曽我部泰紀(ts)魚返明未(p)富樫マコト(b)西村匠平(ds)
これはレギュラーバンドである。統率が取れていることと予定調和的であることは全く別のことである。私たちはLIVEにスタジオ盤からの逸脱を期待して止まない興味本位な聴衆といってよい。想定外は大歓迎なのである。リーダーの西村はそこを見逃していない。彼が叩き出す高揚感はその証明といえるだろう。LB初登場からそれは変わっていない。バンマスへの献辞はここまでとして、まずは地元出身で若干二十才の富樫が気になる。頷かされるのは指がよく動くというなことではなく、持っているGroove感だ。ここには何ものにも代え難いヤバさがあり、筆者を含めより多くの監視員をつけたい逸材だ。次は曽我部、.Pushのソツないイメージを覆すゴリゴリ感で押してくる。なんでもLB(つまり全国)の巨星S・央紹氏の後輩筋に当たるらしいが、同一楽器につき面識を持つ機会に恵まれていないそうだ。巨星が聴いたらどう思うか分からないが、肝の据わった頼もしさは確かなものだ。大阪の中の大阪たる河内出身の暴れっぷりを当面は今の延長で見て置きたいリード奏者である。そして前ノリした魚返は遠慮会釈を肯定的に振り払い、リリシズムとエクスプロージョンが全開だ。この若き上昇集団は聴いて兎に角気持ちがよい。こういう連中がいるから隠居はお預けにされっちまうのよ。演奏曲は「Catch&Release」「Vernal Days」「Body&Soul」「Hiball Party」「Wanna Be」「Darn That Dream」「Town Work」「朝焼け5時散歩」など。(「Hiball Party」の魚返、恐るべし)。
この週は大変結構なHard Daynightsでした。(M・.Flanagan