選挙の行方 その8

8:15分自民改選議席確保確実の一報が入る。10:00には改憲勢力が2/3議席確保の見込みとの報道が入る。自民党に入れる予定でなかった人の15%が安倍元総理の死去を受けて投票先を変えたという情報もある。暗澹たる気持ちである。投票日前日岸田総理も「民主主義を守る選挙」と言い出した。予想したように弔い合戦の様相を呈してしまった。個人に対する弔意の念と9年間のアベノミクスの功罪に対する審判は別の話である。安倍氏を批判したものにも暗殺の責任の一端があるかのような論調がある。問題のすり替えである。この10年間ひどい事件が多々あった。それでも自民を選ぶ国民が不特定多数いることに愕然とする。こういう日には楽しい落語でも聴いて過ごすことにする。

選挙の行方 その6

東京選挙区の事である。自民党公認でおニャン子の生稲晃子と元ビーチバレーボール選手の朝日健太郎候補が出馬している。元の生業を揶揄する気はない。コロナ対応の緩和についての質問があった。二人の回答が一字一句に近い所まで同じであった。多分自民党本部の模範解答があるのだろう。それにしても自分の頭で文面を変えるくらいの知恵はないのだろうか。カンニングギャグを思い出す。答えのみならず名前まで写してしまう落ちだ。もう一つは「わかりません」「私も判りません」と言う落ちだ。こういう案山子候補を擁立する自民党に政権を委ねていいのだろうか。東京では山本太郎候補、共産党山添拓候補も出馬してこの二人の自民党候補の後塵を拝している。ヤマハの教則本をそのまま演奏する発表会を楽しいと思う音楽フアンがいるとしたらそれは「お友達内閣」の一員である

選挙の行方 その5

選挙盛り上がりませんね・・・というセリフを聞いたのは告示後一人だけである。新聞を読むだけではその空気感は分からない。テレビは映らないがテレビ欄は見ている。選挙関係の特番は全くない。昔から選挙特番は視聴率を稼げないので制作側トップから忌み嫌われていた。それでもマスコミの矜持として制作されていた。国政選挙の得票は概ね【野党系:棄権:与党系】が【2:5:3】の割合である。投票率が50%程度になると、与党が固定票で勝つので、安倍内閣以降の選挙戦略は、低投票率のもちこむことにある。だから、選挙が近づくと争点をぼかし、メディアには報道させないよう圧力をかける。そして国民には選挙に興味を持たない様催眠術をかける。麻生財務大臣は「政治に関心を持たず生きていける国は良い国です」などと発言している。完全に上から目線である。誰にとって良い国なのか・・・・それは独裁政治家にとってである。あるアンケート調査で衝撃的な事実を知った。コンジョイント分析と言う手法で政策を政党名を隠すと自民党案は選ばれず、政党名を明記すると自民案が選ばれるというものだ。要するに政策など何でも良いという有権者が不特定数存在すると言う事である。
以前政治意識は「右対左」「与党対野党」の様な思想の対立軸で語られていた。「現状維持派」という概念が必要ではと分析したのは山崎雅弘氏である。この考えを持つ国民は腐敗一掃で現状が変わることを良い事とは思わない。変革も望まない。だが今回は素人考えであるが政権交代はない。政権交代が不安と言う方も現状に不満がある人は少なくとも与党に投票すべきではないと思う。選挙結果によっては「国民の支持を得た」と言ってこの状況がブローイングセッションの様に代わり映えしないソロが続く。賃金は上がらず、環境対策は進まず、ジェンダーギャップは埋まらない。付けで買っている防衛装備品の支払いで首が回らず、GDPの2%案が現実化している。勿論物価高は止まらない。庶民は本当にマイルス。物価はリトルが良いでしょう。

