ライブ中に全く関係ないことを思い出すことがある。
会社員時代よく結婚式の祝辞を頼まれることが有った。女性の多い職場であったので新婦側の立場で挨拶順は2番目が多かった。その時上司に言われたことは新郎側の挨拶より長くしゃべるな、上手すぎてもだめだ・・・という事であった。男性優位の風潮が色濃く残っている時代の話である。その時は珍しく新郎側来賓で2番目に挨拶する事になっていた。一番手は新郎の会社の社長であった。途中から明らかに様子がおかしい。しどろもどろになり同じフレーズを繰り返している。所謂飛んでしまった状態である。緊張すると覚えてきた原稿が真っ白になることが有る。その社長の長いソロが終わり僕の順になった。司会者の紹介が有り僕がマイクに向かって珠玉のソロを始めようとしたその時かの社長が「もう一度喋らせてください」と言って出てきた。僕はマイクを譲り席に戻って二度目の祝辞を拝聴した。ああ‥このフレーズを入れたかったのだろうな・・・と言う事はつぶさに分かった。挨拶で慎ましく原稿を読む事は悪い事ではないと思う。だがジャズのふりして中身は書き譜、さらに人のソロにも強引に乱入してくる3流のソニー・スティットの作法は流石に大人げない。場所は首相官邸に移る。木原官房長官の記者会見である。最初は記者クラブに加盟している大手メディアの質問である。抑揚から明らかに原稿を読んでいる。官房長官もどの答弁を読むかを見失わないように答弁書を目で追っている。記者と目を合わすことはない。新聞に記事を書くためのデティルに関する質問ばかりで問題の本質に切り込む討論は皆無であった。まさに三文芝居の出来レース。ジャズ的意思疎通はない。lazyでのライブでも開演直前まで練習している輩がいる。あるフレーズを何度も反復している。そのカッコ良いフレーズを何処かにぶっこめばいかしていると思っている節が有る。そのフレーズが相応しい瞬間は一生訪れないかもしれないのである。この練習マニアも大手メディア記者もかの社長もジャズをあまりご存じないようである。
