学生all stars 企画について

プロと学生が共演する企画が学生all starsという名称で定着してしまった。1.2年生で昼ライブを経験し2、3年生で夜ライブをやってもらう。そのうち限られた部員が卒業までに東京のプロと共演する機会がめぐってくる。僕も学生もそういう認識で一致していた。ところが最近は3年生から就活せざるを得ない産業界からの圧力で学業、部活共々集中できる期間が短くなってきている。それに伴って学生all stars 企画もデフレ傾向、青田買いになってきているがそれなりに意義はあると考える。先日も松原慎之介に学生の相手をしてもらった。学生のリーダーは大学に入ってから楽器を始めた二年生K頭である。普通はあり得ない企画である。まだ楽器もそんなに上手くないK頭にある伸びしろを感じた時があった。そしてその経験を後輩に伝えてくれそうな気がしたのである。慎之介のasとドラムのデュオになる瞬間があった。必死に食い下がるK頭には感動すら覚えた。そつなく足並みそろえる北朝鮮の軍事パレードのような演奏より若い時しかできない演奏を披露してほしいと思っている。今までプロの能力を試すような選曲をする学生もいたがあまり感心しない。プロだって演奏するときは楽しんで演奏したいはずである。どういう選曲をし、どういうリハをするかでその日の演奏の形は想像できる。この企画で学生に伝えたいことは北大ではなんとなく共通認識として定着してきているような気がする。亡くなった鈴木央紹が言っていた。ライブハウスが満席でも聴衆に若者がいないと危機感をおぼえる。・・・・・・と。距離感を縮めるのには一緒に演奏することに勝るものはない。その感動と記憶を抱いて社会人になったら全国に散ってほしいと思っている。全国をツァーする東京のミュージシャンからどこそこに誰それが来てくれたと時々連絡が入る。本当に嬉しい。それを糧に堪え難きを堪え忍び難きをしのぶものである。