選挙の行方 その4

前回音楽4団体が今井、生稲を支援すると表明した件について書いた。補足説明をしておきたい。どの団体に所属しようが個人的に特定の政党を支持する自由はある。だが色々な政治信条を持っている個人の集合体である関係団体が何の事前連絡もなく自民党を支持する声明を出したことが大問題なのだ。生稲は夫婦別姓には反対を唱えている。自民党もLGBT法案等に消極的な姿勢を見せている。音楽はジャンルに関係なく多様な心情とマイノリティをも取り込んできた経緯がある。音楽関係者はその経緯を思い出すべきだ。早速アジアンカンフーの後藤正文が中心になって抗議文を出した。その全文が彼のブログから読むことができる。コロナ禍で音楽関係者がつらかった時SAVE THE SPACEという運動がおこった。その時自民党議員は見向きをしてくれなかったという。今回の声明も業界団体が政権与党にすり寄って経済的な利益に預かろうとする意図が見え見えである。演奏者もその支持者も表現の多様性がそんなところから崩れていくことを自覚すべきである。
どうか投票に行っていただきたい。・・・・以下同文

選挙の行方 その3

一昔前、小泉今日子が政治的発言をした際、芸能人は政治に口を出すなと言われてネット上で徹底的に叩かれた。ところがspeedとおニャン子クラブは許されるらしい。今井絵理子と生稲晃子が日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽出版社協会という半ば公的団体から支持を受けて選挙活動を行っている。音楽が権力の顔色を伺ってはいけない。生稲晃子は落選しておニャン子クラブの名を汚したくないとも発言している。名を汚したくないのであれば経歴にそういうことを謳うべきではない。芸能人の出馬を否定する気はないが最低の市民としての矜持をもって立候補してもらいたい。このブログを読んでいる方はjazzを愛する人、その愛を演奏で表現している方と思う。音楽と金、コネを一緒くたにする行為は命取りになる。どうか投票に行き自公維新、国民以外に朝日の様にさわやかな一票を入れていただきたい。Jazzミュージシャンのギャラが上がらない遠因は経済政策にある。

選挙の行方 その2

物価高が止まらない。メーカーは選挙期間なので値上げ予告と言う形で自民党に忖度している。そもそもこの物価高はアベノミクスの成果なのである。おいおい何を言う…という方がいると思う。アベノミクスは完全に失敗しているだろう。・・・・これが庶民向けの経済政策だとすれば戦後最低の愚策であるが元々富裕層と大企業向けの政策だと考えると実にうまく行っている。給与は30年間上がらず、企業は460兆の内部留保を蓄える。それを設備投資に向ける訳ではなく自社株を買いあさり株価を上げ株主に恩恵を与える。トリクルダウンはこちらだけに滴る。日銀の金融緩和政策と相まっての円安である。投資は海外での運用となる。政府の子会社と化した日銀は世界の中央銀行が金利の切り上げを実施しインフレを抑えようとする中で一社マイナス金利を続ける。国債残高が1000兆円あるため金利を上げると利払いが発生し破綻するからだ。後は野となれ山となれといった乗りで戦時体制の様に国債を発行し続けハイパーインフレのおかげで借金がチャラになるのを待っている。もはや不況下のインフレでスタグフレーション化している。デフレからの脱却で物価上昇率2%を達成したわけでもないのにお馬鹿なテレビ局が「アベノミクス物価上昇2%を達成しました」と提灯放送を流す。物価が上がれば消費税は増加する。ただこの税金、何度も言うが社会保障には回っていない。先週のNHK日曜討論で茂木幹事長が「消費税を減税すると社会保障費を3%削らなければならない」と真っ赤な嘘をついた。NHKテレビで放送されると正しいことを言われている気になる効果を狙ったものだ。維新の吉村知事が何のコロナ対策もせずテレビに出ずっぱりになって支持率を稼いでいるのと同じである。岸田総理も当初新しい政策を出したが今は安倍総理の顔を伺う政策しか出せなくなっている。いつもニコニコしているし前の二人がひどすぎたので相対的に良く見えるが中身は一緒である。キャバレーのフロアマネージャーが使う手口である。ブスな子を二人付ける。お客さんは女の子変えてよ・・・と言うはずである。その子がニコニコしていれば綺麗に見えて思わず指名してしまい「ドンペリ1本」と言う事になってしまう。今回はそういう飲み方は控えてほしい。この選挙は思いのほか重要であると考えている。今年以上の夏がもう来ないとしたらあまりにも寂しい。
どうか選挙に行って自公、維新、国民以外に投票していただきたい。

