素人の経済談義 vol2 構造的賃上げの欺瞞

素人の経済談義 vol2 構造的賃上げの欺瞞
経団連企業の賃上げが5%の水準で推移している。初任給はそれ以上の引き上げである。給料は高いほどいいじゃないかと思うかもしれない。落とし穴がある。転職とリストラの若年化が進み一部の老朽化したタイタニック号しがみつく者だけが高収入を獲得しそれ以外はリスキリングという自助努力強いられる。労働市場は流動化しガザのように高い壁が築かれ格差が広がる。22カ月実質賃金は増加していない。中小の賃上げはこれからであるがコロナ禍のゼロゼロ融資の返済も始まる。この時期の日銀ゼロ金利政策からの脱却である。中小企業の賃上げなど望むべくもない。なぜ経団連企業が賃上げ満額回答などできるのであろうか。円安政策、法人税の減税などで史上最高益を出しているにもかかわらず人件費の増額に回さず内部留保にした経緯がある。その懺悔の意味でその一部を吐き出した賃上げと考える。
おりしも国会では裏金問題を審議中である。経団連企業の賃上げ満額回答、日銀のマイナス金利の解消、自民党の権力闘争、衆議院解散の時期、それらが一本の糸でつながっているように感ずるのである。オレオのような循環コードならまだしもオレオレ詐欺ような悪の循環コードの響きが聞こえてくるのである。