暑い日であった。暑さに強いわけではないが不感症の気が有る様なので熱中症に注意し店に避難した。
店は直射日光が当たらないので午前中はヒヤッと感じるくらいである。冷房を長時間入れると寒すぎる。一歩外に出ると灼熱地獄である。スーパーに入ると永久凍土のシベリア状態。また外に出ると灼熱地獄。店に戻るとリー・コニッツとトリスターの演奏のようにクールである。体に悪い。頻繁に冷蔵庫から出し入れされるマヨネーズの気持ちが分かる気がする。今日はstar closed loverの日である。T.フラナガンの名演があるが北海道の人間にとっては7月7日が七夕と言うのはピンとこない。北海道では8月7日に行われていた。子供にとっては夏休み中の一大行事であった。提灯或いは手作りのカンテラに蝋燭を灯し近所を「ロウソク出せ、出せよ、出さないとかっちゃくぞ、おまけに食いつくぞ」と恫喝しながら練り歩くのである。その日は夜遊びが公認の日なので貰ったロウソクを灯しながら花火等をしながら遊ぶのである。大量に貰ったロウソクをどうするかと言うとその頃時々ある停電の為に一部備蓄し一部仏壇の有る親戚の家に持って行った。残りはロウソクショーをするストリッパーのお姉さんに寄付した。なぜ北海道はひと月ずれて行うのかは子供の頃は知らなかった。織姫と彦星は実は年二回会っていたのではと勘繰っていた時期もあった。明治期に太陽暦に改暦が行われたときに新暦でお祭りをすると本来の季節とずれてしまうからだと知ったのは高校生位ではなかったか。
その後ロウソクが御菓子にかわり、その後はそういう風習自体無くなってしまった。地域共同体が崩壊した時期と一致する。