選挙の行方 その1

新聞各社、テレビ局は選挙戦前半であるにもかかわらず与党安定多数の論調である。選挙など行っても無駄と言っているに等しい。どうか投票に行っていただきたい。そして自民公明、維新、国民以外の政党を選んでいただきたい。どの政党の政策も気に入らない所はある。日本を少しでも住みやすい国にしたいと思うならば鼻をつまんで前記の5党以外を選んでいただきたい。消費税を減税すると社会保障費が3割減るなどと言うのは嘘っぱちである。国民を恫喝しているに過ぎない。僕は年金受給者であるが消費税とは無関係に減額されている。俺にもっとよこせと言いたいわけではない。ちゃんとした政策を選択すればもう少しましな世の中になるはずである。
生稲あきこという元アイドルが東京都で立候補していて当選有力らしい。政策アンケート調査24項目無回答で憲法改正だけ賛成である。こんなおバカさんを国会に送り込んでよいのか。国民の見識が問われている。このブログを読んでいる方はlazyのライブに来てくれたことが有る方だと思う。先週の大石学と米木康志のduoは久々満席であった。リスナーの方が見識のある方だという証明である。これがドレミも判らない演奏者のライブが満席になったとしてもそういうお客さんに支えられるjazz barはやりたくない。僕には選挙も同じことのように思える。

エアコン

今年も暑くなると言う事で故障していたエアコンを早めに取り換えた。幸いと言おうか暑い日は訪れず今まで使う日はなかった。昨日ミュージシャンの希望で今年初めて動かした。昨年の猛暑下ライブに来てくれていた常連の人から拍手が起きた。6月15日の事である。Lazyで働いていた友恵の命日にあたる。数年前まである時期になると深夜エアコンが勝手に動き出す現象が続いたことが有る。この事はお客さんが気味悪がるといけないのであまり言ってはいない。ある霊感が強いというお客さんがここでは何かを感ずる・・・と言っていたのも思い出した。僕はああ・やっぱり友恵来ていたのだ・・・と思っていた。本当にlazyに戻ってきたかったのだと思う。まだ、私の事覚えているよね‥と言ってエアコンを悪戯していたのだと思う。
店で二日続けて「ちょっとした」事件が起きてそのことが原因で心のバランスを崩してしまった。絶対店に戻るからね。待っててパパ・・・と言うメールが時々来た。メールが打てるほど体調が良い時に。友恵は僕の事をパパと呼んだ。あだ名である。昨今のパパ活のような新語もある。誤解されるので人前では辞めてほしいと言ったが友恵は頑としてパパと呼び続けマスターと呼ぶことは一度もなかった。若い愛人出来て良いねと揶揄されたこともある。友恵が心に傷のある子だとは聞いていた。だが「ちょっとした」ことがそれほどまでの引き金になるとは想像できなかった。僕にも責任があるので辛抱強く回復するのを待った。生活保護の手続きに同行し月何回かの心療内科への通院にも付き合った。時々人前で暴れられることもあり必死で抑えたことも何度もある。薬を飲むと何事もなかったように穏やかになる。そしてケロッとして「ごめんね。おなかすいちゃった」と言うのである。少なくとも信用されている実感はあった。僕は本当に人を守ってあげたいと思ったのは友恵が最初だったのかもしれない。15年前の6月15日の午前4時半、友恵が設定まで全部やってくれたガラケー携帯に着信があった。その事に気が付いたのは15日の午後であった。電話をかけたが出ることはなかった。体調が良くない時は電話に出ないこともよくあることではあった。翌日知らない方から固定電話に電話がかかってきた。「友恵の父です」と切り出した。山梨県にいらっしゃると言う事は聞いていた。「友恵が亡くなりました」と言う言葉を聴いた時は頭の中にキーンという通奏音が鳴りだした。「いつですか」と聞くのがやっとであった。「15日の5時頃です」と聞いた時には言葉を失った。あの電話に出れてさえいれば・・・・と思うとしばらく何も手につかない日が続いた。僕もそこそこの年齢である。肉親や親しかったミュージシャンの死に直面してきた。だが友恵の死に異質なものを感じた。26歳で命を絶った子にまだ人の為に優しくなれる余力が残っていることを教えてもらった。
石垣島の砂浜で半分居眠りをしながら村上春樹の小説を読んでいる僕の傍らでせっせと小さなヤドカリを取っている友恵の姿を今でも思い出す。
もう一度エアコンを動かしに来てくれないかな・・・。

