ジャズのライブが主の店である。演奏後の演者の打ち上げ話には二種類ある。世間話とまじめな話しである。まじめな話というのは音楽の話しである。時にコードチェンジの話しになる。パッシングデミニッシュコード、裏コード、偽ケーデンス・・・素人には何言っているんだろうという話が続いたりする。厳密にいえば一つのコードを変えるだけでサウンドが変わる…はずである。それが聴衆にわかるかどうかは別の話である。大きく捉えるという考え方がある。良く例に出されるのは「I got rhythm」のような2泊ずつコードが変わるときの解釈の仕方である。スイング時代の様に忠実にコードトーンをつないでいく方法からモーダルに考えドリアン一発で紡いでいく方法まで千差万別である。だが大きく捉えるという問題はコード解釈に留まるものではない。音楽そのものに対する考え方である。明日は参院選である。国のかたちを決める重要な選択であるはずだが問題はどんどん矮小化されていった。毎日の異常な暑さの原因は語られることなく、こんなに貧しくなった日本の経済状態の原因も反省することなく、とりあえずの生活苦のはけ口を減税か給付か・・・という問題にすり替え、さらにそれを外国人のせいにするコードチェンジが出てきた。このコードチェンジが受けると思うや否や自民党や立民もこのコードチエンジに乗って選挙を戦おうと戦略を変えてきた。微細なコードチエンジの奥に隠された音楽の本質を嗅ぎ取るように投票先を選択したい。