」の様なムード歌謡を歌っていた。lazyのレコード棚を整理していたら細川たかしの「北酒場」のシングル盤が出てきた。何となく覚えている。カラオケのレパートリーを増やすために買ったのだ。多分コルトレーンの「アセンション」に飽きた時にかけて練習してはずである。
今回の昭和歌謡特集にはもう一つ目的があった。
年老いた母親に聴かせてあげたいと思ったからだ。実家に帰ってテレビを見ていると「最近知っている歌がかかる番組がない」とボヤかれる。NHKに投書するよりも自分の店でやった方が早い。
という事でプチ親孝行ができたと思っている。

追伸
LUNAにロックを歌ってもらった帰り、「何かまた新しい企画思いついたら、いつでも言ってください」と言われたことを思い出した。LUNAの歌で「テレサ・テン」や「ちあきなおみ」をじっくり聴いてみたいと思うのは僕だけでしょうか

臨時ニュース

昨日5月20日の11時ちょっと前。ラジオのバラエティー番組を聞いていた。突然臨時ニュースが入った。GDPが年2.1%増、2期連続プラスになったという事だ。多分良いニュースなのだろう。だが臨時ニュースを入れるほどの内容なのか。あと数分すれば定時のニュースの時間だ。時間をちょっと早めることでビックリ度を操作しているように思う。
フランス映画の「フローベール夫人とパン職人」やソフィー・マルソー主演のああ・・タイトルが思い出せない・・・・ランデブ・ーイン・パリであったろうか・・・の一場面。主演女優が男を訪ねてくる。トレンチコートを着ている。この後は定例のベッドシーンになるだろうと想像できる。ソフィー・マルソーが悪戯っぽい表情でコートを脱ぐ。服は着ていない。ランジェリー姿だ。おお・・・と思う。どうせあと数分で脱ぐのに。臨時ニュースだ。
いいニュースであるはずなのに、僕ら庶民には全く実感がない。またお役所の統計操作かなと思っていたが今回は手品だった。消費と設備投資は停滞している。それに伴い原油や天然ガスの輸入が減っている。この数値が計算上プラスになる計算式になっている。
数字はランジェリー姿のように見掛け倒しであるが政府には安堵感が広がっている。「アベノミクス」への批判を避けられ10月の消費税増税の再延期論も収まると踏んでいる。
この雰囲気を醸し出すための「忖度」された臨時ニュースであったに違いない。

訃報

現政権が元号が変わったことをお祭り騒ぎに変え改憲の動きを加速させようとしている。憲法のことを考えると改憲。護憲の立場はさて置きいくつか納得できない点がありそれを考えす意味で加藤典洋の「9条入門」という本を丁度読んでいた。9条が押し付けられたものか自発的なものかという9条の出生の秘密を天皇制の存続との関連の中で読み解いていく。そこにはマッカーサーのGHQと戦勝国の極東委員会との主導権争い、そしてマッカーサーの大統領選挙への出馬への布石も絡み翻弄される日本の姿が丁寧に説明されている。おすすめしたい本である。
その著者である加藤典洋氏が亡くなったことを今知った。
冥福を祈りたい

箴言vol2

世の中分からないことで満ちている。それは素人が絶対分からない最先端科学の問題だけではなく、政治経済、身近の社会問題にも芸能、スポーツ、音楽にもはてなマークがあふれている。ただある種のジャンルのものは理屈を知らなくてもある程度楽しめる構造になっている。例えばサッカー。オフサイドの細かい規定を知らなくてもゴールシーンだけで楽しめる。「音楽など感性で感じて好きなものを聴けばいいんだ」一見もっともらしい。だが待てよと思う。なぜこちらの音楽の方がいいと思うのか。僕は知りたくなるのである。そして「音楽にとって美とはなにか」と言った吉本隆明ばりの命題に突き当たってしまう。
勿論簡単には答えは出ない。
こういう時に時に思い出す言葉がある。

鷲田清一「必要なのは、わたしたち一人ひとりが、できるだけ長く、答えが出ない、出せない状態のなかにいつづけられる肺活量をもつこと、いってみれば、問えば問うほど問題が増えてくるかに見えるなかで、その複雑性の増大に耐えうる知的体力をもつこと。」