コロナと学園祭

三年ぶりの北大祭りに行ってきた。Lazyでバイトをやっている部長Uの挨拶で始まった。初めて経験する学園祭を開催できる喜びに溢れる挨拶であった。学祭に近くなったある日部員から今年はコロナ対策で入場制限をするという話を聞いた。マックス3000人で希望者はネット予約が必要でそろそろ締め切りになると脅された。まあ、自分でもできないことないだろうが部員kに全日朝一から行くと言う事で三日分予約してもらった。開催日の前日実行委員会から予約確認のメールが届いた。予約番号、注意事項が列記されていた。身分証明書を持参すること、滞在時間は3時間、指定された門から入場すること・・・かなり厳密にチェックをする感が漂う文面であった。入場できる門と時間が指定されていた。北8条の正門であった。Jazz研の演奏場所は北18条の教養棟。僕は北24条に住んでいるので演奏場所を横目で見ながら正門まで南下しなくてはならない。そして又18条まで歩く。そこそこの運動量だ。正門をくぐると受付があった。入場のチェックを受けている。長蛇の列ではないがスマホと免許書を出して待っていた。受付が終わると制限時間の書いてあるリボンを渡された。最大3時間の滞留時間である。見ているとそこを素通りして入る人間も居る。最初は関係者なのだろうと思っていた。演奏会場に着くと部長のUが出てきてスタッフ証を首にかけてくれた。「見回りもあるのでこれが有れば3時間を超えても大丈夫です」との事だった。見回りと言う言葉にゲシュタポの様な密告社会の匂いを感じた。なぜこんなことを長々と書いているかと言うとある種の疑問が湧いてきたからだ。帰る時18条口から出たがスタッフは誰もいない。帰った人数は把握できていないという事である。残りの二日間は22条の獣医学部の入り口に行ってみた。誰もいない。普通にそこから入った。覆面パトカーが茂みから出てきて検挙されることも無かった。善意の住人が犬の散歩やらジョギングやらでどんどん構内に入ってくる。実行委員会の入場数制限は「やっている感の演出」であったのだ。オリンピック時の政府のザル水際対策を想い出した。実行委員会は大学当局からコロナ対策はどうすると聞かれたはずである。その対策がこの方法であったのである。北大は政府から言われて独自の基準を作り部活なども制限していた。密を抑えるのか人流を抑えるのかはっきりしない対策が政府、大学とリレーされた。それを学生たちが見逃すわけがない。ああ、あの程度でいいのね・・・と思う筈である。学生たちを責める気は毛頭ないがこういう手口を覚えて社会に出ることを危惧するのである。
老婆心からである。
「老婆は一日にして成らず」

腹立ち日記vol21 年金通知

年金機構から年金通知が届いた。年金減額通知である。支給額そのものが又減っているし控除されている介護保険料と国民年金負担額は増えている。支給額は物価スライド制で昨年までのデフレスパイラルと賃金上昇率にリンクしている。賃金上昇率はOECD国の中で最下位である。雇用形態を非正規労働者に変えてきた付けである。収入は減り、社会保険料は上がり、物価も上がり続けている。日銀の黒田総裁が「国民も値上げに適応してきたのではないか」と発言した。馬鹿も休み休み言ってほしい。あなたの誤った金融政策のせいで何でこちらがヒイヒイ言って生活しなければならないのか・・・。
僕は20年会社員として働いた。社会保険料は会社と個人がほぼ同率で積み立ててきた。それでも支給額は雀の涙ほどである。国民年金だけの人は想像に難くない。若者にもジジババの為に社会保険料を払いたくないでしょう・・・と言って分断を図る。日本はいつからこんなに国民に優しくない国になったのか。そうです。中森明菜も歌っている。「坊ちゃんA」が上座に座りだしてからである。桜問題もまだ解明されていない所に新しい事実が判明した。サントリーが数年にわたり飲み物を無償提供していたのである。サントリーもビールをはじめとする酒類の値上げを発表している。総理にはただでふるまうが国民には「苦い汁」は吸わせないと言う事だ。折しも第三のビールの税率を上げるあげないで議論されていた時期とぴったり重なる。開高健が草葉の陰で泣いている。