参考図書
「濃霧の中の方向感覚」鷲田清一

ニュースの質

岡村孝子が急性白血病、堀ちえみが舌癌で競泳の池江璃花子が白血病であるらしい。芸能情報に詳し方ではない。週刊誌も読まないしネットニュースもほとんど読まない。なぜ三人の病気のことを知っているかと言うとHKKのニュースで報道されていたからだ。間違ってもらっては困る。民放のワイドショウで知ったのではない。
病と闘っている三人には何の恨みはないがこんなことNHKのニューで流すことかと首をかしげる。百田と籾井をトップにいただく組織になってからの質の劣化はひどい。国会中継を中断して一高校生の入団記者会見を流す。ゴーン氏の保釈金の現ナマの量を視覚的に映し出す。もう人気取りの民放と変わるところがない。その民放も電通とジャーニズ事務所と吉本興業と秋元康には逆らえない。安倍総理は憲法改正をにらみその4社とうまく付き合っている。憲法改正のコマーシャルの放映問題が議論されている。資金量の豊富な自民党に有利に動くはずである。NHKは不利な情報はカットすることによって援護射撃をするであろう。
闘病生活をしている芸能人に勇気をもらっている場合ではない。

カーネーション

母の日にカーネーション3本と総菜3品持って実家に行ってきた。週2回は様子見に行っているので違いは花を持っていくか持っていかないかである。やっと花を持っていき素直にありがとうと言える年に僕がなった。庭仕事ができない体になっているので、畑には花がない。単純に部屋に花があると嬉しそうだった。
パーキンソン病で震える口で「あ・り・がと・う」と言った。
あと何回「ありがとう」が聴けるかは考えないことにする。

ボタン

シャツのボタンが取れた。上から二番目のボタンである。一番上のボタンは普通留めないので二番目がないと襟ぐりが大きく空いてだらしないのである。冬の間はマフラーを撒いて誤魔化していた。ボタンの一個くらいつければいいのではと言う話になるのは分かっている。僕もボタン付けくらいできる。半返し縫いも本返し縫いもできる。もっと言えばチェーンステッチで刺繍だってできる。針に糸が通ればの話である。こういうことができなくなると歯がゆくなる。
近所のお店のAにお願いしてつけて貰った。替えボタンが入ったケースとシャツを置いてきた。似たようなボタンをつけて貰えば良いからと言い添えた。
30分もしないうちに「はーい」と言って持ってきてくれた。
前面のボタンが全部同じ種類になっている。袖のボタンが二個とも似たようなボタンに変わっている。袖のボタンを移し替えてくれたのだ。とれそうだった他のボタンもしっかり付け替えてくれている。
こういうさらっと気配りができる昭和の女性は少なくなった。
こういうことができる人だ。店が毎日にぎわっているのは言うまでもない

ヘンな論文

世の中には変なことを真面目に研究している人がいるものだ。その論文を紹介している本があった。
「ヘンな論文」サンキュータツオ著
大体著者の名前もふざけている。経歴からして異色だ。「米粒写経」と言う漫才師でありながら大学で非常勤講師を勤める学者芸人だ。
研究者の根底には「知りたい」と言う欲求がある。それがIPS細胞になるか「おっぱい」になるかの違いであって学問的情熱には差がない。
ここに収められている論文のタイトルをいくつか紹介したい。
「おっぱいの揺れ」とブラのずれ
正式名「走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性」
このタイトルだけで脱帽するのである。「乳房振動」僕も紹介者同様この表現に研究者の学問的意欲感じた。断じて「おっぱいの揺れ」であってはならないのである。古今東西老若の違いなく「おっぱい」に抱いているおバカ男子の夢と希望、雑念と決別する不退転の意思を表明している。ここでもう一点注目してほしい。この論文は「走行中のブラジャー着用時」の研究である。
条件を整理する。
1「走行中のブラジャー着用時」
2「走行中のブラジャー非着用時」
3「歩行中のブラジャー着用時」
4「走行中のブラジャー非着用時」
の中で1の「走行中のブラジャー着用時」にブラがずれることに悩む女性が多いという事である。まずブラがずれるという感覚が分からないのである。そして僕などような俗人には2「走行中のブラジャー非着用時」の方が気になってしょうがないのだ。到底僕にはこの研究をやり遂げる自信はない。
他にも「浮気おとこ」の頭の中
正式名「婚外恋愛継続時における男性の恋愛関係安定化意味付け作業」など興味を引く論文満載だ。著者の文章も面白い